Grandaddy

Grandaddy、再結成

先ほど舞い込んできた嬉しいビッグ・ニュース。


Grandaddy、再結成!!

grandaddy
見よ、このもっさいルックス。



今年8月31日から9月2日までイングランドの北ドーセットで開催されるEnd Of The Roadフェスティバルに出演するとのこと。彼らはその他にも、いくつかのライブイベントに向けて準備を進めているそうです。


すごく個人的な話をすると、Grandaddyは僕がもしオールタイム・フェイバリット・バンドを5つ挙げろと言われたら、躊躇なくそこに加えるバンド。彼らは2000年、第一回目のサマソニに出演しましたが、それ以来一度も日本の地を踏むことなく2006年に解散。彼らが残した4枚のオリジナル・アルバムは、どれもローファイ・インディ・ロックの金字塔とも言える素晴らしい作品だと思うのです。ちなみにそのサマソニで、最前列でしきりに「ジェイソーン!」とコールを送っていたのは何を隠そうこのわたくしです。


Grandaddyについてよく知らない方のために。よく引き合いに出されるバンドはPavement、Modest Mouse、Built To Spill、The Flaming Lips辺りでしょうか。そう、いわゆる「ローファイ」ド真ん中のUSインディ・ロック。ただこれらのバンドと決定的に異なるのは、キーボードの風変りな音が前面に出ていること。さて、ここでミソなのが、「シンセサイザー」ではなく「キーボード」というところ。それもRolandやYAMAHAではなく、CASIOとか(カシオの関係者には大変失礼な話ではありますが、まあ、ちょっと子供向けのミニキーボードとかも製造してるということで笑)。プリセットされてる音をとりあえず出してみました、ループ機能付いてたんで、ピッチの合わせ方わからないけどループさせてみました、みたいな感じで、ちょっとチューニングが狂ってる感じの音がなんともファニー。そこにノイジーなギターとアコースティック・ギターがダブルで加わります。世間的にはローファイ・インディ・ロックの頂点はPavementと言われているけど、僕はGrandaddyだと思うのです。


しかし彼らのもう一つの魅力といえば、Jason Lytleのか細くちょっと情けない感じの脱力ボーカル。そしてそんな歌にのせて彼が紡ぎだす、SF風味だったり自虐的だったり、風刺と挫折感たっぷりのユニークな歌詞。これらが組み合わさることで、シルアスだけどどこかタガが外れていてファニー、ロマンティックだけど「だめんず」な彼ら独特の世界観が生まれます。


元々カリフォルニア州のモデストでプロスケーターを夢見ていたジェイソンが、足の怪我によりその夢を諦めざるを得なかったことがバンド結成のきっかけだったようで、「僕たちはパンク・バンドじゃないから」というユル~い理由でキーボーディストを加えたそうです。5年ほどは地元のコーヒーショップで演奏するなどうだつの上がらない日々を過ごしたのち、96年にPavementも所属するレーベルBig Catと契約。97年にデビューアルバム「Under The Western Freeway」をリリースすると、NMEはこのアルバムを「次代のもっとも洗練されたローファイ・ポップ・レコード」と称賛しました。


続く2000年のセカンド「The Sophtware Slump」では、いきなりオープニングから9分近い大作「He's Simple, He's Dumb, He's the Pilot」で、SF趣味が爆発。デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」で宇宙空間を永遠に漂流することになったトム少佐の後日談を描いたような刹那的な悲哀に満ちた歌詞と、プレグレの如くめまぐるしく転調する曲構成。その他の収録曲も、人間そっくりの万能ヒューマノイドが人の目を盗んで酒を飲み、やがて壊れてしまう「Jed The Humanoid」など、メッセージ性の高い歌詞が評判となりました。


2003年のサード「Sumday」は前作の反動からか、シンプルでアコースティック主体のサウンド。とにかく全編が珠玉のメロディに満ち溢れています。


そしてラスト作となる「Just Like the Fambly Cat」は、彼らが「バンドだけでは家族を養っていけない」とこれまたトホホな理由で解散を宣言した後に出されました。音楽的にはノイジーでファストなパンク・チューンからアコースティックなバラード、ドリーミーなインストなど、過去3作の総括的な内容。本編最終曲の後のシークレット・トラック「Shangri-La (Outro)」では、かつてないほど悲哀に満ちたメロディにのせ、「I'll never return to Shangri-La」と歌われることで、彼らがもう二度とGrandaddyとして活動するつもりがないという決意表明のように感じていたので、今回の再結成は嬉しいというだけでなくただただ驚くばかり。


では、各アルバムから1曲ずつ紹介します。

Grandaddy - AM 180 (from "Under the Western Freeway")



Grandaddy - He's Simple, He's Dumb, He's The Pilot (from "The Sophtware Slump")



Grandaddy - I'm On Standby (from "Sumday")



Grandaddy - Elevate Myself (from "Just Like the Fambly Cat")



これから初めてアルバムを聴いてみるっていう人には、どれをオススメするかはちょっと難しいところ。アルバムごとに微妙に雰囲気は異なりますが、どのアルバムもメロディセンスがとてもよく、ポップで聴きやすいです。まず1枚聴くのであれば、ローファイ度高めが好きなら1st、アート性が高い方が良ければ2nd、シンプルでアコースティック寄りが好みなら3rd。そのどれも味わいたい場合は4thがいいと思います。


最近のインディ・ロック・シーンは、YuckやCloud Nothings、Big Troublesなど、哀愁メロディを備えたローファイ・ポップが活況を帯びているので、これを機に彼らも再評価されるといいなと思います。彼らにとっての初来日、そして唯一の来日が00年のサマソニということで、今年のサマソニにも来てくれたりしないでしょうかね!?


最後におまけで、アルバム未収録の超・超名曲を。シンプルなアレンジと牧歌的なメロディ、ユルいミュージック・ビデオ、終盤の子供の合唱、すべてにトキメキます。

Grandaddy - Nature Anthem






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