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00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2009年編)

自分が洋楽ロックを本格的に聴き始めてから初めてリアルタイムでフル体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」の名盤を1年ごとに振り返る企画です。いよいよ今回で最終回となる第10回目、テーマは「2009年」です。毎度お決まりの文句ですが、あくまで主観的な判断に基づいたセレクトになっております。


2009年の名盤 Best11
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00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2008年編)

僕が洋楽ロックを本格的に聴き始めてから初めてリアルタイムでフル体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」の名盤を1年ごとに振り返ります。しつこいようですが、各音楽メディアの評価とかは無視した、あくまで主観的な判断に基づいたセレクトになっております。

またもや前回から3ヶ月も空いてしまいました。第9回目となる今回のテーマは「2008年」です。2008年はどんな名盤があったんでしょうか。


2008年の名盤 Best11
viva-la-vida-coldplay


00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2007年編)

僕が洋楽ロックを本格的に聴き始めてから初めてリアルタイム体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」の名盤たちを1年ごとに振り返る特集です。毎度断りを入れてますが、各音楽メディアの評価とかは完全に無視した、あくまで主観的な判断に基づいたセレクトになっております。

第8回目となる今回のテーマは「2007年」です。2011年中に全10回終わらせたかったけど、無理っぽいですね・・・。



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2007年の名盤 Best11
mia-kala

00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2006年編)

僕が初めてリアルタイムに実体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」のロック名盤を、1年ごとに振り返るこの企画。はい、ものすごく私的な記事ですいません。世間的な評価とか、各メディアの評価とかは完全に無視した、主観的な判断に基づいたセレクトです。まあ、だから他の人が見ても面白いのかどうかわかりませんが・・・自分のための記録のつもりでやっております。


実は、第6回からは4ヶ月ぶりの更新です。第7回目となる今回のテーマは「2006年」です。



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2006年の名盤 Best11yyys-showyourbones



01 Yeah Yeah Yeahs - Show Your Bones
02 Thom Yorke - The Eraser
03 Spank Rock - Yo Yo Yo Yo Yo
04 Grandaddy - Just Like Fambly Cat
05 Eskju Divine - Heights
06 Benevento / Russo Duo - Play, Pause, Stop
07 Gnarls Barkley - St. Elsewhere
08 The Spinto Band - Nice And Nicely Done
09 Amy Winehouse - Back To Black
10 Silversun Pickups - Carnavas
11 Justin Timberlake - Future Sex / Love Sounds



2006年当時記録していた私的年間ベストを元に、当時リアルタイムで聴いていなかったものも足して決定しました。



この年の僕の年間ベスト1位は、カレン・O率いるニューヨークのスリーピース、Yeah Yeah Yeahs。ニューヨーク新世代バンドとしてシーンに登場しながら、2作目となる本作ではロサンジェルスに移住してレコーディング。そのためかドラムをはじめ、全体的にカラッとした音に。曲の方は、1st「Fever To Tell」でみせた彼らの最大の魅力-パンキッシュなボーカル、ソリッドな音色で独特のフレーズを放つギター、フリーキーで豪快なドラムはそのままに、「Gold Lion」や「Phenomena」ではテンポをぐっと落としてズッシリと重厚感を増しています。と同時に、「Cheated Hearts」や「Turn Into」では前作の「Maps」や「Y Control」に顕著だった、キャッチーかつ哀愁感漂うメロディをさらに増強させて、よりポップなサウンドとなりました。


"Phenomena" by Yeah Yeah Yeahs

この曲の2:30くらいからの展開がヤバすぎ。




この年によく聴いていたものの傾向としては、大きく分けると2つの系統に分けられます。一つはグランダディ、スピント・バンド、シルヴァーサン・ピックアップスといった、哀愁感のあるメロディアスなロック。もう一つは、斬新なリズムを追求したエレクトリック・サウンド。特に前者の系統は、今もなおヘビロテしている作品が多いです。流行り廃りとは無関係なサウンドなので長く聴けるんでしょうね。


"Hold On" by Eskju Divine

PVもかっこいい。Muse+Sigur Ros+エモなスリーピース・バンド。残念ながらすでに解散していますが、初期レディオヘッドも思い起こさせる繊細なファルセットヴォーカルと、ピアノとストリングスを全面的に配したドラマティックな曲調が特徴的。




"Lazy Eye" by Silversun Pickups

こちらはスマパン+シューゲ+エモな4人組。2:45からの激エモーショナルな展開に注目!当時からスマパンの再来とか言われてて、当のビリー・コーガン本人もお気に入りとか。略すと「SP」なところや、ベーシストが女性な点、演奏とボーカル含めた静と動の使い分けがまさにスマパン・チルドレンと言えます。




