フリートーク

2000年代以降のメインストリームポップス名盤10選

justin_timberlake

「インディーロック」と「メインストリームポップス」の違い。

何となくはわかるものの、言葉で説明するのは非常に難しいですね。定義について考えだすと収拾がつかないのでここでは議論しませんが、漠然としたイメージで捉えて読んでいただければと思います。

インターネットを介して、よりマイナーなアーティストがメディアやブロガーによってピックアップされる機会が増えたことによって、「インディーロック」(以下、インディーと呼びます)はますます活況を帯びてきました(飽和状態という意見も聞かれますが、個人的にはそうは思いません)。では「メインストリームポップス」(以下、メインストリームと呼びます)はどうか?商業主義的・大量消費的で、リスナーに媚びたような保守的な音楽ばかりなのでしょうか?

その答えはノーです。個人的にはメインストリームもインディーに負けず劣らず、クリエイティブで刺激的な音楽に溢れていると思います。とりわけ2000年代以降はメインストリームとインディーが互いに距離を取りながらもクロスオーバーしていくことで、斬新で面白い音楽がたくさん生まれています。なので、インディーとメインストリームを分け隔てなく聴くことは両シーンの未来のトレンドを少しだけ垣間見ることができ、非常に刺激的だと思うのです。

当ブログは最近少しインディー系のアーティストに寄りぎみでしたが、今回はインディー好きな人こそ楽しめるような、先鋭性と大衆性を併せ持ったメインストリームの名盤を紹介していきます。


まずはじめに。 「2000年代以降にリリースされたアルバム」に絞ります。選定基準は、ポップミュージックの基本として「いいメロディ」がアルバム全体に詰まっているのはもちろんのこと、ビートや音使いの感覚が先鋭的であること。ただしKanye Westはインディーファンの中でも既に人気が高いので省きました。全10枚、順不同です。




#1 Justin Timberlake / FutureSex/LoveSounds (2006)
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元イン・シンクの~という説明はもはや不必要でしょうか。彼自身もプロデューサーを務めているものの、ティンバランドをはじめウィル・アイ・アム、リック・ルービンといった著名プロデューサー陣の功績も大きく、パーカッシブな四つ打ちビート、スカスカでありながらファンキーでレトロフューチャーなエレクトロ・サウンドは、当時のメインストリームの中では異質すぎて関係者プレミア発表会でも物議を醸したらしいです。今となってはメインストリームの主流となった「大仰なシンセと四つ打ちハウスビート」のトレンドはここを起点にしていると言っても差支えないのでは。「ピッチフォークの読者が選ぶ1996年から2011年までのベスト・アルバム」にて114位をマークしたというのも、そんなサウンドの先鋭性が評価されてのことなのだと思います。

Justin Timberlake - "Futuresex/Lovesounds"

Princeばりのファンクネスと80'sなムード。最近ではKINDNESSやMetronomy、Ford & Lopatinがやっているようなホワイト・ファンクに通じるものがあると思います。

この曲もオススメ→"Sexy Ladies"
ねっとりファンク。
この曲もオススメ→"My Love"
このビデオのジャスティンのダンス、めちゃくちゃカッコいいです。



#2 Rihanna / Good Girl Gone Bad (2007)
Rihanna-Good_Girl_Gone_Bad

今年のサマソニにもヘッドライナーとして出演していたし、The xxの曲をサンプリングしたりとロックファンにもお馴染み。本作収録の「Umbrella」が名曲なのは周知の事実なので今さら紹介はしないとして、その他の曲もクオリティがハンパないです。全編にわたってメロディへのこだわりが感じられる、捨て曲なしの名盤。

Rihanna - "Shut Up And Drive"

ディストーションギターがカッコいいです。

この曲もオススメ→"Don't Stop The Music"
マイケル・ジャクソン「Wanna Be Startin' Somethin'」でも有名なマヌ・ディバンゴの「Soul Makossa」をサンプリング。また、Jamie Cullumもこの曲をジャジーにカバーしています。
この曲もオススメ→"Good Girl Gone Bad"
ギターがほどよい哀愁感を醸し出しています。



