初聴きディスクレポート

洋楽ひとことレビュー Vol.22(2011年4月)

4月に買った&借りたアルバムの、「一番最初に聴いたとき」の感想を紹介します。3月は枚数を自制したのでちょっと少なめでしたが・・・4月はその反動で、たくさん買いすぎてしまいました(汗)借りたものも結構あるので、今回は多めです!

※3月のアルバム感想はこちら

※2月のアルバム感想はこちら

※1月のアルバム感想はこちら

<★の解説>----------------------
★★★★★今年の名盤上位20位以内確実!
★★★★☆すばらしい!
★★★☆☆普通に良作!
★★☆☆☆若干気になる部分もあり。もう少し聴きこみたい!
★☆☆☆☆あらら期待外れ・・・
☆☆☆☆☆全然ダメ・・・
---------------------------



では今月も、さっそく「Album of The Month」からご紹介します!

【Album of The Month - The Pains of Being Pure At Heart / Belong】
★★★★★
POBPAH-belong

2009にデビューしたブルックリン出身の4人組ギターポップバンドのセカンドアルバム。前作ではジャングリーでアノラックな80年代のトウィーポップバンド、あるいは「Strawberry Wine EP」期のマイブラのようなジャカジャカしたシューゲイザーサウンドを奏で、インディシーンにC86リバイバルを巻き起こしましたが、今作はあっさりとそれを捨て去り、新しい方向性へ。彼らが敬愛するスマパンの2nd「Siamese Dream」と同じく、プロデューサーにフラッド、ミキサーにアラン・モウルダーを迎えて制作されました。音がクリアになり、しっかりとボトムを効かすことでこれまでの瑞々しさ、青さは減少しましたが、彼らの持ち味であるメロディセンスはさらに磨かれて、全曲捨て曲なし。さらにシンセのスペーシーな音色がより前面に出ることで、キラキラ感も増大しました。前作は大好きで、個人的な2009年の年間ベストでも6位でしたが、その前作での持ち味をまったく損なうことなくむしろ強化させている点がポイント高いです。同じ路線の作品を出していたら、もしかしたらすぐに飽きてしまったかもしれません。4月のベストアルバムであるだけでなく、現時点で2011年のベストアルバム暫定1位。


The Submarines / Love Notes/Letter Bombs
★★★★★
前作収録曲の「You, Me and the Bourgeoisie」がAPPLEのiphoneのCMに起用されて話題となりましたが、アルバムを聴くのはこれが初めて。エレクトリックなサウンドをさらりと取り入れつつ、キャッチーなメロディに優しげな男女ツインボーカルが乗ります。「マジカル」という言葉が似合いそうな、全曲カラフルなメロディに満ち溢れたアルバム。心がウキウキするサウンド。


The Strokes / Angles
★★★★☆
5年ぶり待望の新作。2000年代のロックシーンを大きく変えた彼らはそのイメージに留まることなく、2010年型の新しいサウンドにシフトチェンジしてきました。これまでの3枚のアルバムと、各メンバーのソロ作品のいいところを少しずつ取り入れたような集大成的作品だと思います。曲の並びのせいなのかすごく短く感じるし、最後は唐突に終わる感じなので、もう少し余韻に浸れるエンディングだとアルバムとして締まったかも。でも各曲のクオリティは高いです。


The Raveonettes / Raven in the Grave
★★★★☆
デビュー時からやってることは大して変わらないのに、毎回素敵なサウンドを聴かせてくれる、爆裂ガレージ+激甘メロディのデンマーク出身の男女デュオ。シンセの音が若干増え、ニューウェーブ風味が増した印象。全体的にミドルテンポorスローテンポで、フィードバックノイズも抑え目ですがメロディが今回も秀逸。ボーナスにでも、The Stone Roses「I Wanna Be Adored」のカバーを入れてほしかったところ。






Star Slinger / Volume 1
★★★★☆
DL販売のみのアルバムですが、ソウルやファンク、レゲエなどいろいろゴッタ煮なサンプリング感覚がThe Avalanchesを彷彿とさせます。曲はどれもキャッチーでわかりやすく、それでいて踊れるキラーチューン満載。