"Mountains" by The Spinto Band

Clap Your Hands Say Yeahと同時期にシーンに登場し、ともにヘロヘロなローファイポップを奏でたバンド。この2バンドはよく比較されていたというか、試聴機では常にセットで並んでいました。この年のフジロックにも出演。




一方、「斬新なリズムを追求したエレクトリック・サウンド」の方は、それってなに?という感じだけど、当時Timbalandを始めとしたメインストリームのプロデューサーたちがR&Bやヒップホップにおいて、より奇抜なビートを求め始めたし、今となっては巷に氾濫しているトランシーなシンセと四つ打ちビートも、アメリカのメインストリーム・ポップスの中ではジャスティンが最初だった気がします。実際、ジャスティンのアルバムの先行試聴会では四つ打ち曲の多さに、R&B的なノリを期待していたメディア関係者はかなり微妙な反応だったそうです。


"My Love" by Justin Timberlake

と書いておいて、ここで四つ打ちの曲を紹介しないのもどうかと思うけど、この曲はドラムの音もPVの映像もダンスもカッコよすぎなので。




"Backyard Betty" by Spank Rock

初めて聴いた時は、この奇抜なリズム感とブイブイしたベース、ピコピコしたチープな電子音、そして(おそらくエロイことばっかり歌ってんだろうな・・・)と思わせるダーティなラップに、ただ驚愕したものでした。MC Spank Rockことナイーム・ジュワンはスキニーパンツを履きこなして典型的なB-BOYスタイルから逸脱し、とてもファッショナブルだったのも印象的。もう一人の片割れトリプルエクスチェンジはThe Kills、Kele(Bloc Party)、 The Death Setなどロック系のプロデューサーとしても名を馳せています。パンク魂のこもったブーティーなエレクトロ・サウンドはかなり衝撃的でした。この年のサマソニにも出演したのですが、半野外とも言える明るいテントの小さなステージで、ものすごくえげつないサウンドをシラフな空気の中プレイしており、観客も少なく、全く盛り上がってなかった記憶があります。こういうサウンドは暗いとこでやらなきゃ。




個人的には2006年は、Spank Rockをきっかけにエレクトロ・ムーブメントが起こり始めた年でした。ブイブイなるベースと、ファンキーなリズム、アナログシンセの音なんかに反応してました。すでにJusticeもシングルで話題になっていて、翌年のJustice、Digitalism、Simian Mobile Discoといったエレクトロ勢へと繋がる基盤が出来てきた感じです。でもこの時点では「エレクトロ」って、まだノイジーなシンセと四つ打ちみたいな今のイメージはなくて、どちらかというとアフリカ・バンバータとかに倣った「エレクトロ・ファンク」「エレクトロ・ヒップホップ」っていう認識でした。それはさておき、90年代から続く僕の哀愁美メロ主義はまだまだ健在です。グランダディなんかは作品出すごとにこの「00年代の名盤」に顔出していますからね。とは言っても、彼らもこの年の作品「Just Like Fambly Cat」を最後に解散してしまい、悲嘆にくれていました。




最近5年ぶりの新譜が出ましたが、たぶんこっちの方がカッコイイです

00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2005年編)

僕が初めてリアルタイムに実体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」のロック名盤を、1年ごとに振り返るこの企画。第六回目となる今回のテーマは「2005年」です。

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2005年の名盤 Best11weezer_make_believe


01 Weezer - Make Believe
02 Sigur Ros - Takk…
03 Royksopp - The Understanding
04 Soulwax - Nite Versions
05 LCD Soundsystem - LCD Soundsystem
06 M.I.A. - Arular
07 Caesars - Paper Tigers
08 Space Cowboy - Big City Nights
09 Vitalic - OK Cowboy
10 Bloc Party - Silent Alarm
11 Black Eyed Peas - Monkey Bussiness



2005年当時記録していた個人的な年間ベストを元に、当時リアルタイムで聴いていなかったものを足して決定しました。



この年の個人的年間ベスト1位になったのは、Weezerの5枚目のアルバム。ジャケはアレですけどね。世間的にはWeezerの人気アルバムと言うと、初期の2枚っていうのが一般的なんですが、僕の場合はPinkerton(セカンド)の次はコレなんです。全米シングルチャートでもヒットした「Beverly Hills」をはじめとして、珠玉の泣きナンバー目白押し。

"Perfect Situation" by Weezer

PVのストーリーも面白い。


で、この年に聴いていたものの傾向とすると…。


1、2、3、7なんかは従来の僕の志向通り、メロディに主眼を置いていて、どれもエモーショナルで「泣き」が入ったメロディも得意だったりします。別にこの時期悲しいことやつらいことがあったわけではありません(笑)。

