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フリートーク

「ヴィジュアル系」と私

先日買った本。

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市川哲史×藤谷千明『すべての道はV系に通ず。』
(シンコーミュージック 2018年初版)



ここ数年、自分にとってヴィジュアル系(以下V系)は密かなブームとなっている。すでに30年以上の歴史を持ち、その中で複雑に枝分かれし現在ではさまざまなカルチャーと結びついたV系の世界は、これまで表面的にしか触れてこなかった自分にとって大変刺激的で興味深く、知的探求心をそそるものだ。


TBS系『マツコの知らない世界』にて4月6日にオンエアされた「ヴィジュアル系バンドの世界」もかなり興味深く、楽しめる内容だった。番組では90年代V系シーンを中心に振り返りつつ、かつて一大ムーヴメントとなったシーンのその後──偏見や差別といった受難の時代を経て、アンダーグラウンド中心に進化を続け、現在ますますカオスで面白いことになっている──といったV系30年史的な内容だったが、番組視聴後にもっとV系についていろいろ知りたいと思いネット検索する中で出会ったのが、番組にも登場しV系の魅力や歴史について語っていた元自衛官のライター・藤谷千明さんと、音楽評論家の市川哲史さんによる対談形式のこの本である。


本の中では、V系30年史をその勃興からヤンキー文化→オタク文化への変遷、ビジネス・マネジメント面、プロデューサー、コミュニティツールの変遷(文通→チャット→SNS)、再結成ブームなどさまざまな角度からディープに分析・考察した超濃密な内容になっており、帯に書いてある通りまさに「ヴィジュアル系の教科書」だ。とは言ってもお固い内容ではなく、むしろ軽妙(市川さんに至っては「度が過ぎた悪フザケ」といった方が近い)なトークを交えた、非常に読みやすいテキストになっている。


自分はV系に対し、これまで特に深い思い入れがあったわけではない。藤谷さんと同世代である自分はV系が一大ブームとなった90年代中盤~後半に中高生時代を過ごしたので、ラジオやカラオケで必然的にV系の音楽に触れてきたが、あくまで小室系やビーイング系などと並んで「好きな音楽カテゴリのひとつ」でしかなかった。やがて自分の嗜好の変化やブーム終焉も相俟って永らくV系とは距離を置いてきた(後述)が、20年以上の時を経てV系にハマるというのは何とも不思議な因果だ。


『マツコの知らない世界』を観たり、『すべての道はV系に通ず。』を読む中で「あの頃は確かにそうだったな」「いや、自分はこうじゃなかった」などいろんな「V系体験」を思い出したのだが、そのうちこんな疑問が浮かんだ。

自分はいつから「V系」をカテゴリとして意識し始めたのだろう?

自分はいつ、どういう理由でV系から距離を置くようになったのだろう?


今回の記事ではそんな疑問について、実体験を振り返りつつ考えていきたいと思う。



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フリートーク

小室哲哉のベスト・ソングを考えてみる

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小室哲哉といえば、日本でその名を知らない人はそうそういないだろう(最近は別の「小室さん」の方が話題を集めてはいるが)。ヒットメーカーとして一時代を築いた人物であり、日本のポップ・ミュージックの在り方を変えた偉大な音楽家であるとともに、彼がリーダーを務めるグループ・TM NETWORKは僕にとって、音楽好きになるきっかけとなったアーティストでもある。

先日、ソニー・ミュージックダイレクトが運営する音楽情報サイト「otonano」にて、小室哲哉が手掛けた楽曲のファン投票が開始されたのだが、そういえば小室哲哉のベスト・ソングなんて今まで考えたこともなかった。好きな曲や思い入れのある曲が多すぎてどうせ選びきれないというのが主な理由ではあったが、せっかくのいい機会なので、ちょっと真剣に考えてみたいと思う。

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こういったブログ記事であれば、あらかじめ考えた結果を書くというのが常だが、今回は「書きながら考える」といった手法で、ベスト・ソングを決める過程を実況しつつ書いていくことにする。


