フリートーク

[コラム]最近、過去作コンプリートが楽しい

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然ですが、僕はこれまで結構なベスト盤っ子でした。

あるアーティストをこれから聴き始める時にベスト盤から入ることについては、賛否ハッキリわかれますよね。否定派は主に、「シングルをリリース順に並べただけみたいなベスト盤だと、アルバムごとのコンセプトや、アーティストが重視した曲の流れの意図が伝わらない」とか「コマーシャルなシングル曲ではなく、アルバム内の曲こそがそのアーティストの本質」など。肯定派は「アーティストの作風は常に変化するものなのだから、まずは全体の歴史を俯瞰し、その中から自分に合った作品を掘り下げればいい」などで、これはベスト盤をきっかけにオリジナルアルバムを掘り進めていくことを前提とした意見ですね。

個人的な話をすると、自分は現在進行形で活動しているアーティストであればオリジナルアルバムを追うけど、既に解散していたり、たくさんのアルバムをリリースしているアーティストはほとんどベスト盤で済ませていました。学生時代からずっと。

本当はそこから、好きな曲が入っているオリジナルアルバムに手を伸ばしたかったんですけど。そんなお金はないし、何より他にも聴きたいものがたくさんあるし。特にハタチくらいの頃は、「時代や国によらず何でも広く知りたい」という欲が強かったんですね。アバ、ビートルズ、アストラッド・ジルベルト、ボブ・マーリィ、ブロンディ、ビースティ・ボーイズ、コニ―・フランシス、クランベリーズ、エンヤ、エルヴィス・コステロ、ファウンデーションズ、ジャニス・ジョプリン、ジェーン・バーキン、シャングリラズ、スティーヴィー・ワンダー、ハッピー・マンデーズ、マドンナ、マリリン・モンロー、ミッシェル・ポルナレフ、マリアンヌ・フェイスフル、クイーン、レイ・チャールズ…キリがないのでこの辺にしときますが、これらは皆ベスト盤から聴き始めて、しばらくそこで止まってたアーティスト(今もそこで止まっているのも含む)です。

なぜ、そこからオリジナルアルバムに行かなかったのか?という理由は、単純に金銭や物量的な問題だけではありませんでした。自分の中では「ベスト盤=そのアーティストの中で最高の楽曲を集めたもの」という、ベスト盤神話みたいなものがあったんです。ベスト盤を気に入ったアーティストであるほど、オリジナルアルバムに手が出ませんでした。こんなに今自分の中で評価が高いのに、わざわざ他のアルバムの、ちょっと駄曲っぽいのも聴いて評価を下げることはないじゃないかと。純潔を守りたい、みたいな心理でした。

それがここ1、2年で変わってきました。きっかけはザ・スミスのリマスターBOXだったかな?これは安かったしリマスターだったし、何よりどのアルバムも現在の音楽(とりわけインディー・ロック)に多大な影響を及ぼしていると思ったから。あと、Twitterで自分より若い人たちが、僕がベスト盤しか聴いたことのないアーティストのアルバムを全部持ってたりしたことに刺激されたっていうのもあります。対抗意識じゃないですけど、代表曲を十数曲知っているだけでそのアーティストを好きとか言ってるのが気恥ずかしくなってきたというか。そのアーティストの歴史における、各アルバムの意味とか役割とか時代背景との関連性なんかを考え始めたら、やっぱりヒット曲、代表曲を網羅しただけでは、アーティストの本質って何も見えてこないんだなあと実感したから。

▼The Smiths - Complete [Box Set]


そんな反省もあって、最近ではそんな「ベスト盤しか聴いたことなかったアーティスト」の全作品コンプリートを目指して少しずつオリジナルアルバムを聴いていってます。一枚聴いていくたびにいろいろな発見があったり、同じ時代の別のアーティストに興味が湧いたりして、それがものすごく楽しいです。ちなみに「イッキ聴きをしない」というのがマイルール。「イッキ聴き」とは、オリジナルアルバムを全部一度に借りて(買って)イッキに聴くことですが、これをやると消化不良に陥って代表的な曲しか頭に残らない。そして結局、これらの曲を聴くにはベスト盤が手っ取り早いね、とベスト盤に逆戻りしてしまうんです。

なので少しずつ。一枚のアルバムをしっかり消化できたら次へ、みたいに聴いてます。今のところ、コクトー・ツインズ、ピクシーズ、キュアー、パルプが進行中。あとニュー・オーダーは「Movement」「Low-Life」「Brotherhood」以外は数年前から揃っていたけど、この残り3枚を先月聴いてようやくコンプリートしたばかり。

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時代順に追うのが理想な気もするけど、なかなかその通りに入手できないので順番はバラバラ。でも、常にそのアーティストのヒストリーは頭に入れて「これは黄金期の作品」「これはメンバーが現在と違う初期の…」「これは一度解散する直前の…」「これはメンバーが亡くなった後の…」「これはメンバーがドラッグに侵されていた時期の…」など、その作品を作り出した背景や、バンドを取り巻く状況を念頭に置いて聴くようにしています。それによって作品を聴くのがもっと楽しくなるし、幸いにも今はそういう情報が簡単に手に入れられる時代だから(英語版ウィキペディアは本当によく閲覧します)。

お陰で、「何で今までこれを聴いてこなかったんだ!」って思うこともしばしば。あと、やっぱりどの時代の音楽も確実に現代の音楽とリンクしてるなーっていう発見があります。
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