初聴きディスクレポート

初聴きディスクレポート Vol.50(2013年8月)

2013年8月に初聴きした音源の感想まとめです。早いものでもう50回目です。今月は新譜はほとんど買ってなくて、先月同様ここ2、3ヶ月の間にレンタルしたまま未聴だった旧譜を聴いていました。

<★の解説>----------------------
★★★★★ 年間ベストアルバム20位以内クラス*
★★★★☆ すばらしい
★★★☆☆ 標準レベルの良作
★★☆☆☆ 若干気になる部分あり・もっと聴きこみ必要
★☆☆☆☆ 期待ハズレ
☆☆☆☆☆ 全然ダメでした

*今年リリース作ではない場合、旧譜のみから選ぶ年間ベストアルバムの20位以内クラス
----------------------------

では8月の「Album of The Month」から。先月のThe Cureに続き、8月も80年代の名盤となりました。


■■■■■Album of The Month■■■■■
New Order / Low-Life (1985)
★★★★★
New_Order-Low_Life.jpg

今回ようやくニュー・オーダーの全オリジナル・アルバムをコンプリートしたわけだけど、間違いなく本作は彼らの最高傑作と呼べると思う。以前から好きだったシングル曲「The Perfect Kiss」「Sub-culture」が収録されていることも大きな要因であるものの、本作の魅力はこの2曲だけではない。非シングルでありながらファンの間でも非常に人気の高い「Love Vigilantes」は彼らのポップセンスやソングライティング力の高さが如何なく発揮されているし、中盤のアップテンポなハンマービート・ナンバー「Sunrise」、そして次に続くインスト「Elegia」に至るまで名曲揃い。この「Elegia」は曲調的にも、アルバムの中での位置としてもPhoenixの「Love Like A Sunset PartⅠ」や「Bankrupt!」にとても近い役割を担っていると思う。ソングライティング、各曲のバリエーション、そして曲順に至るまで、トータル的に完成度の高いことも本作が名盤と呼ばれる所以だろう。

New Order - "Love Vigilantes"




SIMI LAB / Page1:Anatomy of Insane (2011)
★★★★★


2012年のフリードミューンで何の予備知識もないままに彼らのライブを観て衝撃を受けて以来、ずっと聴きたかったアルバム。彼らは僕が抱いていた日本語のラップに対するイメージを180度変えてくれたグループであり、本作はそんな期待していた通りの秀逸ライム&フローに満ち溢れている。くぐもったイビツなビートと、モタり感のあるドープなラップ、音数は最小限に留めつつフリーキーなエレメントが散りばめられたトラックが非常にクール。紅一点MCのMariaはラップもキレキレな上に「Brave New World」で見せるようなしっとりした歌い回しも表現豊かで、楽曲に華を添えている。

SIMI LAB - "Show Off"




Selena Gomez / Stars Dance (2013)
★★★★☆


The Sceneを従えた名義だった前作「When The Sun Goes Down」は全曲シングルカット可能なほどに捨て曲なしの名盤だった。単独名義となった本作では、よりビートに重きを置いた最新系EDMナンバーが中心。トライバルな先行トラック「Come & Get It」からしてすでに期待値を爆上げしてくれたけど、その他にもRock Mafiaがプロデューサーを務めダブステップ風ビートや高速ハイハットを取り入れた「Stars Dance」、Far East Movement「Like A G6」でお馴染みのThe Cataracsがプロデュースした「Slow Down」など、恐ろしいまでにハイクオリティなダンス・トラックが詰まっている。



New Order / Brotherhood (1986)
★★★★☆


名曲「Bizarre Love Triangle」収録。ピーター・フックのベースが一般的なベース・ラインをなぞらないことは知っているけど、それにしてもベースの音がほとんど聞こえないような…?そのためか全体的に音が軽く、コード感もぼやけてしまっているように感じた。とはいえ本作はそれをカバーするほどに良曲揃い。



New Order / Movement (1981)
★★★★☆


今まで、なぜイアン・カーティスを失ったジョイ・ディヴィジョンが「Blue Monday」みたいな音楽を突然やるようになったのか?というのが腑に落ちていなかったけど、本作を聴いてようやく点と点が線になった気がする。歌っているのはフッキーやバーニーながら、このアルバムで鳴っているサウンドはまさにジョイ・ディヴィジョン、そして「Love Will Tear Us Apart」のその先にあるサウンドだと思う。以前本作について「ジョイ・ディヴィジョンのラストアルバムでもニュー・オーダーのファーストアルバムでもない」と評されているのを読んだことがあるせいで勝手に「黒歴史的な作品」という認識でいたのだけど、何とも大きな勘違いだったらしい。