フリートーク

スマパンの来る新作『Cyr』がBUCK-TICK『ABRACADABRA』と共通項ありそうで期待大な件

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三瓶です

The Smashing Pumpkins(以下スマパン)の2年ぶりのニューアルバム『Cyr』が11月27日にリリースされる予定だ。この新作に収録予定の楽曲がすでに6曲ほどYouTube上に公開されているのだが、それらを聴く限り「もしかしたら(少なくとも2000年代以降の彼らの作品の中では)ベストを更新するレベルの出来なのでは?」と期待せずにはいられない。リリース前の作品について当ブログで単独の記事を書くことは非常に稀なのだけど、何かを書かずにはいられないほどにワクワクしている。というわけで、何がそこまで期待感を煽るのかということについて書いていきたいと思う。


フリートーク

きのこ帝国ロス…?

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きのこ帝国が無期限の活動休止に入って、気付けば15ヶ月以上もの月日が流れていた。

最近ふと思う、自分は「きのこ帝国ロス」に陥っているんじゃないかと。いや、きのこ帝国が活動休止した直後はそこまで「ロス」の感情はなかった。あの頃は、佐藤千亜妃のソロ活動に大きな期待を膨らませていたし、しばらくはソロ作品を楽しもうという思いで気が紛れていたのかもしれない。なんせ、2018年にリリースされたソロEP『SickSickSickSick』はその年の年間ベストアルバムの1位に選んだのだから(同年リリースのきのこ帝国のアルバム『タイム・ラプス』は2位)。

[過去記事]2018年 年間ベスト・アルバムTOP30

[過去記事]きのこ帝国のベスト・ソング30


ただ、2019年にリリースされた佐藤千亜妃のソロ・デビュー・アルバム『PLANET』は、自分が思い描いたものとは何かが決定的に違っていた。そういう意味において、自分がいま陥っているのは「きのこ帝国ロス」というよりも「佐藤千亜妃ロス」といった方が正しいかもしれない。

もちろん、佐藤千亜妃にはソロできのこ帝国のような音楽をやってほしかったわけではない。『SickSickSickSick』のときには、佐藤千亜妃のソングライティングや歌声と、エレクトロ・サウンドの相性ってこんなに良かったんだ!という驚きがあった。『PLANET』はバンド・サウンドもあり、エレクトロ・サウンドもあり、いずれもきのこ帝国ではやってこなかったスタイルの楽曲ばかりで、バンドマンのソロ活動としてそういうスタンスは大賛成だ。

でもやっぱり、何かが違う。ポップ過ぎるから?いや、きのこ帝国よりもポップになることは歓迎だったはずだ。「ヤミ」の部分がなくなったから?いやいや、闇/病み要素は確かにきのこ帝国にとって重要なファクターだったがソロにおいてはそこまで重視していない。垢抜け過ぎた?いやいやいや、むしろ垢抜けてから佐藤千亜妃の良さに気付いたんじゃないか。何だろう、自分でもわからない…。

それはさておき、自分が最近きのこ帝国ロス、もとい佐藤千亜妃ロスに陥っているのでは?と気付いたきっかけは、去年から今年にかけて心に刺さっている女性アーティストたちの中に「佐藤千亜妃イズム」のようなものが共通して感じられたからだ。ここではそんな楽曲をいくつか挙げていきたい。


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DAAK. DAYZ. 3作品全曲解説

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先日、音楽制作活動の引退と、DAAK. DAYZ名義でリリースした3作品について書きましたが、今回はその全曲解説です。


ところが実際、「アーティスト自身による曲解説」っていうのが大嫌いなんですよね。アート作品というのは受け手が個々に意味やメッセージを感じ取ったり解釈したりするものなのに、表現者自身が答えを出してどうする!って思うんですよ。でも自分ではやっちゃうんだなあこれが!まあ、こういうのやるのも楽しいので。



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音楽制作活動引退のお知らせ

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わたくしdeidakuは、2019年1月19日をもちましておよそ25年間にわたる音楽制作活動から引退することにしました。

【2019/1/21追記:全曲解説記事をアップしました】



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今さらながら2017年のいろんな年間ベストアルバムを振り返ってみる