#3 Gwen Stefani / Love. Angel. Music. Baby. (2004)
Gwen_Stefani

No Doubtの紅一点ボーカリストによるソロということでロックファンにも馴染み深いと思います。打ち込み主体ながらもロックマインドに溢れた尖ったサウンドで、曲調もバラエティに富んでいます。

Gwen Stefani - "Cool"

シンディ・ローパーを思わせる、80's風ポップ。メロディ最高です。

この曲もオススメ→"Bubble Pop Electric (ft. Johnny Vulture)"
当時インディーでもプチブームだったエレクトロクラッシュ!パンキッシュでカッコいい。
この曲もオススメ→"Crash"
これなんかもモロにエレクラ。



#4 Adam Lambert / For Your Entertainment
Adam Lambert For Your Entertainment

観たことがない人にとっては、アメリカの人気番組「アメリカン・アイドル」はただのアイドルオーディション番組に思えるかもしれないですが、とにかくこの番組は上位10名ほどに絞られる頃になると歌やパフォーマンスのクオリティが高すぎ。いわゆる日本的な「アイドル」という視点で観ると完全にノックアウトされるし、「アメリカってすげえな…」「さすがエンターテインメントとパフォーマンスアートの国だな…」と圧倒されます。で、彼はシーズン8のファイナルで惜しくも準優勝でありながら、この番組出身としてはシーズン1のケリー・クラークソン以来のワールドワイドな成功を収めたシンガー。圧倒的な歌唱力と表現力と個性の持ち主で、クイーンの新ボーカルとしてメンバーからお声がかかるほど。サマソニ2012にも出演済み。ダンス寄りなセカンド作よりもロック度の高い本作(ファースト)がオススメ。

Adam Lambert - "Soaked"

この大仰な感じ、まさにMuseみたい!それもそのハズでこの曲はマシュー・ベラミーが楽曲を提供。

この曲もオススメ→"Pick U Up"
Aメロとか特に、ちょっと一瞬The All-American Rejectsかと思ってしまうんですが、実はWeezerのリヴァース・クオモが楽曲提供した曲。
この曲もオススメ→"Broken Open"
Tears For Fearsとか80'sエレポップバラード好きな人に。



#5 Katy Perry / One of The Boys (2008)
Katy Perry One of The Boys

今をときめくケイティ・ペリーのファースト。特に斬新なことはしていないですが、全編がメロディアスなロックサウンドなのでとても聴きやすいです。

Katy Perry - "Self Inflicted"

とにかくいい曲。

この曲もオススメ→"One of The Boys"
優しい歌声とパワフルな歌声を使い分けていて、サビに向かってエモく高揚していく感じがたまらないです。
この曲もオススメ→"Waking Up In Vegas"
ラスヴェガスを舞台にしたミュージックビデオも含め、華やかさが感じられて大好きな曲。



#6 Christina Aguilera / Back To Basics (2006)
backtobasics

古き良きソウルやファンクへ憧憬をストレートに音に反映させ、ソウルスタンダードのサンプリングも多様したヒップホップ・マナーの2枚組アルバム。エイミー・ワインハウス好きな人にもオススメ。

Christina Aguilera - "Ain't No Other Man"

Moon Peopleの「Happy Skippy Moon Strut」というソウルナンバーのホーンセクションをサンプリング。

この曲もオススメ→"Hurt"
サーカスをテーマにしたミュージックビデオ(最高!)がせつない泣きのバラード。
この曲もオススメ→"Back In The Day"
ファンキーなヒップホップでめちゃくちゃカッコいいです。



#7 Beyoncé / I Am... Sasha Fierce(2008)
beyonce

「ダンス」と「バラード」に分かれた2枚組。「ダンス」はどの曲もトラックが先鋭的なビートでカッコよく、「バラード」の方は全曲とてもメロディアス。

Beyoncé - "Single Ladies (Put A Ring On It)"