Nick Drake / Pink Moon (1972)
★★★★☆


実は今回初めてちゃんと聴くニック・ドレイク。なるほどPredawn(後述)と併せて聴くことで、なぜ彼女が「ニック・ドレイクを彷彿させる」と言われるのかがよくわかる。アコースティック・ギターの爪弾き(と、ほんの少しのピアノ)によるシンプルな演奏と、メランコリックで抑制の効いたメロディー、そして言葉の一つ一つを丁寧につぶやくような歌声が、ときにリズミカルに、ときにぼんやりした輪郭のままで歌われている。ジョニ・ミッチェルと同様に、憂いもありながらとても温かみを感じさせる歌声だと思う。



Mumford & Sons / Sigh No More (2009)
★★★☆☆


フジロックのライブがとても良かったので、「Babel」に続き後追いの形でファーストへ。「Babel」と違って本作はもっと地味なのではというイメージを勝手に抱いていたけど、カントリーやフォークをいい意味で大衆的なものに昇華させ、スタジアムがよく似合うスケール感でそれを鳴らしている点は本作の頃から変わっていないのだなと実感。



Predawn / A Golden Wheel (2013)
★★★☆☆


メロディーやコードから、彼女の素養の豊かさが感じられる。全体的にはポップだけど決して王道のメロディーではなくて、60年代のジャズやソウルからの影響も自然に滲み出たフォークとでも言えるだろうか。歌声は本当に素晴らしく、穏やかな朝に紅茶でも飲みながら聴いたらピッタリだと思う。ただ、アルバム通してのメリハリはあまりなく淡々としているのでもう少し抑揚があればもっとよかった。あとシークレットトラックとして唯一の日本語詞の曲があるけど、やはり言葉の響きが他と違うことで全体の統一感が失われてしまったのが惜しい。この曲は蛇足だったように思う。



Gabrielle Aplin / English Rain (2013)
★★☆☆☆


とても期待していたデビュー・アルバム。憂いを帯びた美しい歌声は素晴らしいし、各曲のメロディーもいい。ただ、この歌声や感情が最もよく引き立つのはやはりシンプルな弾き語りであり、いくつかの曲で見られる過剰なプロダクションは気に入らなかった。これはすごくもったいないなあと思う。



2 Live Crew / 2 Live Crew's Greatest Hits (1996)
★★☆☆☆


突然マイアミ・ベースが聴きたくなったので(マイアミ・ベースは中学生の時、兄に聴かされてた)。英語がよくわからなくてもエロいことばかり歌ってるんだなとわかる「F●ck」「S●ck my d●ck」「B●●ch」みたいなフレーズだらけで、さすがアルバムが猥褻物として規制されただけのことはある。M.I.A.のサンプリング元ネタっぽい曲もあった。ただ最近のゲットー・ベースの類と比べてしまうと、いくらマイアミ・ベースがスカスカでチープなのを売りにしているとはいえ、どうしても物足りなさを感じてしまった。



The Killers / Sawdust (2007)
★★☆☆☆


B面・レアトラック集で、実は以前にも借りたものの1回しか聴かないうちにデータ消失していたためにほとんどの曲は記憶になかった。アルバムに収められなかったのが不思議なほどの良曲がある一方でいかにもB面という趣の曲もあるけど、それらの多くはカントリー調だったりブルージーなロックだったりと、彼らの音楽的ルーツを知る上では非常に重要な楽曲だと思う。



きのこ帝国 / eureka (2013)
★☆☆☆☆


どうもこの歌詞(「あいつをどうやって殺してやろうか」みたいな)がこのサウンドに乗ると中二病的な要素が増してうすら寒くなる。言葉に重みがなくなり、嘘っぽく感じられてしまう。先月も「渦になる」の感想で書いたけど、このバンドの結論としてはクガツハズカム(Vo.佐藤のソロ名義)の方が断然いいということ。彼女は曲によっていろいろな声を使い分けるけど、囁き系の声の方が個人的には歌詞に合っていると思う。
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