年間/半期ベスト[2011年]

2011年 上半期ベストアルバム【後編:ベスト10感想とその他の作品】

先日発表したyaboriさんとの「2011年上半期ベスト10」対談はご覧いただけましたでしょうか?あちらでは上半期を振り返る対談をメインに、お互いの好きなアルバム10枚などを駆け足で紹介したので、今回はもう少し深くそれらの作品についてツッコんでいきたいと思います。


それではまず対談の中でも書いた私の選ぶ2011年上半期ベスト・アルバムTOP10をあらためて。試聴できるように、小さくだけどYoutubeも貼っておきます。1位のペインズを除き、全部アルバム中で一番好きな曲をセレクトしました。


1. The Pains of Being Pure At Heart - Belong
"Even In Dreams"
POBPAH-belong
「C86」「ジャングリー・ギター・ポップ」「アノラック」「ネオアコ」などのタームで括られるムーブメントを、Vivian Girlsとともに牽引するデビュー作を放った、ブルックリン出身の4人組。今作はそんな「夢見る少年少女」がまさに逞しい大人の世界へと踏み出した作品。それは決して幼少期との決別でもないし、大人の世界への不安に怯えてるわけでもなく、あどけなさを残しながらもしっかりと地に足を付けて毅然と歩む姿が音に顕れています。
そんな抽象的な表現はさておき、メンバーが憧れていたスマパンの「Siamese Dream」やマイブラ「Loveless」と同じくアラン・モウルダーをミキサーに起用し、プロデュースはU2、デぺッシュ・モード、スマパンと枚挙に暇がない名プロデューサー・フラッドという最強布陣。そのせいか、青春まっしぐらな甘酸っぱいメロディとか弱き心(それこそまさにバンド名のような)を持ったファーストと比べ、今作はスマパンの「Siamese Dream」を思い起こさせる太いギターと繊細なボーカルと美しいメロディが同居する作品となりました。
このサウンドの変化の驚き、以前にもどこかで経験したことがある・・・と思っていたのですが。そう、これはまさに、我らがAshのファースト「1977」とサード「Free All Angels」の関係にソックリだと思いませんか?(セカンドすっとばしてすみません。でも、ペインズはAshよりも早くそこに到達することができたってことだと思います)この発見をした時、僕は心の中でガッツポーズしました。とにかく、メロディだけでなくアルバム全体の完成度なども含めダントツの1位です。


2. Glasvegas - Euphoric /// Heartbreak \\\
"You"
glasvegas
初めて聴いた時の評価では、5つ星中3つ星だったこの作品。今にもツバ飛んできそうなこのムサ苦しいボーカルが苦手だったはずが、二度三度聴くうちにあれよあれよとハマっていき、なんと上半期の2位にまで上昇。自分でも驚きです。シューゲイズサウンドはさらに壮大さを増し、ドラマーが変わりリズム面も強化(が、アルバムではボーカルのアランがドラム叩いているらしい)。キラキラのシンセをまぶせ、スタジアム映えするアンセミックで激エモーショナルなナンバーのオンパレード。そしてこのアルバムも、ペインズと同じくフラッドのプロデュース。いい仕事してますなあ。


3. Noah And The Whale - Last Night On Earth
"Tonight's The Kind Of Night"
noahandthewhale
これまではフォーク調のちょっと切なげなサウンドを奏でていた彼らが、今作で大胆チェンジ。フォークが下敷きになってはいるものの、エレクトリックでダンサブルな要素が目立ちます。さらにメロディの瑞々しさや、ゴスペル調な多重コーラスが導き出す高揚感も白眉。自身の失恋をテーマにしたコンセプチュアルな前作も素晴らしかったですが、陽性に弾けた今回の方向性も自分にとってはうれしいです。


4. Gypsy And The Cat - Gilgamesh
"Running Romeo"
gypsyandthecat
オーストラリア出身の2人組。本国では昨年アルバムがリリースされていますが、今年になってRCAからワールドリリースされたので入れてしまいました。ペット・ショップ・ボーイズにも通じる甘美なエレポップ。時折見せるキラーズな感じもいいです。


5. The Submarines - Love Notes / Letter Bombs
"Fire"
thesubmarines
前作収録曲がアップルのCMに使われたことでも話題となり、前作リリース後夫婦となったデュオ。透明感のあるかわいらしい歌声は、The Ting TingsやCults好きにもオススメです。生楽器とエレクトロニクスのバランスが絶妙。


6. Secret Shine - The Beginning And The End
"Perfect Life"
secretshine
こんなに素晴らしいシューゲイザー名盤を作り出したのに、どうやら日本以外ではリリースされていない様子。もったいない!もう20年選手ですが、こんなに瑞々しい音とキャッチーなメロディを鳴らせるところがすごいです。シンセを大幅に導入していて、Slowdiveっぽいボーカルエフェクトも、うるさすぎないギターもお互いの音を邪魔せずにきれいに配置されています。最近のシューゲイザーはやたらとギターがひずんでいたり、ボーカルにリヴァーブをかけ過ぎなのが多いですが、これはシューゲイザーの理想形。


7. The Go! Team - Rolling Blackouts
"Secretary Song"
the go! team rolling blackouts
彼らの持ってる陽性のヴァイヴと、雑食な音楽性をいかんなく発揮した3作目。これまで同様にオールドスクールなヒップホップと、チアリーディングと、60'sガールポップとあれやこれがごっちゃになりつつも、しっかりと彼らのフィルターを通してGo! Teamサウンドにまとめ上げています。これがラストアルバムな噂も・・・イヤだ!