それ以外に目を向けると、目立つのはエレクトロ系の音。Black Eyed Peasなんかも入ってるけど、好きだったのは「My Humps」みたいなマイアミ・ベース風エレクトロだったりと、傾向としては薄口のエレクトロではなくてアナログシンセがウニウニ言ってる感じでブーティーなゲットー・ベース風情なのが好きだったり。かつパンキッシュだと尚よしだったので、VitalicやLCD Soundsystemなんかが入ってきてます。代表曲「La Rock 01」が代表曲であるVitalicのこの曲なんかは、もはやメタル・エレクトロですね。

"My Friend Dario" by Vitalic



でも、そんなエレクトロ勢でも一番強烈だったのはM.I.A.でしょう。このアルバムは後追いでした。このアルバムはリリース時に試聴した時、まったくこれまで聴いたことのないサウンドだったので「ナンジャコレハ?」という感じですぐにヘッドホンを置いてしまった経験あり。でもなんかずっと心の中に引っ掛かってて、やっぱり聴いた方がいいんじゃないか?と思って翌年ロスに行ったときにお土産として買いました。あとから知ったけど、「ロッキーのテーマ」をサンプリングしたというこの曲、かっこいいですね。「M.I.A.」とは「Missing In Action」の略で、戦争で行方不明になる人のこと。テロ組織の指導者だった彼女の父が実際に行方不明と言うのは、よく知られた話です。

"Bucky Done Gun" by M.I.A.



さっきの文章で軽く流してしまいましたが、7位のCaesarsは今聴いてもすごく良いアルバムだと思える作品。iPodのCMに「Jerk It Out」が使われ、ジンクス通りに一発屋っぽい感じになってしまいましたが、全曲がメロディアスで捨て曲がないです。あとこのバンドのキモはThe Doors風のオルガン!これが全編に入っていて、60's風ビンテージサウンドなタッチを増強しています。

"My Heart Is Breaking Down" by Caesars



2000年代初頭から続いていたエレクトロクラッシュやポストパンクリヴァイヴァルの流れで、自分もエレクトリックでパンキッシュなサウンドの虜になっていた2005年。それでも、普遍的なメロディを奏でつつガラス細工のような儚い美しさを持つSigur RosやRoyksoppなどは、やはり時間が経っても飽きないですね。時代を切り取ったようなエッジィな音も名盤になりえるけど、その中でも特にメロディに主眼を置いた作品が、飽きのこない2000年代を代表する名盤たりえたような気がします。



持ってる方は久しぶりに聴いてみることをオススメします。

00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2004年編)

僕が初めてリアルタイムに実体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」のロック名盤を、1年ごとに振り返るこの企画。第五回目となる今回のテーマは「2004年」です。

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2004年の名盤 Best11
acadefire


01 Arcade Fire - Funeral
02 Bjork - Medulla
03 Ash - Meltdown
04 The Music - Welcome To The North
05 PJ Harvey - Uh Huh Her
06 Kasabian - Kasabian
07 Blonde Redhead - Misery is A Butterfy
08 !!!(Chk Chk Chk) - Louden Up Now
09 Outkast - Speakerboxxx/The Love Below
10 Gwen Stefani - Love.Angel.Music.Baby.
11 Mum - Summer Makes Good



2004年当時記録していた個人的な年間ベストを元に、当時リアルタイムで聴いていなかったものを足して決定しました。


1位になったのは、2004年の段階ではまだ聴いていなかったArcade Fire。このアルバムを買ったのは確か2005年か2006年になってからだったと思います。映画「かいじゅうたちのいるところ」に使われたことでも有名な、今でもライブのハイライトを飾る彼らの最大アンセムを紹介します。

"Wake Up" by Arcade Fire



で、2004年にリアルタイムで聴いていたものというと、この年は、アメリカを中心とした非インディなロックやメインストリームのポップスにも開眼し始めた年。当時よくHub(英国風パブ)。に行っていて、そこで何度も繰り返し流れるOutkastだったり、Maroon 5なんかも結構好きでした。

曲が始まるまで長いですが。ヒップホップの枠を大きく逸脱したソウルフルでアップリフティングなナンバー。このPV、何度観たことか。

"Hey Ya!" by Outkast



そんなメインストリームな音楽の流れもあり、自分としては前年まで比べて割とガラッと変わった感じ。これまでのようにエレクトロニカやポストロック的なのは、この中でBjork、Blonde Redhead、Mumくらいでしょうか。しかしその中でも、ビョークの「(ほとんど)声のみで作られたアルバム」は衝撃度高し。

