初聴きディスクレポート

初聴きディスクレポート Vol.32(2012年2月)

フジロックの第一弾発表が待ち遠しい今日この頃ですが、毎月末恒例の「今月買った&借りたアルバムの【一番最初に聴いたとき】の感想まとめ」をお届けします。先月は残念ながら、この記事始まって以来初めての星4つでのAlbum of The Monthとなりましたが、2月は星5つの作品が5タイトルと豊作でした。


<★の解説>----------------------
★★★★★ 年間ベスト20位以内確実
★★★★☆ すばらしい
★★★☆☆ 標準レベルの良作
★★☆☆☆ 若干気になる部分あり。もっと聴き込みたい
★☆☆☆☆ 期待ハズレ
☆☆☆☆☆ 全然ダメでした
---------------------------



ではさっそく2月の「Album of The Month」の発表です。大混戦を制したのは…



スポンサーサイト

Fuji Rock & Summer Sonic

サマーソニック2012 出演アーティスト第二弾発表

8月18日と19日に開催されるサマーソニック。出演アーティストの第二弾が発表されました!



サマーソニック2012オフィシャルHP


今回追加されたアーティスト:
Jamiroquai
Franz Ferdinand
Pitbull
Foster The People
The Vaccines
Kindness



あれ?ビーチボーイズは…。という声も聞こえてきそうですが、次回発表に期待します。

名盤合評

【合同企画Vol.2】名盤合評 Blondie - Parallel Lines

前回からだいぶ間が空いてしまいましたが、音楽ブロガー仲間であるヤボリさん(Twitter⇒@boriboriyabori)のブログ「新聞が書かないGood News」との合同企画として、9ヶ月ぶりとなる名盤合評の第二弾をお送りします。


前回は唐突にKula Shakerの「K」を取り上げましたが、今回のお題もまた唐突です(笑)。


今回のお題:Blondie - "Parallel Lines"(1978年)

Blondie-parallel_lines


唐突とは言ってもきっかけはありました。このアルバムに収録されている「Heart of Glass」が、最近某自動車メーカーのCMに使われているので、そこでBlondieの音に初めて触れた人たちに彼女たちの魅力を伝えるとともに、現代のインディー・ロック・シーンに与えた影響についても再検証してみたいと思います(以下、突然「~だ、~である」調に変わります笑)。



ライブレポート

ライブレポート:Neon Indian@代官山UNIT

2月21日に代官山UNITで行われた、Neon Indian初来日公演に行ってきました。そのライブの模様をレポートします。

neonindian_live
※写真はこの日のライブのものではありません


まずはサポートアクトとしてLA出身のビート・メイカー、Devonwhoが登場。LAのビート・シーンと言えばFlying Lotusが最も有名だが、彼もその系譜に連なるサウンドと言っていいかもしれない。アンビエントを通過したようなアトモスフェリックなシンセ音が幾重にも重なるトラックの上を、粒子の細かい音の破片がビキビキ、プチプチとあちこちの壁に乱反射するかのごとく鳴り響くトラック群。特に1曲目などはさながらチルウェイヴ・ミーツ・ドリルンベース(死語?)な印象も受けた。残念ながら自分はこれまで彼の曲を聴いたことがなかったのだが、ヒップホップやダブをルーツにしつつもダブステップやチルウェイヴとも共振したサウンドは非常に洗練されたインテリジェント・ダンス・ミュージックだった。


Devonwhoのパフォーマンスにより徐々にフロアも熱気を帯びてきたところで、アラン・パロモ率いるNeon Indianが登場。もしかしたらアランのソロ・ユニットと思っている人もいるかもしれないので説明しておくと、当初はソロ・ユニットだったが現在では(Wikiによれば)4人体制のバンドとなっている。ただし今回のライブは5人編成で、アラン・パロモ以外のメンバーは誰が正式メンバーで誰がサポートなのか詳細不明だが、ドラムの男性、ギター兼ベースの男性、シンセ/サンプラーなどマルチにこなす男性、そしてシンセ担当で曲によってはシンセベースも弾く女性という布陣。この紅一点のメンバーはリアン(Leanne Macomber)という名前だそうだが、かなり魅力的だった。オレンジのギンガムチェックにサスペンダーという服装、真っ赤な口紅とパープルヘアのショートおかっぱ(ちょうど映画の「アメリ」みたいな髪の長さ)というコケティッシュなルックス。リアンがメロディラインのシンセパートを担当し、アラン・パロモはどちらかというとアナログ・シンセのつまみをいじくってピコピコとした「あの音」(音源聞いてる人ならなんとなくイメージできるはず)を担当していた。


