初聴きディスクレポート

洋楽ひとことレビュー Vol.21(2011年3月)

3月もまもなく終わりなので(早いですね・・・)、3月に買った&借りたアルバムの、「一番最初に聴いたとき」の感想を紹介します。


※2月のアルバム感想はこちら

※1月のアルバム感想はこちら

<★の解説>----------------------
★★★★★今年の名盤上位20位以内確実!
★★★★☆すばらしい!
★★★☆☆普通に良作!
★★☆☆☆若干気になる部分もあり。もう少し聴きこみたい!
★☆☆☆☆あらら期待外れ・・・
☆☆☆☆☆全然ダメ・・・
---------------------------



では今月も、さっそく「Album of The Month」からご紹介します!

【Album of The Month - Noah & The Whale / Last Night on Earth】
★★★★★
noahandthewhale

フォークを基調としたイギリスの男子4人組バンドの3rdアルバム。フロントマンのチャーリー・フィンク(Charlie Fink)はかつて、今やイギリスのネオ・フォークシーンのみならずインディ・シーンの歌姫となったローラ・マーリング(Laura Marling)と交際しており、彼女は彼らの1stでもボーカルとしてフィーチャーされていましたが、2ndアルバム制作前に別離。おかげでその2ndアルバムはひどく内省的で、感傷に満ちた失恋ソングのオンパレード(しかも未練タラタラな歌詞)でした。それはそれで素晴らしいアルバムでしたが、今回はその反動か、新しい恋人でもできたのか、前作と同じバンドとは思えないくらい陽性にハジけた、のびのびとしたメロディが印象的です。グッドメロディはそのままに、アルバム全編にエレクトリックな要素をふんだんに取り入れてまさに新機軸ハッピー・サウンド。先行シングルの「L.I.F.E.G.O.E.S.O.N.」はWeezerの「Beverly Hills」を思わせる、ミッドテンポな陽性アンセムです。




The Vaccines / What Did You Expect From The Vaccines?
★★★★☆
2011年期待の新人によるデビューアルバム。イギリスのロックは、個人的にはメディアが言うほど停滞してるようには思いませんが、このバンドはUKロックの救世主としてハイプ的な見方もされていました。でも実際こうして届けられたアルバムを聴くと、イギリス人が好きそうなバリトンボイス、ラモーンズ直系のキャッチーなメロディ、そしてシューゲイザーやC86ムーブメントを通過したアトモスフェリックなギター音がこのバンドの存在価値を高めています。捨て曲なしでどの曲もクオリティが高い見事なデビューアルバムです。


Gil Scott-Heron & Jamie xx / We're New Here
★★★★☆
間もなく62歳になる、「黒いディラン」の異名を持つシンガー、Gil Scott-Heronが昨年リリースしたアルバムをThe XXのジェイミーが丸ごとリワーク。Gilの低音ポエトリー・リーディングやボーカルを、サンプルとして大胆にカットアップして使ってるので、昔からのGilファンには受け入れられないかもしれませんが、とりわけThe XXのファンにとってはあまりにかっこいいアルバム。サウンドのクオリティやビートの作り方も素晴らしく、ダブ、ダブステップ、ヒップホップ、ミニマルテクノなど様々な要素を含んでいます。長く聴けそうな1枚。


Tom Waits / Closing Time
★★★★☆

酔いどれ詩人とも呼ばれ、映画「Dr.パルナサスの鏡」でも独特の怪しい雰囲気を持つ老人を演じていたトム・ウェイツの、73年のデビューアルバム。この頃はまだ声はダミ声ではなく、メロディアスなピアノの旋律に乗せて時に朗々と、時に静かに歌い上げています。とにかく曲が全曲すばらしい。






Queen / Greatest Hits Vol.2
★★★☆☆

言わずと知れた、日本でも大人気のクイーンのベスト盤。Vol.1は数年前に友人から借りましたが、名曲だらけだったのでようやくVol.2も借りました。なんでこれが最初のベストに入らなかったのか不思議なほどに、こちらも名曲盛りだくさん。特に「Who Wants To Live Forever」や「The Show Must Go On」など、せつないバラードナンバーでのフレディの絶唱が胸を打ちます。でもやっぱりさすがにvol.1の方が全体のレベルは上ですかね。


