初聴きディスクレポート

洋楽ひとことレビュー Vol.23(2011年5月)

5月に買った&借りたアルバムの、「一番最初に聴いたとき」の感想を紹介します。今月はちょっと少なめ。Amazonの輸入盤が全体的に急に高くなったのもあり、財布のヒモもちょっと固めです。あくまで1回目聴いた時の感想なので、その後評価が変わっていることも多々あります。


※4月のアルバム感想はこちら

※3月のアルバム感想はこちら

※2月のアルバム感想はこちら

※1月のアルバム感想はこちら

<★の解説>----------------------
★★★★★今年の名盤上位20位以内確実!
★★★★☆すばらしい
★★★☆☆普通に良作
★★☆☆☆若干気になる部分もあり。もう少し聴きこみたい
★☆☆☆☆期待ハズレ
☆☆☆☆☆全然ダメでした
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では今月も、さっそく「Album of The Month」からご紹介します!

【Album of The Month - Gang Gang Dance / Eye Contact】
★★★★★
ganggangdance

ブルックリンを拠点に活動する現在は5人編成のエクスペリメンタル・バンド。前作「Saint Dymphna」は各メディアからの高い評価を受けたが、自分は試聴止まり。今作で初めて、彼らのアルバムを購入しました。4ADからのリリースとなった今作は、まず表ジャケ、中ジャケ、裏ジャケ、ブックレット、CD盤面といったすべてのアートワークのデザインが素晴らしい。彼らのアートセンスをよく知ることができます。そして楽曲の方は1曲目「Glass Jar」から11分超え。しかし冗長な感じは全く感じさせず、体感的には5、6分に感じられるほど。浮遊感のあるシンセで静かに始まり、やがてピアノやドラムが絡んでくるとだんだんと突き上げてくるような高揚感が生まれ、レイヴィーなシンセとシャーマニックな女性ボーカルが入ってくるあたりで完全に昇天モード。エクスペリメンタル、つまり実験性に富んだ音楽という、少し難しそうな音楽をここまでポップに昇華できる力は圧巻。そして長尺をまったく長く感じさせない構成も見事。短いインタールード的な曲も挟みつつ、他の曲もオリエンタル(東洋的)なメロディと、タイトなバンドアンサンブルが叩きだすダンサブルでトライバルなビートが見事に絡み合って、唯一無二の音を鳴らしています。アートワークもアルバム全体のコンパクトさもすべて含め、文句なしの出来。


I'm From Barcelona / Forever Today
★★★★☆
スウェーデンの28人組大所帯バンド。オーケストラルポップにダンサブルなシンセポップを融合したようなサウンドながら、スウェーデンらしい軽やかさに満ちています。せつないメロディと明るいサウンドで、ちょっとほろ苦い感じがするところもいい。ホーンセクションが特に目立っているけど、もう少しストリングスが目立っていてもよかったかも。


Beastie Boys / Hot Sauce Committee Part Two
★★★★☆
ラップアルバムとしては2004年以来となる今作。オールドスクールへの憧憬と、ニューヨーク愛に満ちた作品。Santigoldが客演したスカ風な曲も、ラストのパンクロック風な曲も個性的でかっこいいビートとライムに彩られています。アナログシンセがブイブイ鳴ってる先行シングル「Make Some Noise」は80'sのヒップホップを思い出させつつ、ザック・デ・ラ・ロッチャのOne Day As A Lionなんかも思わせます。

Glasvegas / Glasvegas
★★★★☆
先日リリースされたセカンドですっかりこのバンドにハマってしまったので、後追いで2008年リリースの1stである本作を聴きました。このアルバムもセカンド同様に、60'sのロイ・オービソンあたりを思わせるメロディが素晴らしい。それに、シューゲイザー感たっぷりのノイジーなギターの浮遊感も美しく、その中でツバ飛ばしまくり・声裏返りまくりのアランのボーカルが冴えまくっています。






Friendly Fires / Pala
★★★★☆
Glasvegas同様、2008年アルバムデビュー組のセカンド。これも前作収録曲はシングル以外聴いていないけど、「Paris」に代表されるような性急なビートはこのアルバムでは抑制され、全編が気持ちよく踊れるアルバムになっています。どの曲も異なるアプローチがされて、ジャケットに描かれている鮮やかな鳥のごとく、カラフルな色彩を帯びた楽曲が詰まっています。中にはモロにTalking Headsな音のある「True Love」などもあり、控え目ながらいい空気感を加えているシンセ、トライバルなビートが新しいダンスミュージックの未来を示唆しているかのよう。所謂ダンスもののロックバンドの中では今一番カッコイイ音を出していると思うし、勢いで押すのではなく、知的でセクシーでクールなところも魅力。


