00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2008年編)

僕が洋楽ロックを本格的に聴き始めてから初めてリアルタイムでフル体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」の名盤を1年ごとに振り返ります。しつこいようですが、各音楽メディアの評価とかは無視した、あくまで主観的な判断に基づいたセレクトになっております。

またもや前回から3ヶ月も空いてしまいました。第9回目となる今回のテーマは「2008年」です。2008年はどんな名盤があったんでしょうか。


2008年の名盤 Best11
viva-la-vida-coldplay


01 Coldplay - Viva La Vida Or Death of All Friends
02 Crystal Castles - Crystal Castles
03 The Ting Tings - We Started Nothing
04 The Mars Volta - Bedlum In Goliath
05 Adele - 19
06 Cut Copy - In Ghost Colours
07 Neon Neon - Stainless Style
08 CSS - Donkey
09 Beyonce - I Am...Sasha Fierce
10 Metronomy - Nights Out
11 MGMT - Oracular Spectacular



2008年当時記録していた私的年間ベストを元に、当時リアルタイムで聴いていなかったものも少し足して決定しました。2008年リリース作品のみを対象にしています。



2008年の年間1位は、Coldplayの4作目。「2008年に世界で最も売れたアルバム」という事実とか、iPodのCMとかを抜きに考えても、1位というのは揺らがないでしょう。

彼らは確かにそれ以前から好きなバンドだったし、過去3作とも持っていたけど、自分にとっては年間ベストの20位くらいに顔を出す程度でした。しかしブライアン・イーノをプロデューサーに迎えた本作で、メロディだけでなくアレンジや音の選び方のセンスも格段に磨かれたと思います。いかにもイーノらしいアンビエントなシンセ音を付加して、壮大でキラキラとしたウォール・オブ・サウンドを構築するとともに、「Lost!」や「Violet Hill」ではこれまでの彼らにはなかった躍動感溢れる重厚なビートが備わりました。

ジ・エッジ(U2)やケヴィン・シールズ(My Bloody Valentine)の音作りを参照したかのようなジョニー・バックランドのギターは光のシャワーの如く降り注ぎ、ときおりシューゲイザー風の音も奏でたりとかなり多彩に。愁いを帯びた陰のあるメロディーを持った従来路線の曲と、明るく高揚感のあるメロディーを持つ新機軸の曲がバランスよく配置。後者路線の中では、言わずと知れた大ヒット曲「Viva La Vida」、そして「Lovers In Japan」が特に白眉。1曲目からラストまでひとつの流れが完成された、美しいコンセプト・アルバムだと思います。自分はアルバムを1つのまとまった作品として通して聴くことが多いので、こういった流れが美しいアルバムが大好きなのです。

アルバム中には2曲が一つのトラックにまとめられている曲が2つあるけど、それらの後半部分の曲「Reign of Love」「Chinese Sleep Chant」が単なるインタールードではなく、ともにアルバム中でも上位に位置するほど美しい出来なのも素晴らしいと思います。

”Lovers In Japan / Reign Of Love" by Coldplay




4位のThe Mars Voltaは、曲もコンパクトで全編ハイエナジーで、彼らの作品の中でも最も聴きやすいと思います。この当時のバカテクドラマー、トーマス・プリジェンが大好きだったんだけど、この後脱退してしまい残念…。彼の千手観音ドラムプレイは以下の動画でお確かめください。

"Wax Simulacra" by The Mars Volta




前年にパッタリとエレクトロ熱が冷め、クラブもほとんど行かなくなり、エレポップ/シンセポップが熱くなり始めたのがこの頃。世の中的にも特大アンセムであるMGMT「Kids」、Metronomyなどの他、Cut Copy、Van She、LadyhawkeなどのModular勢、そしてAnoraakやCollegeのようなValerie系など、そういう80'sな音が流行りだしたので、まあ自分も流行に乗っかったといえば乗っかったのですが、元々の自分のルーツがTMネットワークだったりPet Shop Boysだったり、きらびやかなシンセ・ポップだっただけに、エレクトロのバッキバキなビートとブーティーなベースよりもこっちの方が肌に合っていました。中でもCut Copyはボーカルのヒヨリ具合が好きです。

※余談ですが、エレクトロ熱が冷めてシンセポップに傾倒するきっかけとなったのが、前年にリリースされたThe Teenagersの「Starlett Johansson」。この曲は2007年のベストトラックのTOP3に入るくらい好きでしたが、この曲を収録した2008年のアルバム「Reality Check」は残念ながら年間ベストには入らず。

"So Haunted" by Cut Copy




Super Furry Animalsはあまり詳しくないけど、これはハマりました。SFAのグリフがこんなシンセポップユニットをやるなんて意外。間もなくセカンドも出るらしいので楽しみ。

"Belfast" By Neon Neon




このTOP11の並びの中でもちょっと異色なのはBeyonceでしょうか。ダンス寄りとバラード寄りというコンセプトの2枚組ですが、ダンス盤の方はとにかくトラックがかっこいい。「Single Ladies (Put A Ring On It)」のアヴァンギャルドなビート、ヴァース部分のファニーなSE、サビでのレイヴィーなシンセは誰にも真似できない個性的なものですが、歌がそれに負けていないのがすごいです。ミュージックビデオでのダンスも併せ、視覚的にも楽しめます(この"手をクルクルと裏返す"動き、みんなマネしたことありますよね?)。バラード盤の方は哀愁を帯びたメロディーに乗る、時に優しく、時に力強い歌声が素晴らしいです。あのCEO(自分にとっては2010年の年間ベストアルバム1位を獲得した)もカバーした「Halo」の他、「Smash Into You」 、「Ave Maria」などが特に秀逸。

"Single Ladies (Put A Ring On It)" by Beyonce




この年から自分の趣味が以前よりインディー寄りになった気がします。SNOOZERやWonderkind、Hard To Explainなどインディーメディアを中心に情報を得るようになったのもこの頃からでした。そんな中でも、インディーメディアの多くがColdplayの「Viva La Vida~」に対してアンチだったりスルーしたりという姿勢をみせることに強い違和感を感じていました。それって、いわゆる「インディ・スノッブ」というやつで、「売れてないものを評価するけど、売れたら叩く」というのは、音楽の本質的なものを見ていない気がしたのです。あれほど大衆性と実験性が両立できているアルバムはこの10年間でほとんどないとさえ思うのに。世間がどう評価しようが、自分がいいと思ったらいい。音楽というのは100%聴き手の感性で楽しむものなので、「これを好きでいることがクール」「これを好きでいるのはダサい」みたいな感情で聴くものではないと思うのです。

そんなわけで、次は最終回の「2009年」。インディー色がイッキに高まります。お楽しみに。


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