会場の入りとしては、決して少なくはないかもしれないが混んでいるというほどではなく、比較的容易に移動ができるレベルで、チルウェイヴ四天王(自分はこのキャッチコピーは好きではないが)と言われた彼の初の来日公演、しかも一夜限りということを考えるとやはり寂しくも感じられた。


そんな印象も持ちつつライブは「Era Extrana」のオープニングトラック「Heart: Attack」のイントロを思わせるような、アナログ・シンセのノイズでスタート。このピコピコした電子ノイズは彼らのトレードマークでもあるため、フロアいっぱいにこの音が鳴り響くだけでオーディエンスも雄たけびを上げ興奮度MAXに。そしてファースト収録の「Local Joke」が始まった。ゆるゆるとしたテンポながら、浮遊感のあるシンセと裏打ちのベースのグルーヴが、心地よい陶酔感を煽るナンバーだ。


2曲目には個人的に最も好きなトラック「Hex Girlfriend」、そして4曲目に早くも「Era Extrana」からのリードシングル「Polish Girl」を投下。オーディエンスも「えっもうこれやるの?」と驚きと歓喜が入り混じる。序盤からグイグイと人気曲で引っ張る構成、そしてMCの時以外は曲間で音を途切れさせることなく、ひたすらシンセのつまみをいじって電子ノイズを出して繋いでいたのは、オーディエンスの熱気を保つために功を奏したと思う。


アンコールのラストは「Era Extrana」の中でも最もシューゲイザー色の強い「The Blindside Kiss」。アラン・パロモによると、レコーディング中にはマイブラやジーザス・アンド・メリー・チェインをよく聴いていたという。ノイジーでありながらも甘いメロディを持つこれらのバンドと、Neon Indianとの共通項を見出すことは容易にできる。


実は自分は彼らのファースト「Psychic Chasms」を未聴でセカンド「Era Extrana」のみを予習して行ったのだが、蓋を開けてみればファーストから8曲、最新アルバムから4曲という構成。どの曲もメロディ、サウンドともにセカンドに引けを取らなかったので、これはなる早で手に入れたいところ。


気になった点としては音響面で、特にドラムの音は残念だった。打ち込みドラムであるCD音源に比べ、生ドラムなのでどうしても音のアタックやディケイがしょぼくなってしまっている感は否めない。それでも、彼らが打ち込みユニットではなくバンドにこだわっているのは、ライブならではの躍動感に満ち溢れたパフォーマンスをしたいという願いからなのだろう。アラン・パロモは軽快にステップを踏み、マイクを両手で力強く握りしめ、歌いながらときおりグッと膝を曲げたりと、挙動はかなり80年代のロックスター風情だ。そういえば、ギター兼ベースの男性が演奏していた(たまにリアン嬢も演奏していた)RolandのG-77という白いシンセベースがレトロフューチャーなデザインで非常に魅力的だったのだけど、リアン嬢のファッションやアラン・パロモの動き、そしてヴィンテージ感あふれるアナログ・シンセまで、あらゆるところに80'sからの影響が散りばめられていた。しかし彼らの音は単純に80'sリバイバル(エレポップやニューウェイヴなど)とは異なる次元にある。普遍的なポップ・センスを備えた彼らは、今後より多くのライブ活動をこなしていくことで、次はもっとバンドとしてのアンサンブルを強固にしたライブ感の強いアルバムを届けてくれるに違いない。


Neon Indian - Polish Girl(live)




■2012/2/21 代官山UNIT set list
Local Joke
Hex Girlfriend
Terminally Chill
Polish Girl
Mind Drips
6669
Fallout
Psychic Chasms
Deadbeat Summer
Ephemeral Artery

-encore-
Should Have Taken Acid With You
The Blindside Kiss






ライブレポート

ライブレポート:Hostess Club Weekender@Yebisu Garden Hall DAY2

Hostess Entertainmentが主催するイベント「Hostess Club Weekender」の記念すべき第一回目、2月18日と19日の2日間行ってきました。
今回は2日目のレポートをお届けします。

>>1日目のライブレポート



この日最初のアクトは、個人的に非常に楽しみにしていたマイク・ハッドレアスによるソロユニット、Perfume Genius。ほぼ最前列をゲット。マイク君は豹柄のシャツの上に赤いセーターを着て右耳にはパールのピアスと、ウワサ通りの麗人っぷりである。

perfumegenius

ライブは、彼の恋人でもあるキーボーディストのアランと、ギター&カホン担当のヒッピー風の男性の3人編成。ニューアルバム「Put Your Back N2 It」のリリースタイミング(この翌日に手元に届きました)でのパフォーマンスということで、新作からの曲が多めのセットとなった。