"Who Is It (Carry My Joy on the Left, Carry My Pain on the Right)" by Bjork



また、2003にはいくつか見られたガレージ/ロックンロールリヴァイヴァルものは、聴いてはいたけど若干停滞気味。この年は特にソレ系で長く聴けるものはなかったかな。割と気分はダンスに向いていて、The MusicやKasabianのようにダンスビートを取り入れたロックだったり、Gwen Stefaniのようにエレクトロ・ポップだったりするものを好んで聴いていました。

Gwenのアルバムは、ヒップホップやエレポップやエレクトロクラッシュなどがごっちゃになってる感じで、No Doubtにはあまり興味なかったのにこのアルバムのおもちゃ箱な感覚が大好きでした。エレクトロクラッシュなこの曲。

"Bubble Pop Electric" by Gwen Stefani



そんなわけで、個人的には2004年といったらいろいろと価値観が変わった年でした。いわば自分にとってのニューウェーブが起こった年というか。でもちょっと前に聴いていたようなポストロック的な流れもあり、さらにその前の時代に聴いていたAshが好きなのも続いていて、年を重ねるとともに好きな音楽も多様化していくという、そんなことが実感できた年。あと、人との出会いが新しい音楽の出会いにもなるってことを実感しました。そう考えると、僕もここ1年でTwitterのおかげでたくさんの音楽を知ることができて、価値観も変わりつつあるような気がします。

00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2003年編)

僕が初めてリアルタイムに実体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」のロック名盤を、1年ごとに振り返るこの企画。第四回目となる今回のテーマは「2003年」です。

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2003年の名盤 Best11
postalservice_giveup


01 The Postal Service - Give Up
02 Grandaddy - Sumday
03 Mew - Frengers
04 The Rapture - Echoes
05 Yeah Yeah Yeahs - Fever To Tell
06 Radiohead - Hail To The Thief
07 The Raveonettes - Chain Gang of Love
08 The Strokes - Room on Fire
09 The Mars Volta - De-loused In A Comatorium
10 Sketch Show - Loophole
11 Junior Senior - D-d-don't Don't Stop The Beat



2003年当時記録していた個人的な年間ベストを元に、当時リアルタイムで聴いていなかったものを足して決定しました。


個人的には、ここに挙げた11枚、特に上位5枚なんかは、本当に2000年代を代表する名盤で、僕の人生に大きな影響を及ぼしたといっても過言ではないかもしれません。この作品によって、いろんな価値観が変わったのですから。

まず1位のThe Postal Service。今やUSインディで最も成功しているバンドであるDeath Cab For Cutieのヴォーカル、Ben Gibbard(奥さんはZooey Deschanel)と、エレクトロニカアーティストのJimmy Tamborelloの2人組ユニット。日本語で言うところの「郵政」というユニット名の由来は、この2人がそれぞれ住むLAとシアトルとで、DATテープの郵送のやりとりで音楽を作っていったというところから。

稀代のメロディメーカーとしても知られるBenと、Jimmy Eat World作品などでもキラキラなサウンドを作り上げたJimmyにより、おそらくどの著名な音楽メディアがセレクトしても、エレクトロポップの名盤として必ず上位3位以内には入る作品を作り上げました。この特集記事の「2002年編」の1位はSupercarの「Highvision」でしたが、同じ流れを汲むもので、やはり「メロディアス」「ソフトな歌声」「ダンスビート」「シンセのリフレイン」と言うあたりが共通しています。当時、レコードショップでは「Supercar好きは必聴!」なんてPOPもよく目にしました。

まずは1曲聴いてもらいましょう。音の粒子が弾けながらも、スムースな歌により高揚感と多幸感がどんどん心に浸透していくサウンド。

"Such Great Heights" - The Postal Service



2位以下を見ていくと、特徴は大きく分けて2つ。甘美なメロディで流麗なサウンドを奏でるか、先鋭的かつパンキッシュなスタイルか、です。Grandaddyはすでにこの企画の第一回目「2000年編」で、前作が年間1位になっていますが、彼らの中ではこのアルバムが一番好き。

3位のMewは、人生に2回だけある「レコードショップで初めて聴いて、そのままその場で即買ったアルバム」のうちの1枚です。「スマパンmeetsマイブラ」の文字に踊らされ、試聴機に吸い込まれるように近づきPlayを押すと、もう何とも言えない感動に襲われ、気付くと購入していました。それほど、衝撃はデカかった(ちなみにもう1枚の「即買い」アルバムは、Bloc PartyのSilent Alarm)。

The Raveonettesはアルバム全編3分台以内、そしてBフラットメジャーのコードで作られた作品でありながら、リズムやアレンジの妙で同じコードとは思えないバラエティ豊かな作品。頭から終わりまで、ラモーンズかジザメリかってぐらいに激甘。男女ツインボーカルもツボなポイントです。

