年間/半期ベスト[2011年]

2011年 下半期ベストアルバム[10位~1位]

先日の2011年下半期ベストアルバム30位から21位20位から11位の発表に続いて、いよいよ10位から1位までの発表です。今回はひとつずつコメント付き。




10位 The Sound of Arrows - Voyage
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スウェーデンのエレポップ・デュオ。2009年から待たされてようやくのリリースとなったデビューアルバムは、どこまでもロマンティックで全編SFファンタジー風味に満ちたサウンドが印象的。既発の名曲シングル「Into The Clouds」「Magic」はアルバム用に少しリアレンジされて収録。前者はシングルバージョンの方がビートに迫力があって好きだったのが唯一の難点。しかしイントロからエンディングに至るまで一貫したストーリー性が感じられ、ジャケットのアートワークやミュージックビデオで作り上げたビジュアルイメージも相俟って、まるでディズニー映画か「ネバーエンディング・ストーリー」でも観ているかのようなファンタジックな世界観の作り方が秀逸でした。2011年上半期の「ロマンティック大賞」がGypsy & The Catなら、下半期は間違いなく彼ら。正統派のPet Shop Boys後継者と言えます。
fav track:Into The Clouds
The Sound of Arrows「Into The Clouds」をYoutubeで試聴



9位 Pepper Rabbit - Red Velvet Snow Ball
Pepper Rabbit - Red Velvet Snow Ball
「The Flaming LipsとMGMTのセンチメンタルな邂逅」―Pepper Rabbitの音楽を、自分はこう表現します。高揚感のあるメロディと、オーケストレーションや電子音を駆使したソフト・サイケ・ポップは、その両者がかつて言われてきたのと同様に万華鏡のように色彩豊か。アコースティック色の強いオーケストラル・ポップだった2010年のデビューアルバム「Beauregard」と比べこのセカンドは電子音の装飾が施され、「軽さ」や「色彩」が加わっており、このまま行けばポスト・リップスか?と次作への期待が高まっていた矢先、先日facebook上で突然解散を発表。非常に残念ですが、今後の二人の活動に期待したいと思います。
fav track:Rose Mary Stretch
Pepper Rabbit「Rose Mary Stretch」をYoutubeで試聴



8位 Big Troubles - Romantic Comedy
Big Troubles - Romantic Comedy
前作(デビューアルバム)は、ガレージで古いサンプラーと一緒にThe Jesus & Mary Chainのカバーを演奏しているようなアルバムでした。しかし本作でそのサウンドは一変。Teenage FanclubやFountains of Wayne、The Pains of Being Pure At Heartのような爽やかでスウィートなギターポップ・サウンドになって音も格段にクリアに。さらにその甘くとろけるような歌声はSmith Westernsの2011年作「Dye It Blonde」と双璧をなすほどで、「Sad Girls」「Misery」をはじめとした珠玉の「いい曲」が並びます。2011年の「急成長・オブ・ザ・イヤー」。
fav track:Sad Girls
※下半期ベストトラック3位選出
Big Troubles「Sad Girls」をYoutubeで試聴



7位 Girls - Father, Son, Holy Ghost
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「Broken Dreams Club」という布石があったにせよ、本作におけるドラスティックな変化は非常に目を見張るものがありました。ともすればこのままAOR的な、洗練された音楽性にいくとも思われた彼らは、自分たちのスタジオに続いてバンドを手に入れたことで、より一層バンドとしてのアンサンブルが強固なものに。それによって「Die」のようなプログレッシヴなハードロック・サウンドや「Vomit」のようなエモーショナルでへヴィなサウンドも生まれました。それらの異種混合な音楽がバラバラになることなく不思議な統一感を纏っているのは、クリストファーの憂いを帯びた感傷的なボーカルの存在感なのはもちろん、メリハリの利いた曲順なども影響していると思います。
fav track:Die
※下半期ベストトラック8位選出
Girls「Die」をYoutubeで試聴



6位 CSS - La Liberacion
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世間では評判がいいのか悪いのかよくわからないアルバムですが、個人的には高く評価したいです。彼女らが元々持っていた、多様な音楽をミックスするセンスが遺憾なく発揮され、レゲエやカリプソなど異国情緒溢れるビートから直球パンクなど様々なタイプの曲が楽しめる作品。それでいてメロディはセカンドを踏襲する形で、シンガロング可能なほどにキャッチー。彼女たちはこのアルバムで自分たちのやりたいことを追求したらしいけど、「La Liberacion」というタイトルからしてその精神が強く感じられます。一時期は脱退の噂もあったアドリアーノの今後の動向が気になるところですが、息の長いカメレオン・バンドでいてほしい。それこそ、「Hit Me Like A Rock」に参加したボビー・ギレスピー率いるプライマル・スクリームみたいに。
fav track:La Liberacion
※下半期ベストトラック9位選出
CSS「La Liberacion」をYoutubeで試聴