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どうも、年間ベストアルバム大好き人間です。僕はこのブログをスタートさせた2010年より10年近く前から、毎年の年間ベストアルバムをノートにメモしてきたようなタイプなので、10月とかになるとだんだんソワソワしてくるんですね。金木犀の香りとか未だによくわからなくてピンと来ないくせに。音楽メディアの早いところでは11月下旬あたりには発表されますからね。もう1ヶ月半後じゃん。


そんな気配を感じながらふと思い出したんですが、そういえば2017年の年間ベストアルバム、音楽メディアだったり個人だったりのものを含めて、一切チェックしていませんでした。いや、「一切」は言い過ぎた。rockin'onのだけはチェックしたんだった。1位はKendrick Lamarだったな。


去年、このブログの年間ベストアルバムの記事でも書いたんだけど、メディア・個人問わず他の年間ベストを一切見ないというのは意図的でした。大した理由はないんだけど、その方が自分の年間ベストを決めた後に他と比べるのが楽しそうだと思ったから。


しかしそうこうしているうちに、10月になるまで年間ベスト結果をチェックすることをすっかり忘れてしまって。というわけで本当に今さらなんだけど、トロさんがTogetterにまとめてくれたBEST ALBUMS OF 2017をようやくチェックしてみた。


んでこれ、自分が年間ベストアルバムに選出した50作品ってどれくらい選ばれてるのかな?一番多くの人に選ばれてる、いわゆる「最大公約数」的なやつってどれだったのかな?…とか気になってきたので、軽ーい気持ちで集計を始めてみたところ。


マジでキツかった(笑)。1ページ目の末尾まで来て「終わったー、結構数多くて大変だったな(;^ω^)」と思ったら残りあと6ページと知った時の絶望感。今の作業の7倍かよ!あと3時間以上かかりそう!


そして迷いました。ここで終わらせて今の40分ほどを無駄にするのか、トータル3、4時間くらいかけてすべてやり遂げるのか…。途中で「あれ?どこまで集計したっけ?」ってことになったらシャレにならない。


というわけで何日かに分けて1ページずつを集計することにし、先日ようやく全7ページ、まとめられている全員の年間ベストアルバムをチェック完了。自分の年間ベスト結果と比べての感想など綴ってみました。



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ブログ7周年特別企画:2010年の幻のボツ記事

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こないだ公開したブログ7周年記念企画「年間ベスト・アルバム・クロニクル 1997-2016」の〈第三回:2007-2011 インディー期〉にこんなことを書いたんですね。

"snoozerでは「レディ・ガガに勝てない日本のロック」という特集が当時物議を醸しました。この記事に感化され僕がこのブログで「日本のロック・バンドを斬る」みたいな企画をした際に(結局表には出さずボツ記事となりましたが)…"(以下略)


これについて、このボツ記事がどんな内容だったのか気になるという声を少しばかり耳にしまして。この記事は七年前に書いたものなので今さら公開する必要もないとは思うのですが、当時の自分は邦楽に苦手意識があってほぼ洋楽「しか」聴いていませんでした。というのも、やはり歌詞がダイレクトに入ってくることとか、その歌詞が奇を衒ったりしてサムいのが多かったりで。


でもこの記事を書いたことがキッカケとなり、邦楽もちゃんと聴くようになったんですね。なのでこれは自分のターニング・ポイントをリアルに記録したものであるし、「あの頃自分が抱いていた邦楽に対する憤り」が今読み返すと面白いなと思いました。もちろん当時の自分を「偏見の塊だな」とか「口悪いな」「頭悪そうな文章だな」みたく自虐的に見るという意味で。そう、ボツになった理由は公開直前に「これはもしかしたら荒れるかもな」と思ったからです。


これは2010年6月頃、つまりこのブログを始めてまだ5ヶ月目くらいの頃に書いたもので、当然ながら現在の気持ちとは異なります。この記事に登場するバンドの中には、後にアルバム買ったりライヴ観に行ったりするバンドもいるし。ただそれでも、ここではバンド名は伏せたいと思います。それでは意味がないと言われるかもしれませんが、そこはなんというか、自分も今は当時とは違って背負ってるものがあるというか、一応Spincoasterにも関わったりしてるので、ね。