Sketch Showは、世界を代表するテクノポップバンドYellow Magic Orchestraの細野晴臣と高橋幸宏によるエレクトロニカ・ユニット。ほんとにこの人たちの音楽的な探究心は尽きないなーと、とにかく感嘆に尽きる美しい作品。しかも何という哀愁漂う泣きメロ!ライブ映像作品としても、音世界とライブ映像をうまくミックスしているこちらの映像がよくできています。

"Chronograph" - Sketch Show



先鋭的かつパンキッシュな方行ってみましょう。この年のそれ代表は、たぶん各主要メディア的に見てもThe RaptureとYeah Yeah Yeahsに尽きる。ニューヨーク臭がプンプンするアングラなポストパンクに、アートだったりダンスだったりをふんだんにまぶした作品。それでいて勢いだけで押し切るのではなく、ちゃんとアンセミックで普遍的なメロディとポップさを持ってるんですね。そこがすごい。彼らそれぞれの代表作を紹介。The Raptureはブリブリのファンキーなベースとパーカッション連打のリズミックなビートで、この年のフロアアンセムとなりました。当時、クラブでかかると一番盛り上がったロックの曲。

"House of Jealous Lovers" - The Rapture



YYYsを好きになったきっかけは、ヴォーカルのカレン・Oの当時お付き合いしていたSpike JonzeがPV監督を務めたこの曲でした(すみませんYoutubeにPVは上がってませんでした)。PVお見せできないのが残念。子供たちが、残酷グロ仮装大賞をする、みたいなグロかわいい作品だったんですけどね。

"Y Control" - Yeah Yeah Yeahs



あ、あと6位の「Hail To The Thief」、Radioheadの中ではあまり人気がないみたいですけど、僕は好きです。まあ彼らの作品を優劣付けるのは非常に難しい(その日の気分で変わるので)のですが、「In Rainbows」よりは上に行くと思います。


ちなみに11位以下のランク圏外には、Mando DiaoやThe Killsなど当時隆盛だったガレージ/ロックンロール勢がちらほら。さらにその下には、Linkin Parkなんかがありまして、この辺のUSのメジャーな音楽が、次回お届け予定の2004年編に大きく切り込んでいくこととなります。お楽しみに。

ラストは、2008年に解散してしまったデンマークの凸凹デュオ(ゲイ)、Junior Seniorのとびきりハッピーな曲で締めます。

"Take My Time" - Junior Senior



これに続く作品は、もう出さないとは本人の弁。

00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2002年編)

僕が初めてリアルタイムに実体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」のロック名盤を、1年ごとに振り返るこの企画。第三回目のテーマは「2002年」です。

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2002年の名盤 Best11
supercar-highvision


01 Supercar - Highvision
02 The Music - The Music
03 The Apples In Stereo - Velocity of Sound
04 Sigur Ros - ( )
05 The Flaming Lips - Yoshimi Battles The Pink Robots
06 Coldplay - A Rush of Blood To The Head
07 Boards of Canada - Geogaddi
08 Royksopp - Melody A.M.
09 Fat Jon The Ample Soul Physician - Wave Motion
10 Primal Scream - Evil Heat
11 Ikara Colt - Chat And Bussiness



2002年当時記録していた個人的な年間ベストを元に、当時リアルタイムで聴いていなかったものを足して決定しました。


この頃すでに、自分の聴いてる音楽はほとんどが洋楽だったんですが、珍しく邦楽がチャートイン。青森が生んだ最高の日本のロックバンド、スーパーカーの4thアルバムです。しかもそれが当時の年間の1位であり、今となってもそれは変わらず、2002年にリリースされた作品で最も優れたアルバムであると思うのです。この頃から、従来のエレクトロニカ/ポストロック/オーケストラルポップ好き路線に加えて、ギターロック的アプローチを持ちつつ打ち込みを多用し、メロディ・オリエンテッドなバンドを好むようになりました。そんな要素を最も兼ね備えたのが、このアルバムです。

中でも、メロディコードは進行しつつも1小節のリフが繰り返されるっていうパターンに僕はすごく弱くて。このパターンがあるってだけで好きな曲確定だったりすることもしばしば。このアルバムはほとんどの曲がそのパターン。

例えばこんな曲。

"Strobolights" by Supercar





2位以下を見ていくと、2位のThe Music、これはもう本当に衝撃だったし、自分の人生においてもっとも重要な転換期を迎えることになったきっかけのアルバム(プライベートなことなので詳細は割愛)。初めて聴いたのは下北沢のディスクユニオンで中古盤を漁ってるとき。ちょうどこのアルバムのリリース日とかで、店内で流れていたのですが、ロバート・プラントかX JapanのToshiか?ってくらいのハイトーンボーカルと混沌としたサウンドに鳥肌が立ち、店のカウンターにある「Now Playing」のモニターで誰なのか確認しました。そこに映っていたジャケットにはアーティスト名などの文字が一切なく、カラフルな円が何重にもなっていて、まさに音もそのように、いろいろな要素がサイケデリックにトグロを巻いていたのでした。