Primal Scream / Screamadelica
★★★★☆
91年の名作アルバムをマイブラのケヴィン・シールズとメンバー自身がリマスター。決して現代風の音になったりするわけでもなく、バランスや雰囲気はオリジナルに忠実に、音の粒子をより明晰にさせた感じがリマスター作品としても秀逸。新しい発見がたくさんあります。


Ringo Deathstarr / Sparkler
★★★★☆
2月にデビューフルアルバムをリリースした彼らの、2009年リリースのEP編集盤。デビューアルバムよりもゴリゴリ感が薄く、清涼感のある曲が多くてこちらの方が好きかも。


The View / Bread & Circuses
★★★★☆
これが彼らの3作目ですが、自分は今作で初めて彼らの音に触れました。スコットランド訛りのラッドな歌い方も魅力的で、トラッドやアイリッシュパンク風味も感じさせるサンドが新鮮。シークレットトラックのやさぐれ感も最高です。キラキラしたピアノも、ラストを飾る「Best Lasts Foreverの多幸感いっぱいのメロディも素晴らしい。






Britney Spears / Femme Fatale
★★★★☆
最近の彼女はトラックメイカーに一流プロデューサーを起用していますが、今回もDr. LukeやMax Martinなど、気合入りまくりの布陣。そんなわけで先行シングル「Hold It Against Me」ではダブステップを取り入れ、「How I Roll」では声をサンプリングしてカットアップしたビートのエレクトロニカ。トラックがほんとうにカッコよく、ポップでありながらダンスアルバムとしても秀逸。


Marnie Stern / Marnie Stern
★★★★☆
ブルックリン出身の女性SSW。といっても、女性SSWにありがちなピアノやアコギではなく、エクストリームなサウンドで何とも表現できない唯一無二の個性を見せてくれます。超絶ドラマーZach Hill(Hella)を迎え、エクスペリメンタルな疾走爆裂ナンバーがたくさん。なのに曲はシュガーコーティングされたみたいに激甘ポップ。さらに彼女のボーカルも、非常にガーリィで捉えどころのない感じ。こんなに変な音楽なのに、まったく難しさを感じさせないところがすごいです。


Metronomy / The English Riviera
★★★★☆
通算3枚目、新編成になって初のアルバム。前作は「キモイ音」満載の脱臼エレクトロサウンドでSNOOZERの年間1位にも選ばれましたが、今回はよりバンドらしさが出て、メロウなAORを展開。イーグルスやフリーとウッド・マックなどにも通じるレイドバックした雰囲気。それでも彼ららしさを失わずに、ネクストレベルに到達しています。初めはメロウで、後半に行くにしたがってダンサブルに盛り上がっていく構成もいいです。


Nedry / Condors
★★★★☆
日本でかつてSSWとしてデビューした経験を持つ岡北有由が渡英して組んだエレクトリックバンド。彼らの音楽を聴いて思い浮かぶのはエレクトロニカ、ダブステップ、トリップホップ、ブレイクビーツ。かつての平凡なSSWとはまるで別人のボーカリゼーションも素晴らしく、Bjorkや、Blonde Redheadのカズ・マキノを彷彿させます。アルバムは全体にストーリー感があって、流れも秀逸。






Marvin Gaye / What's Going on
★★★★☆
何も言う必要はない名盤です。夜に聴くとリラックスできます。


Glasvegas / Euphoric///Heartbreak
★★★☆☆
スタジアムがよく似合いそうな壮大なメロディと、ディレイやリヴァーブを聴かせたギターサウンド、キラキラしたシンセ。まるでブライアン・イーノがプロデュースしたかのようなアトモスフェリックな作品。曲の並びも、シームレスになっていてストーリーを感じさせます。が、どうしてもこのボーカルの、ところどころ声を裏返して歌うところが好きになれません。エモーショナルで表現力の高いボーカリストだとは思うけど・・・違うボーカルなら、もっと好きだったはず。オケは最高なんだから!