5位 Coldplay - Mylo Xyloto
coldplay
前作「Viva La Vida Or Death & All His Friends(邦題:美しき生命)」は、自分にとって2008年の年間ベストアルバムでした。今回もブライアン・イーノをプロデューサーに迎えて前作路線を踏襲しながらも、アッパーな「Hurts Like Heaven」からリアーナとのデュエット「Princess of China」など新機軸もチラホラ。インタールード的な曲をいくつか挿みつつオープニングからエンディングまでがシームレスに繋がっており、コンセプチュアルでありながらちょうどいい長さで通して聴けるところも魅力です。
fav track:Charlie Brown
※下半期ベストトラック7位選出
Coldplay「Charlie Brown」をYoutubeで試聴



4位 Neon Indian - Era Extrana
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「チルウェイヴ」については正直大して興味もないし、あまり意味のない呼称だと思ってます。なぜなら「先駆者」だとか「四天王」と勝手にメディアから言われていた人たちは次々とその枠を飛び出して、すでにシーンは空洞状態となり、その名称(と、漠然としたイメージ)だけが宙ぶらりんな状態なのですから。というわけでNeon Indianは純粋にエレクトロ・ポップとして聴きました。ピコピコガチャガチャした電子音はデイヴ・フリッドマンの手腕により立体的に振り分けられて、スッキリ整理された印象。この感じは、音楽性は全く異なるものの個人的にはBeckの96年作「Odelay」を思い起こさせました。下半期ベストトラックの1位に選出した「Hex Girlfriend」をはじめとして、キャッチーで甘酸っぱいメロディも秀逸です。
fav track:Hex Girlfriend
※下半期ベストトラック1位選出
Neon Indian「Hex Girlfriend」をYoutubeで試聴



3位 Apparat - The Devil's Walk
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今のところ年間ベストアルバムなどにこの作品が入っているのを見たことがないのですが・・・。先鋭性とポップ性が見事なバランスを保っている、素晴らしい作品だと思います。エレクトロニカ、アンビエント、シューゲイザー、ダブステップといった音楽を内包しながら、柔らかい歌声と心地よいシンセ、控え目なエレクトロ・ビートで、心を癒してくれるようなサウンド。雰囲気としては、Thom Yorkeのソロ「The Eraser」をポップにした感じと言えるでしょう。
fav track:Song of Los
※下半期ベストトラック4位選出
9月度「Album of The Month」選出
Apparat「Song of Los」をYoutubeで試聴



2位 Grouplove - Never Trust A Happy Song
grouplove
アップルのiPod新CMソングに「Tongue Tied」が起用され、人気急上昇中の彼ら。ビッグなコーラス入りのキャッチーなメロディに乗せて、独特のリズムと少し危うげな音程で時にシャウトしながら歌うボーカルが魅力的。Passion Pitのキラキラ感とCage The Elephantの野性感を掛け合わせたようなサウンドは、ポストFoster The Peopleの座に最も近い存在と言えます。僕の下半期ベストトラックに最も多くの楽曲がエントリーされたバンド。
fav track:Tongue Tied
※下半期ベストトラック2位選出
10月度「Album of The Month」選出
Grouplove「Tongue Tied」をYoutubeで試聴




1位 Birdy - Birdy
birdy-birdy2011
下半期のベストアルバム1位は、イギリスの15歳の女の子によるカバー曲集。15歳だとかカバー曲のセレクトとかが話題になりがちですが、ここまで評価したのは単にそれだけではありません。ここに収められた曲がたとえBon IverやThe XXやThe Postal Serviceのカバーではなく、そして彼女が23歳だっとしてもこのアルバムを1位にしたと思います。演奏は至ってシンプル。ピアノの弾き語り曲がメインで曲によってはたまにストリングスやエレクトリックなビートがあるのみですが、この声だけでも聴き応えがありました。「琴線に触れる」というか、「心を揺さぶられる」歌声というのはそう頻繁に出会えるわけではなく、僕自身も数年ぶりにそんな声に出会えた気がします。全曲好きですが、特に歌い出しの静かで囁くような歌声から徐々に熱を帯びていき、後半のサビで一気に感情の波が押し寄せるような「Skinny Love」(Bon Iverのカバー)をここでは推したいと思います。同様にデラックス盤にのみ収録された「Comforting Sounds」(MEWのカバー)における、全身全霊で訴えかけてくるような歌唱は、上半期に同様の表現で魅了してくれたAdeleを遥かに上回るものでした。
こちらのBirdy紹介記事もぜひどうぞ。
fav track:Skinny Love 他多数
11月度「Album of The Month」選出
Birdy「Skinny Love」をYoutubeで試聴




1ヶ月毎に選出していた「Album of The Month」がTOP3を占めました。また、下半期ベストトラックTOP10に選出した曲を収録したアルバムはやはりここでもほとんどがTOP10入り。第一印象でガツンとヤラれたアルバムと、キラートラックが収録されたアルバムは強いということですね。下半期の残りの「Album of The Month」選出作であるRuby Coast、Givers、Generationalsは上半期リリース作品だったのでここには入れませんでしたが、年間ベストではどうなるでしょうか。上半期ベストと下半期ベスト、そして下半期に聴いた上半期リリース作品を合わせて、これからじっくり聴き直して年間ベストを考えていきたいと思います。1月下旬か2月上旬に発表したいと思いますのでこちらもお楽しみに。









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