前年のロックンロール/ガレージ系の流れとしては、The Apples In Stereoのバースト・ガレージ・ギターポップアルバムとIkara Coltがランクイン。アップルズってもっとガチャガチャしたギタポでしょ?という方、この曲を聴いてみてください。このアルバムはちょっと路線変更してるんですね。哀愁メロディと、可憐なボーカルと、バーストしたディストーションギター。最高です。

"Rainfall" by Apples in Stereo



8位のRoyksoppは、友人宅で朝まで飲んでいたときに、夜中に酔っぱらって気付くとMTVで彼らのライブが流れていて、初めて知りました。完全にフロア向けの音楽なのにシンセやPCを操るだけではなく、シンバルやドラムパッドをぶったたいたり、ヴォコーダー使ったり、サポートでベーシストがいたりとかなりロックバンド的なダイナミズムを感じさせるライブに、酔いも吹っ飛びました。

"Poor Leno" by Royksopp


(ぐはあ、今観てもほんとにカッコイイ!!!)


もう一曲、紹介したいものがこちら。

"Watch out" by Fat Jon The Ample Soul Physician


ヒップホップのビート感がすごく好きで、でもギャングスタでブリンブリンな典型的なラップが苦手だった当時、アブストラクトなインストヒップホップというのはとても魅力的な音楽でした。ジャジーなピアノとファットなキック、ハイトーンなスネア。これだけでもカッコイイ。他にも3582とかAndy Votelなど、アブストラクトヒップホップは結構ハマってました。


2002年を全体的に見ると、自分でもよくわからないです(笑)たぶん世間的にもロックンロールリバイバルが起きて、ポストパンクリバイバルも水面下で起こり始めててエレクトロの新しい動きもあって、シーンは活性化していたと思います。ただその分うつり変わりも速くて、この年のデビュー組は結構みんな消えてますね・・・。

00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2001年編)

さて、僕が初めてリアルタイムに実体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」のロック名盤を、1年ごとに振り返るこの企画。第二回目のテーマは「2001年」です。

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2001年の名盤 Best11
hopesandoval


01 Hope Sandoval & The Warm Inventions - Bavarian Fruit Bread
02 Aphex Twin - Drukqs
03 The Avalanches - Since I Left You
04 The Strokes - Is This It
05 Bjork - Vespertine
06 Miranda Lee Richards - The Herethereafter
07 Weezer - Weezer(The Green Album)
08 Mercury Rev - All Is Dream
09 Daft Punk - Discovery
10 Cornelius - Point
11 Herbert - Bodily Functions



2001年当時記録していた個人的な年間ベストを元に、当時リアルタイムで聴いていなかったものを足して決定しました。


一般的には、2001年はThe Strokesがデビューしたことでロックンロール・リバイバルの起こった年と位置付けられています。確かに、その年の各メディアの選ぶ代表作とか見ると、2000年とは全くベクトルが異なっていて、ほんとに価値観が一変したということがわかります。


さて、そんな2001年の僕は、この年に聴いていたいわゆる「ガレージ」「ロックンロール」的なものはThe Strokesのみ。当時僕は某CDショップでアルバイトしていて、幸運にもリリースされたばかりの新譜を店内で流しながら自分で聴くということができました。The Strokesのサンプル盤も送られてきて、UK・USでロックンロール・リバイバルの波が起きていることも知らない状態でお店でプレイ。「何このスカスカで軽い音!」とかなりビックリしました。それまで流行っていたサウンドとはまるで違ったから。
やがて2002年以降起こったムーブメントは皆さんご存じの通り。


とは言っても、この年に自分がハマっていたものは、まだ2000年と同じようにポストロック/エレクトロニカ的な色が濃く出ています。1位は、Mazzy Starでアンニュイな歌声で魅了したホープ・サンドヴァルがマイブラのドラマー、コルムと組んだユニット。アルバム全編がフォーキーかつサイケデリック、でもドリーミーでメロディアス。そしてヴェルヴェッツ風。1曲目からJesus And Mary Chainの「Drop」の秀逸カバーという傑作です。


こちらはヴェルヴェッツの「Sunday Morning」を彷彿させる「Suzanne」という曲(2曲目に収録)。



その他、これ以来同名義でアルバムを出していないAphex TwinとThe Avalanches。いずれも2011年にいよいよ新作が出るのでは?と噂されているので楽しみです。彼らは今も、テクノやダンスミュージック、サンプリングミュージックに留まらず、ロックシーンにも影響を及ぼしています。