8. Adele - 21
"Someone Like You"
adele21
今更説明するまでもなく、全英で14度1位、全米で6度1位の記録(今はもっと更新してるかも)を持つ、今年最大のヒット作。19歳の時に作ったファーストのクオリティを軽く超え、ソウルフルでエモーショナルな歌声は圧巻で、まさに絶唱とはこのこと。多くの人々の心を捉え、心を震わせる曲が詰まっていて、そりゃ世界中で売れて当然です(日本は除く)。


9. Death Cab For Cutie - Codes And Keys
"You Are A Tourist"
DCFC
今やベテラン、アメリカを代表するロックバンドに成長した彼ら。でも成功で方向性を見失うことなく、飽くなき実験性とすばらしいメロディをもって最近作でもっともエキサイティングな作品に仕上がりました。ちなみに一発撮りで撮られ、撮影風景がリアルタイム配信された「You Are A Tourist」のPVは上半期のマイ・ベスト・ビデオ。


10. Radiohead - The King of Limbs
"Bloom"
radiohead
またも突然に届けられたRadioheadの新作。世間的には、「驚きや新鮮な点がない」なんて見方が多いようですが、自分は大いに驚きました。一番驚いたのはリズム・アプローチの進化。これまでもトムのソロ作で顕著なように、バスドラがランダムな位置に入ってるIDMみたいな複雑なビートを取り入れてましたが、今作のリズムアプローチはAtoms For Peaceでの活動の延長にあると言っていいと思います。トライバルなパーカッションを連打し、そこに複数のドラムパターン(わざとタイミングをずらしているようなところも)を乗せるという手法。ポスト・ダブステップの流れも組んでいると言われているけど、僕はその次元すらも遥かに飛び越えてしまったと思います。後半は特に美しいメロディーが続き、もやのかかった深い森の中でトリップしているかのような気分にさせられます。


では続いて、惜しくもTOP10を逃した11位~20位を発表。個人的には、「くっそ!こんなに好きなのにTOP10入らねーよこれ!!」ってぐらい好きなんで、かなり悩みました。


11. I'm From Barcelona - Forever Today
12. The Strokes - Angles
13. Gang Gang Dance - Eye Contact
14. Beady Eye - Different Gear, Still Speeding
15. Acrylics - Lives And Treasure
16. Akron/Family - S/T II: The Cosmic Birth And Journey of Shinju TNT
17. The View - Bread And Circuses
18. The Vaccines - What Did You Expect From The Vaccines?
19. Cults - Cults
20. Friendly Fires - Pala


2011sofar11-20




さらに、21位~30位の発表です。この辺も、かなり好きな作品ばかりですが…。今年は去年よりもさらに豊作でしたね。

21. The Beastie Boys - Hot Sauce Committee Pt.2
22. Smith Westerns - Dye It Blonde
23. The Raveonettes - Raven In The Grave
24. Foster The People - Torches
25. Yuck - Yuck
26. Metronomy - The English Riviera
27. Destroyer - Kaputt
28. Gil Scott-Heron & Jamie XX - We Are New Here
29. The Crookes - Chasing Them Ghosts
30. PJ Harvey - Let England Shake


2011sofar21-30




【オマケ】次第点の10枚
これらの作品もよかったんですが…残念なことにベスト30には入らず。もうここまで来ると順位付けできないので、単純にアルファベット順です。


Acid House Kings - Music Sounds Better With You
Atari Teenage Riot - Is This Hyperreal?
Battles - Gloss Drop
Beyonce - 4
Cut Copy - Zonoscope
Dream Diary - You Are The Beat
Emmy The Great - Virtue
The Naked And Famous - Passive Me, Aggressive You
Ringo Deathstarr - Colour Trip
Tennis - Cape Dory


2011sofarothers


以上です。長々とした文章読んでいただき、ありがとうございました。ここに下半期のアルバムも加わるとなると、年間ベストは相当に悩ましいことになる気がします。それが楽しかったりするんですけどね。このランキング作成にあたり、この半年に買ったCDをあらためて1枚ずつ聴き直すことができてよかったと思います。1回聴いてあんまり良くないと思ったものも、新発見があったりしましたからね。
それではこの辺で。
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