2010年頃ってTwitterとかでも結構平気で毒吐いてたんです。でも自分の中で変わるキッカケというのがあって、それは当時「Hi-Hi-Whoopee」を主宰していたHi-Hi氏(後のLil $ega氏)と、ちょっとTwitterで舌戦(?)みたいになったことがあったんですね。その時に、だいぶ前の事なので正確には覚えてないですけど「あなたほどの人がこんな個人攻撃をするなんて失望しました」みたいなこと言われたんです。ここで僕は初めて「あ、自分ってそう見られているのか」って思ったんですね。いやこれ別に「あ、俺って有名人なんだ?」みたいな自惚れな意味ではなくてですよ。


Twitterやブログを始めた頃って、こんなん誰も読んでないだろとか思いつつやってたけど、インディー音楽やネット音楽などにおける日本国内のごくごく狭いコミュニティの中で少しは「あ、この人たまにTwitterで見掛ける」とか「あ、このブログ見たことあるかも」みたいな感じにはなってきてるんだなって。しかも僕にとってHi-Hi氏は「その界隈ではかなり知られた人」という認識だったから、そんな人からいきなりそう言われてかなりビックリしました。それで、もう少し「いろんな人が見ていること」「本人に届くかもしれないこと」そしてなにより「自分含めTwitter上の人が皆、実在する人間であること」を意識するようになりました(そんなんもっと前から意識してろよって話ですが)。実際Hi-Hi氏とは相互にフォローしてなかったのに僕のツイートが数分で届いてしまったし。


話を本題に戻して。そもそもsnoozer誌の「レディ・ガガに勝てない日本のロック」って何?という人もいると思います。これは2010年6月号の特集記事で、ざっくり言うと日本のバンドをいくつか挙げて批評した内容なんですが、当のバンドからその記事に対して反論があったりして(毛皮のマリーズの志摩氏がブログに書いた「1Q84に勝てない日本の音楽誌」とか)当時ちょっと界隈をざわつかせた件です。興味のある方は古本屋で探してみてください。


以下、2010年6月に書いた記事を初公開。バンド名全部わかる人がいたらTwitterで@David_Garle宛にこっそりDMください。



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フジロック'17 ラインナップ第一弾発表で思ったこと

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2月10日にフジロック'17の出演者ラインナップ第一弾が発表されましたね。ヘッドライナーはAphex TwinとBjörk!!Björkはタイミング的にちょっと謎ですが、いずれも昔から大好きなアーティストであり、これは何とも嬉しい限り。


しかしそれよりも注目なのは二段目、サブ・ヘッドライナークラス。LCD SoundsystemにLordeにThe xxにQueens of the Stone Age、Major Lazerと、海外フェスでもヘッドライナー/準ヘッドライナーを張るメンツが勢ぞろい。正直、第一弾発表時にここまで強力布陣だったことが近年あっただろうか?こんなメンツで、残りひと枠のヘッドライナーは一体誰になるのよ!


それだけじゃなく、残りの枠もなかなか。ÁsgeirにCatfish and the Bottlemen、The Lemon Twigs、Lukas Graham、Sampha、さらにはBonoboのバンドセットと注目アクトがいっぱい。カブリに泣かされそう。




フリートーク

お知らせ:「初聴きディスクレポート」連載終了します

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▲ブログ執筆中の筆者の自画像。猫背がひどいもんです


2010年2月にスタートした当ブログも間もなく丸7年、ついに8年目を迎えます。いつもブログを見てくださっている皆様ありがとうございます。


さて今回は、このブログでは珍しいお知らせ系の記事です。ブログ開設当時から続いている企画「初聴きディスクレポート」は先日アップした2016年12月分をもって連載終了となりました。


これまでに全90回、少ない時でひと月に10作品、多い時で30作品くらいだと思うので、この7年間で1,800枚分くらい感想を書いてきたことになります。稚拙な小並感とは言え、書き物を生業にしているわけでもないのに片手間でよく続けてこれたものです。


今回は少し、この連載をやめるに至った経緯や、そもそもなぜ書き続けてきたのかについて話をしておきたいと思いました。


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PUBLIC IMAGE REPUBLIC

Author:PUBLIC IMAGE REPUBLIC
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