6位のMiranda Lee Richardsは、サンフランシスコ出身の女性SSW。澄んでいて瑞々しく、それでいてけだるさも備えた歌声が魅力で、フォークを基調としたややエレクトリック風味もあるサウンドを聴かせる才色兼備のアーティストです。でもいつも、中古CD屋で100円とかで売られてるんですよね。すごくイイアルバムなのに、なぜか知名度が低いのが残念。2009年に久しぶりの新作をリリースしました。

Miranda Lee Richards - Long Goodbye



それから、5年ぶりの復活を遂げたWeezer。99年にWeezerにハマってから、初めてリアルタイムで聴く作品でした。アレンジはシンプルだけど、全部名曲。



もう一つ想い出話を。当時大学生だった僕は、友人宅のガレージを改造して作ったスタジオ兼飲み場に、いつも仲間で集まって酒を飲みながら、ギター弾いたりサンプラーいじったりドラム叩いたりと、適当にセッションして遊んでました。そこにデカいラジカセがあって、すごくウーファーが聴いてるんで、ダンスミュージックかけるとガレージ内を低音が「ズーンズーン」ってものすごく反響したんです。そんで2000年の年末に、Daft Punkの「One More Time」を初めてそこで聴いたら、低音の迫力がハンパなかった。それ以来アルバム楽しみにしてて、2001年に出たこのセカンドアルバムもすごく聴きました。そして家でずっと聴いていたら何と、ウチの母親が気に入ってしまい、「これ貸して!すごくいい!」とか言ってきたり(笑)。


全体的には、いろいろな音楽を分け隔てなく聴いてました。新しいジャンルを知るのが楽しくて、ロックンロール、エレクトロニカ、ポストロック、ダンスミュージック中心に聴きつつ、60年代~70年代のロックを掘り下げたりしてったのもこの頃。シーンも活性化してたと思います。いろんなものが生まれた、ロックシーンにとっては結構重要な年と言っていいんじゃないでしょうか。

00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2000年編)

僕は、70年代の末に生まれ、80年代に音楽に興味を持ち、90年代に、今へと繋がる「ロック」の世界に目覚めました。

なので、2000年から2009年までの「00年代」のロックというのは、初めてリアルタイムに実体験したディケイドだったわけです。10年と聞くと長い年月のようですが、10年前に好きだった音楽は今なお新鮮で色褪せていません。時代を切り取り、社会の光と影を投影した作品でありながら、普遍的なメロディを持つ音楽が長く聴かれ続けるということなんでしょうね。

60年代のビートルズの狂騒も、
70年代のパンクの喧騒も、
80年代のニューウェーブの勃興も、
90年代のグランジの衝動も、

リアルタイムで体験できなかった僕を含めた世代は、どんな体験をしてきたか?を、2000年から1年ごとに、名盤とともに振り返りたいと思います。全10回。第一回目の今回は、「2000年」です。


2000年の名盤Best11
GrandaddyTheSophtwareSlump

01 Grandaddy - The Sophtware Slump
02 Sigur Ros - Agaetis byrjun
03 Badly Drawn Boy - The Hour of Bewilderbeast
04 The Delgados - The Great Eastern
05 At The Drive-In - Relationship of Command
06 Radiohead - Kid A
07 Primal Scream - Xtrmntr
08 Yo La Tengo - And Then Nothing Turned Itself Inside-out
09 Godspeed You Black Emperor! - Lift Your Skinny Fists From Antennas To Heaven!
10 Doves - Lost Souls
11 Wheat - Hope And Adams



2000年当時記録していた個人的な年間ベストを元に、当時リアルタイムで聴いていなかったものを足して決定しました。

2000年と言うと、何だかロックシーンが停滞していたなんて表現をよく目にしますが、そうでしょうか?僕はそう思いません。確かにメインストリームというか、王道のロックシーンでは目立った動きはなかったかもしれませんが、この年のエレクトロニカ/ポストロック/音響系/アブストラクト/エモなんかのシーンは、非常に活気づいていたと記憶しています。この辺りのジャンルから、様々なサブジャンルが派生して、より実験的で刺激的なビートを持った音楽がたくさん生まれました。

また、2000年には記念すべき第一回目のサマーソニックが開催されましたが、2000年の名盤Best11にも入っているSigur RosやAt The Drive-Inが出演。クリエイティブマンは次の時代の動きを敏感に察知していたことが伺えます。

サマソニと言えば、この年の一番の後悔はAt The Drive-Inを観なかったこと。当時、あんまりうるさいロックは好きではなかったので(上のベスト11の他のラインナップを見てもらえればわかると思います)、大して気にしていませんでした。彼らのことを好きになったのは、2年くらい経ってからだったかな。もうその時にはすでに解散して、オマーとセドリックはMars Voltaとして活動していました。