Maritime / Human Hearts
★★★☆☆
プロミス・リングから派生したバンドで、前回のJEW来日公演でも前座をつとめていました。その時に初めて聴いて、今作で初めてアルバムを聴きました。エモバンドのようでエモバンドではなく、ちょっとシンセやベースラインなどからニューオーダー風な雰囲気も感じさせます。すごいのはアップテンポな曲でも、ただ疾走するだけではなく抑制を利かせるドラム。かなりセンスがいいです。全体的にアレンジが凝ってて、聴くごとに各楽器パートに新たな発見があります。


The Weeknd / House of Baloons
★★★☆☆
カナダ出身ということ以外、謎の多いアーティストで、オフィシャルサイトでフリーDLされているアルバムです。音の方は、ダブステップとR&Bが絶妙なバランスでミックスされています。特にスージー・アンド・ザ・バンシーズ「Happy House」をサンプリングした曲が白眉。


the weeknd



The Crystals / Da Doo Ron Ron - The Best of The Crystals
★★★☆☆
フィルスペクターがプロデュースした、60年代のガールズグループのベスト盤。The Ronettesのようなウォールオブサウンドが魅力。代表曲の“He's A Rebel”は、The Morning Bendersにもカヴァーされました。


Peter Bjorn & John / Gimme Some
★★★☆☆
以前「口笛ソング」で話題となったスウェーデンの3人組ギターポップバンド。もっとベルセバ風な、ネオアコ風味のバンドだと思っていたのですが、全体的に結構アップテンポでパンキッシュな曲も多数。シンプルなアレンジで、多彩な曲が詰まっています。


Phantogram / Eyelid Movies
★★☆☆☆
メロディアスで、ヒップホップ的なビートがあって、ちょっとアブストラクトな音・・・なので自分のツボなはずなんだけど、1回聴いた段階で少し印象が薄かった。あんまり内容覚えていないので、もう少し聴きこみたいです。


TV on the Radio / Nine Types of Light
★★☆☆☆
アルバムを通して聴くのは初めてですが、今まで持っていたイメージとは少し違う印象。もっとエレクトリックで、いかにもブルックリンなサイケデリックな感じかと思っていましたが、生楽器が前面に出た、温かみのあるサウンド。リズムはダブステップ意向を感じさせるアプローチもあり、各パートも音の意匠が凝っています。本作リリース直後にベーシストが急逝してしまったのが、何とも残念です。






Panda Bear / Tomboy
★★☆☆☆
アニコレの「Merriweather~」がすごく好きなのですが、中心メンバーとも言えるPanda Bearのソロ作はというと、メロディは「Merriweather」ほどハーモニー豊かではない印象。また、ビートも抑え目にしてあるのでちょっと1回聴いただけだと記憶に残りにくいかな。サウンド自体はエフェクターを多用して、面白い試みをたくさんしているけど、エフェクターに頼り過ぎてすべての音がぼんやり聴こえる感じも。もちろんそこが彼の魅力ではあるけど・・・もう少し聴きこみたいところです。


Animal Collective / Feels
★☆☆☆☆
Panda Bearのところでも書いたように、「Merriweather~」が大好きなので、その前作にあたるアルバムを借りてみましたが。やっぱり「Merriweather」って、彼らにとってサウンドもメロディも大いなる進歩を遂げたアルバムなんだね、と再認識させられました。あのアルバムの中で好きだった、ビーチボーイズ風ハーモニーやダンスビート、キラキラした音はあまり見られず、結構おとなしめ。曲によってはビートレスで、ドローンな雰囲気もあるのでちょっと退屈さも感じられてしまいました。


La Sera / La Sera
★☆☆☆☆
ヴィヴィアン・ガールズのメンバーによるソロ。シングル曲が60's風でよかったのですが、シングル曲以外は全然響かなかったです。シングル曲とそれ以外の曲のクオリティの差が歴然と出ていて、そこが残念。やっぱり(本元である)Vivian Girlsの方がいいかも。


Salyu × Salyu / s(o)un(d)beams
★☆☆☆☆
Corneliusが全面プロデュースで、作詞にゆらゆら帝国の坂本慎太郎氏も参加しているということでだいぶ期待したのですが、期待の割に落胆が大きかった。確かにトラックは素晴らしいし、これまで聴いたことのないような大胆な詞の譜割りに感動したのですが、元々Salyuがどんな声か知らないで聴いたので、イメージしてた声ととかけ離れていました。ウィスパー系だと思っていたし、その方がCorneliusの楽曲とはマッチすると思っていたので・・・でも実際はハキハキとした、ちょっとボーイッシュな雰囲気の声。もちろん多彩な声を使い分けて入るけど、トラックが素晴らしかっただけに、ちょっと期待外れ感というよりも、イメージと違った感が強かったです。というわけで、もう少し聴きこみたいところ。




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