ただ、新曲「Take Me Home」ではドラムシーケンサーとのタイミングが合わず、イントロを2回やりなおした末に結局ドラムをオフにして演奏するなど、新曲群はまだ手探り感も見られた。また、歌う時に口元が震えていたり(いや、彼はいつもそういう歌い方なのかも)、曲の前後に深呼吸で息を整えたりしていて、最前列からは彼が極度の緊張状態にあることが容易に見てとれた。静かで神聖さすら感じさせる曲調であるがゆえ、ピンと張り詰めた空気感が最前列の自分にはかなりヒシヒシと感じられた。そしてやはり、オーディエンスがみな静かなのをかなり気にしており、それが緊張に拍車をかけていたようにも感じられた。

この日の彼のパフォーマンスのハイライトは、「Learning」で恋人アランを隣に座らせ、ピタリと寄り添って2人で1台のキーボードを演奏した時。先ほどまでの極度の緊張状態が解け、そこはまさに二人が愛を語り合っているかのような穏やかな空気に包まれていた。ヒッピー風メンバーがギターを弾きながら足でタンバリンを演奏していたのもなんだか和んだ。


■Perfume Genius - setlist
Perry
Normal Song
Look Out Look Out
Take Me Home
Deep Space
Dark Parts
Learning
Story of Love
Rusty Chains
Hood
Mr Peterson
Katie




さて次は、この2日間での紅一点アクト、アンナ・カルヴィ嬢。真っ赤なドレスに、CAのようなぴっちり七三に分けて後ろでまとめたヘアスタイルで、ギターを抱え登場。メンバーは男性ドラマーと、ヴィンテージのアコーディオンやツイストポテト風にシンバルを変形させた不思議な楽器などを操る女性の3人編成。

annacalvi

いきなり妖艶なギターソロ曲「Rider To The Sea」でのエッジの効いたスリリングな音に、オーディエンスはまんじりともせずただ息を飲むばかり。しかしその後は3人による強靭なバンド・アンサンブルを披露し、耳をつんざくファズギターと手数の多いパワフルなドラムにより、スタイルは違えどラウド・ロック並みの音圧で攻めまくる。おそらく今回初めて彼女のパフォーマンスを目にした人の多くは、何とも形容しがたいゾクゾクした感触と、ただ「かっこいい!」という感動に打ちのめされたことだろう(自分がそうでした)。


■Anna Calvi - setlist
Rider To The Sea
Suzanne And I
Blackout
I'll Be Your Man
First We Kiss
Wolf Like Me
Desire
Jezebel
Love Wont Be Leaving




続いてはチルウェイヴの枠組みからいち早く脱却したToro Y Moi。チャズ・バンディックの手元にはシンセ2台とサンプラー類が置かれ、その他のバンドメンバーはギター、ベース、ドラム、キーボード&サンプラーの5人。

toroymoi

「New Beat」からスタートした彼らのショウは、2011年作「Underneath The Pine」で私たちを魅了したファンキーなソウル・レビューそのものだった。自然と腰が動いてしまうようなグルーヴに酔いしれ、つい彼が「チルウェイヴ」という括りに入れられていたことも忘れてしまうほど。

それにしてもソウルフルでいい声だ。そしてかなり歌がうまいと感じた。CD音源ではリヴァーブやディレイが強めにかかっているが、ライブでは非常にクリアでハッキリしたボーカル。チャドはときおりシンセを離れ、ステージ前方に出てきて歌ったりして、アクティブな一面も見せた。「Light Back」の途中では、思いっきり歪ませたギターが耳をつんざくほどに炸裂する激ノイジーな瞬間もあったが、全体的には浮遊系のシンセ音と心地よいグルーヴが見事に結晶化した、完成度の高いライブだった。


■Toro Y Moi - setlist
New Beat
Talamak
All Alone
How I Know
Light Black
Go With You
Still Sound
Freaking Out
Saturday Love
I Can Get Love
Elise
Low Shoulder




ここでドリンクタイム。前日と同じくカシスグレープを注文。物販ブースの横では、1日目はレディオヘッドの「The King of Limbs:Live From The Basement」、2日目はアデルの「Live At The Royal Albert Hall」の映像を流していて、並んでいる間も退屈させない工夫がうれしい。