Sigur Rosはサマソニ出演発表時、世間的にはまだ「誰?」的な存在でしたが、2000年の頭に"Ny Battery"のシングルが出た時に初めて知り、タワーレコードで取り寄せをしたものの入荷せず、いろいろな輸入盤店を探してやっとアルバム「Agaetis byrjun」を入手。そしてサマソニに挑みましたが、この年の個人的ベストアクトとなりました。照明をうまく使ったステージングと、ヴァイオリンの弓でギターを弾くジミー・ペイジ奏法、そして唯一無二のエンジェリックな歌声に引き込まれました。自分がアルバムを入手してしばらくしてから、タワレコなどでもぽちぽちアルバムが入荷するようになり、苦労して探し回ったのは何だったんだ…という思いをした苦い経験があります(笑)。

あと当時、「デイヴ・フリッドマンのプロデュース」というフレコミに弱くて、ピアノや管弦楽器を多用した壮大なオーケストレーションとバンドサウンドとの融合、ダイナミックなドラムサウンドにヤラレっぱなしだったので、そこら辺がよく顕れてると思います(4位と11位がフリッドマン作品)。

一般的に、この年の大事件(ロックシーンの、ですよ)と言えばRadioheadの「Kid A」でしょう。賛否両論巻き起こし衝撃を与えつつも、僕は当時Radioheadが嫌いでした。というか「Kid A」で嫌いになったんですけどね(笑)。これも、よく言われた、「彼らはロックバンドだったはずのに、打ち込みを取り入れてメロディも捨て去り、何だか難しい方向に行ってしまった」的な理由で嫌いになったんではなくて、彼らが「時代の最先端を行ってる、これを理解できない人は音楽センスなし」みたいな、彼らが神格化されてる風潮が大嫌いだったんです。そういう風潮作り出したのは、某音楽雑誌の編集長(国内盤でライナー書いてる)が原因だと思ってるので、僕はこの人も嫌いなんですけど。

「Kid A」の描き出した音世界やビートは、Aphex TwinやBoards of CanadaやAutechreあたりを聴いてる人からしたら、特に真新しいものではなかったと思います。「ロックバンドがそういうことをした」って点は評価されるべきかもしれないけど、音そのものに新鮮なものは感じられなかったです。でもこれがわからなかったらダメみたいな風潮に世間がなってきて、なんかもう、レディヘレディヘうるせーよ、おれは嫌いなんだよ、って感じになっていました。そんな思いも、翌年リリースのシングル「Pyramid Song」を聴いて吹っ飛ぶんですけれども。


で、この年で一番ファイバリットな1枚となった、Grandaddyの「The Sophtware Slump」は、アメリカはモデスト出身の5人組によるセカンドアルバム。97年のファーストでは、PavementやGuided By VoicesのようなUSローファイ・ロックにぶっ壊れたようなキーボードサウンドを散りばめたインディバンドでした。ところがこのセカンドで大変身。「2001年宇宙の旅」や、David Bowieの「Space Oddity」などへのオマージュを衒いもなく感じさせる、壮大なSF感を持ったコンセプチュアルなアルバムとなりました。特に圧巻はオープニングの"He's Simple, He's Dumb, He's the Pilot"。約9分に及ぶ、全5,6パーツにもなる、まるで宇宙旅行のような組曲です。歌詞は、宇宙空間を永遠にさまようことになった宇宙飛行士が、だんだん小さくなっていく地球に思いを馳せるというストーリー。他の収録曲も、自分が発明した何でも言うことを聴くロボットが、留守中に酒を飲んで壊れてしまうストーリーだとか、いろいろ考えさせられる詞の世界。世の中の便利なマシンや文明と、それに比例して汚れていく地球の環境。人口と自然を対比させながら、悲哀にも満ちた優しい声でジェイソンが頼りなく歌う。その悲哀がアルバム全編に満ちていて、統一感のある作品になっています。

"The Crystal Lake" by Grandaddy



彼らはこの後、2枚の素晴らしいアルバムを残し、解散してしまいます。この2枚のアルバムは、(おいおいこの記事で書きますが)いずれもリリース年のBest11に入ります。そう言えば彼らの、唯一の来日公演はこの年のサマーソニック。ほぼ最前列で観ることができた僕は、すごくラッキーでした。


(余談)
同じくこの年のサマソニに出演したColdplayは、まだアルバムデビュー前で、インドアステージの朝二くらいの出演でした。そしてクリス・マーティンが投げたタオルを、何と僕がキャッチ。これがなかなか質のいいタオルで、もう10年以上、バスタオルとして今でも使っています(笑)。ありがとう、クリス。
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