Battles / Gloss Drop
★★★★☆
中心的存在だったタイヨンダイ・ブラクストン脱退後初のアルバム。重要なものがすっぽり抜けた作品になるかな?と思っていたけど、Battles印のキコキコしたギターや硬質でパワフルなビートは健在。特に本作におけるドラムの重厚なサウンドの迫力が素晴らしい。1つ残念なのは、せっかく個性的なゲストボーカルを迎えているのに、あまりボーカリストの個性を発揮できていないこと。「Ice Cream」でボーカルを取っているMatias Aguayoの個性が一番光っているけど、Blonde Redheadのカズ参加曲やゲイリー・ニューマン参加曲は少し印象が薄いかも。


The Smiths / Singles
★★★☆☆
以前からずっと聴きたかったけど、何から聴いていいのか分からなくて通ってこなかったThe Smith。星は3つにしたけど、正直素晴らしい。彼らの魅力の一つは、モリッシーの書く詩だと思うので、それを消化していない段階では星3つに留めておきます。「Ask」「Panic」のひねくれたポップ感覚が特に好き。オリジナルアルバムも聴かなくては。


Portugal, The Man / American Ghetto
★★★☆☆
すっごく不思議なサウンド。ビートはヒップホップやR&B的に作られているあたり、Beckの系譜のようでもあるけど、もっとストレンジでモクモクしたサイケ感があると同時にファンキーでもあって、他に比較するアーティストがいない感じ。MGMTのような要素が時折顔をのぞかせたかと思えば、突然ノイジーなギターがグイグイ押し寄せたりもします。個性的ゆえ、消化するのにもう少しかかりそうだけど、聴くたびにいろいろな発見がありそうなのでじっくり聴きこんでいきたい。






The Cars / Move Like This
★★☆☆☆
14年ぶりの復活アルバム。過去作品はベスト盤しか聴いたことないけど、このニューアルバムはまさに王道のカーズ節全開。時が経ってもいいメロディと、シンセの音の選び方なんかは変わってません。今の世の中にThe Carsの影響を受けたシンセバンドがたくさんいることもあるせいか、今の音楽ともリンクされた感もありつつ、確実に現代風にアップデートされています。でも曲によって完成度にバラツキがあるかも。


Lady Gaga / Born This Way
★★☆☆☆
おそらく全世界で1位を獲得するであろうという中で遂にリリースされた2nd。全編がダンサブルなエレクトロハウスですが、なんだか2,3年前のエレクトロと同じような音を使い回している感じがして、あんまりトラック自体には新鮮味は感じられなかった。1stでは多彩なリズムアプローチも見られ、歌い方などもいろいろなペルソナを使い分けていた感じもあったけど、今作は少し一本調子な感じも。そんな中でも時々オッと思わせる斬新な音が入っていたりしますが。


Fleet Foxes / Helplessness Blues
★★☆☆☆
霧の深い森の中にいるような感じ。前作が各メディアで大絶賛された彼らのセカンドは、元々ハーモニーは定評ありましたがさらに磨きがかかってます。ただ、最近の自分はアッパーで底抜けにポップな曲調のものを好む傾向が強いので、アルバム全体通して聴くと少し物足りないかも。そんな中でも、最終曲「Grown Ocean」で魅せた高揚感は素晴らしかった。


Foo Fighters / Wasting Light
★★☆☆☆
「Bridge Burning」「White Limo」など爆裂シャウトなロッキンナンバーは新鮮な感じもあっていいのだけど、ミッドテンポでマイナーコードの曲はあんまりパッとしない。何というか、いつもの「フーファイ印」がないようにも感じられた。自宅ガレージで、アナログ機材で録音されたというけど、ブッチ・ヴィグによるウェルメイドに仕上げる手腕が仇になって、粗削りでもロウでもない中途半端なソフトな音に仕上がってしまった印象も。そんな中でも、シャッフルのリズムが気持ちいい日本盤ボーナストラックの「Better Off」がよかった。これ、ボートラなんてもったいない。






Suede / The Best of
★★☆☆☆
ブリットポップ全盛期はリアルタイムで経験していませんが、97年以降、後追いでOasisもBlurもPulpもハマった。それでSuedeを聴かないわけにいかないだろうと思いつつ、今まで聴く機会がなかったのだけどベスト盤から入ってみました。どちらかというと、後半の方が好きかも。これを聴くと、SwitchesなんかはかなりSuedeに影響を受けてるんだなーということがよくわかりました。


Supercar / Re:Supercar 1 -redesigned by nakamura koji-
★☆☆☆☆
結構期待していた、スーパーカーの過去音源をナカコーがリメイクした作品。しかし結果として、どの曲も原曲を超えることはできなかったと思う。個人的に思い入れが強いバンドだし、当時の記憶がいろいろ蘇るほどによく聴いていたから、例えばベースラインが抜き取られてメロディがぼやかされていたり、ギターのノイジー度が抑えられていたりすると物足りなさを感じでしまう。あと限定盤で付いていたDisc2のデモ集、あれはなんで世に出してしまったんだろう。デモ音源にエディットとエフェクトを加えて、新しいものにはしてるけど音質や演奏、適当な歌詞などはちょっと聴くに堪えなかった。わざわざこれをパッケージ化して人に聴かせる意図が見えてこないっていうか。そんな感じで、悩ましい作品。続編「2」に期待。



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