ビヨンセの声、独特のビート、「ポワッ↑ポワッ↑」みたいなヘンテコ効果音以外はぶっといレイヴィーなシンセのみという、シンプルながら誰にも真似できなそうなクレイジーな曲。歌唱力、ダンス含め最強です。

この曲もオススメ→"Radio"
トランス風なシンセ音がカッコいいです。
この曲もオススメ→"Halo"
バラード盤の方から1曲。スウェーデンのインディーエレクトロ(The Tough Allianceのエリックによるソロ)ユニット、ceoもこの曲をカバーしています。



#8 Selena Gomez & The Scene / When The Sun Goes Down (2011)
Selena-Gomez-When-The-Sun-Goes-Down
ディズニーアイドルによる、バックバンド「The Scene」付き名義となるアルバム。ダンサブルなトラック主体ですが、バンドの功績によってか全曲メロディがよく練られていて、どの曲もシングルカット可能なほどにクオリティが高いです。

Selena Gomez & The Scene - "My Dilemma"

メロディというかコード進行がとにかく素晴らしい、の一言。

この曲もオススメ→"Love You Like A Love Song"
歌謡曲みたいな哀愁メロディ。
この曲もオススメ→"Whiplash"
ブリブリのシンセがカッコいいエレクトリック・ブギー。※このYouTube音源はやたらとリヴァーブかけられてますがご容赦ください



#9 The Black Eyed Peas / Monkey Business (2005)
The Black Eyed Peas Monkey Business

全世界で1000万枚売れた大ヒット作。いわゆる「ヒップホップ」の枠を大きく飛び越え、この後のエレクトロ色を強める前のミクスチャーアルバム。

The Black Eyed Peas - "Pump It"

「パルプ・フィクション」でもお馴染みとなったDick Daleのサーフ名曲「Misirlou」をサンプリング。スカスカなビートも○。

この曲もオススメ→"Gone Going (ft. Jack Johnson)"
ジャック・ジョンソンがギターで参加したメロディアスなヒップホップナンバー。
この曲もオススメ→"Like That(ft. Q-Tip, Talib Kweli, Cee-Lo and John Legend)"
豪華な客演陣から予想される通り、クールでジャジーなオーガニック・ヒップホップ。



#10 Alicia Keys / The Element of Freedom (2009)
aliciakeys
サマソニ'08にも出演し、東京会場ではヘッドライナーのColdplayとも共演。とりわけ本作はR&Bというよりもロックやエレクトリックな要素が強く、80'sなシンセの音が逆に新鮮。

Alicia Keys - "Try Sleeping With A Broken Heart"

ノスタルジックなシンセの音、ゆったりしたビート、泣きのメロディ、抑制されたウィスパーボーカル。他に言うことありません。

この曲もオススメ→"Wait Til You See My Smile"
こちらもノスタルジックなシンセ。そしてピアノの旋律、サビのコーラスが美しいです。
この曲もオススメ→"Empire State Of Mind (Part II)"
JAY-Zと共演した曲の、アリシアのソロバージョン。シンプルなアレンジのこちらの方がメロディの良さが何倍も引き立ってますね。ライブバージョンでどうぞ。




諸事情により選外としましたがこんな盤もオススメ。
Outkast / Speakerbox/The Love Below (2003)
Outkast


Maroon 5 / Songs About Jane (2002)

maroon5



最後に、まだデビューアルバムが出ていないものの、大いに期待したいアーティストを2組。

Phillip Phillips - "Home"

「アメリカン・アイドル シーズン11」の優勝者。Coldplay、Bruce Springsteenを思わせるフォーキーなサウンドと男臭いボーカルで、「番組初のインディー系優勝者」と言われています。デビューシングルとなったこの曲がとにかく壮大で、超絶メロディアス。アルバムが出たら全米大ヒット間違いなしです。今のうちにチェックを。


Karmin - "Brokenhearted"

The Ting Tingsを思いっきりメインストリーム寄りにしたような(?)男女デュオ。YouTubeにアップされたカバー曲のパフォーマンスは2億回(!)の再生回数を記録。どキャッチーなメロディは一度聴いたら病みつきになります。




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