Miami Horror / Illumination
★★★☆☆

オーストラリア出身のDJ達を中心にしたバンド。Cut CopyなどのModularレーベル所属アーティストのように豪州エレクトロマナーにのっとりつつ(Modular所属ではないですが)、エレポップよりもファンクやディスコの要素が強いです。女性ボーカルなどもフィーチャーしていて、ラウンジミュージック的にBGMとして聴くのにも適してそう。


The Dodos / No Color
★★★☆☆

フォークをベースにしながらも、パンキッシュに疾走。ギターはすべてアコギなのに、すごくラウドな雰囲気もあります。先月出たAkron/Familyのアルバムにも通じる、大地や自然のエネルギーを感じさせるサウンド。どの曲がということよりも、アルバム全体としてもクオリティが高いです。ただ、逆に突出した必殺曲が1、2曲あれば、もっとメリハリが出たかも。


Those Dancing Days / Daydreams and Nightmares
★★★☆☆

先行シングル「Fuckarias」がヤバすぎる出来だったので期待していましたが、その曲以上のものはナシ。演奏は非常にタイトで、特にドラムのバカスカ具合が爽快です。歌も演奏もこんなに上手いバンドだったんだ?と驚き。でも女の子バンドはちょっとつたない感じがあった方がもう少し親しみが持てたかも。






Another Sunny Day / London Weekend
★★★☆☆

伝説的ミックステープ「C86」にインスパイアされて同コンセプトでリリースされたコンピ「CD86」に「Anorak City」が収録されていて、その曲がとても気に入ったので聴いてみました。まさに今、インディシーンでこの手のサウンドがリバイバルしているということがよくわかります。爽やかなメロディと儚げなボーカルが、ネオアコサウンドにしっかり溶け込んでいます。POBPAH好きにオススメ。


Those Dancing Days / In Our Space Hero Suits
★★☆☆☆

シングル「Run Run」と「Hitten」しか知らなかったのですが、セカンド「Daydreams and Nightmares」と一緒にファーストも。「Hitten」のような柔らかい雰囲気の曲ばかりかと思いきや、意外とセカンドと同系統のアップテンポでパンキッシュな曲も多め。セカンドを先に聴いたせいか、シングル曲以外は少しインパクトに欠ける印象もあります。


Boat Beam / Puzzle Shapes
★★☆☆☆

女の子3人組。ピアノが大々的にフィーチャーされており、コケティッシュでガーリーな舌っ足らずボーカルとピアノの相性がグッド。単純にかわいらしい曲をやるのではなく、少しダークな感じの曲が多いところが懐の深さを感じられてよいです。が、やっぱりもう少し明るくはじける曲も欲しかったかも?バランスが大事、ってことです。これは古いアルバムで、この後もアルバム出しているのでそちらも気になります。


Shrag / Shrag
★★☆☆☆

英ブライトン出身の男女5人組。ガチャガチャ、キャーキャーしたサウンドはロスキャン好きにもおススメです。昨年出た2ndアルバム収録の「Rabbit Kids」という曲が好きなので、2009年のデビューアルバムも購入。2ndでも、ガーリィでキュートなミディアムナンバーと、B52'S風エキセントリック・ポストパンクの2本立てでしたが、1stもその基本姿勢は同じ。ただ、こちらの方がポストパンクやニューウェーブ色がやや強め。なのでボーカルのヘレンは音程を無視して歌う所謂「ボブディラン歌唱法」(またの名を「ボビーギレスピー歌唱法」)のパターンが多いのですが、個人的にはガーリィな曲の割合の方が多いほうが好きでした。それでも、演奏はヘタクソでスカスカながら好感が持てます。自作での成長に期待!






Avril Lavigne / Goodbye Lullaby
★☆☆☆☆

「What The Hell」はすごく好きな曲なのですが。アルバム全体通して聴くと、ほとんどの曲がベタな「いい曲」コードに逃げている気がします。いい曲を書こうと意識するあまりなのでしょうが、どの曲も、「この後このコードだろうな」というのが予測でき、そしてその通りに進行するので、どこかで聴いたことのある「いい曲」に似ているものばかり。特に9曲目「Not Enough」から12曲目「Remember When」まで、4曲連続で同じコード進行というのはソングライティング力の低さが露呈していて、つまらないものになってしまっています。ほんとに「What The Hell」は好きなだけに、残念。

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