さて、次はAtlas Sound。アルバムは未聴(ネット試聴のみは未聴扱い)なので、どんなライブになるかと思っていたら、なんとブラッドフォードが一人で登場。長身の彼だが、周囲に比較対象となる人がいないのでさらにデカく見える。トカゲをイメージしたというグリーンのスポットライトの下で、ディレイとループペダルを用いて宇宙の果てまでブッ飛べる重厚なサイケデリック・ノイズ・インプロヴィゼーションをたった一人で展開した。流麗な音のレイヤーが次々と重なり、ついにはノイズの塊となった次の瞬間には、再び静寂の中でギターのアルペジオが静かに鳴らされるという恍惚のライブだった。ちなみに「Te Amo」などアルバム収録曲を軸としつつも、インプロを基調とした構成なのでセットリストは存在しないとのこと。

atlassound



そしていよいよ2日目のトリ、J・スペースマンことジェイソン・ピアース率いるスピリチュアライズドによる、スペース・ゴスペル・サイケデリック・ガレージ・ロックンロール・ショウの時間である。個人的には彼らのライブは、2002年のフジロックでグリーンステージのトリだったレッチリを蹴ってまでホワイトステージで観て以来であり、その時に買った彼らのロゴ入りTシャツを着て挑んだ。

会場の興奮度・期待度はこの2日間でMAX、開演時間が迫るにつれ、しきりにジェイソン・コールや拍手が巻き起こる。しかしジェイソンが完璧主義者であるゆえか、予定時間を20分過ぎてもスクリーンの向こうからセッティングの音が聞こえてくる(言い忘れていたけど、セットチェンジ中はステージにカーテン状のスクリーンが掛かっており、ステージの様子は見えない。その変わりスクリーンにはHostessレーベル作品のミュージックビデオとCMが流れていたが、これは非常にいい試み。他のイベントでも取り入れてほしい)。

鳴り止まない「ジェイソーン!!」というコールの中、スクリーンにはOwen Pallettのミュージックビデオが流れていて、ちょうど絶妙なタイミングでジェイソン(13日の金曜日の、です)のホッケーマスクが映し出されるという最高に笑える瞬間もありつつ、いよいよスクリーンが開いてスピリチュアライズドのライブがスタート。さすが絶対的なバンマスであるジェイソン、ステージの配置はジェイソンとその他のメンバーが正面に向き合い、オーディエンスはジェイソンの斜め後ろ向き(観る場所によっては完全に後ろ姿と言う人も)しか見えないという構図だ。今回はゴスペルコーラス担当の黒人女性も二人配置。

spiritualized

1曲目からいきなり彼らの代表作「宇宙遊泳」から人気曲「Come Together」で、オーディエンスのヴォルテージも最高潮に。それにしてもジェイソン含むトリプルギターの音圧がハンパない。先ほどのToro Y Moi「Light Back」や、Atlas Soundのギターノイズなど比ではないほどの鼓膜破りの音の洪水が、1曲を通してひっきりなしに鳴っているのだから凄まじいものだった。3月にリリースされる予定の新作「Sweet Heart Sweet Light」から、メロディアスながら反復を基調としたサイケデリックな曲も多数披露してくれた。アンコール含め1時間で終わった初日のトリThe Horrorsに比べ、こちらはアンコールなしの1時間半に及ぶセット。多くの人に強烈な耳鳴りを残して、ジェイソン・ピアースはライブ中一度もサングラスを外さないままステージを去っていった。


■Spiritualized - setlist
Come Together
Cheapster
Hey Jane
Little Girl
Get What You Deserve
Heading For The Top
Oh Baby
Rated X
Too Late
I Am What I Am
Mary
Walkin With Jesus
So Long
Take Me To The Other Side




*2日間通して、このイベントの感想も述べたいと思います。

初開催のイベントながら、混雑や混乱など運営面での大きな問題はなく、イベントとしては大成功だったと思う。何より出演アクトはいずれも、好き嫌いとかアルバムを所持している/いないに因らず「一度ライブは観ておくべき」というアクトが揃っていて、自分もめちゃくちゃ思い入れのあるアーティストは特にいなかったものの、これは今観ておきたいという思いから2日間の参加を決めたほど。

完全に分煙されて非喫煙者には快適だったと思うし、メインフロアは特に飲食禁止とは謳っていなかったものの、しっかり飲食できるロビーがあったこととメインフロアが薄暗くて板張りの床だったことにより、フロア内にゴミが散乱することもなく、セットチェンジ中は床に座ってスクリーンの映像を観ながらくつろぐことができた。開催前までは、セットチェンジ中にDJによるパフォーマンスがあればいいのにと思ったが、たぶんそれでは体力的にもキツかっただろうし、こうしてまったり次のステージを待つのも悪くないと思った。

心配だった電子チケットも、特に問題なく入場できた。6月には早くも第二回目が開催されるそうだが、再入場を可能にしたり、トイレのペーパータオルのゴミをこまめに回収するなどすれば、次回はもっと快適なフェスとなりそう。

いずれにしても、安心と信頼のレーベルだけに、次回の出演アクト発表が非常に楽しみだ。




プロフィール

PUBLIC IMAGE REPUBLIC

Author:PUBLIC IMAGE REPUBLIC
聴いた音楽の感想、リリース情報まとめ、ライブレポートなど

カテゴリ
QRコード

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