ライブレポート

ライブレポート:Serph@恵比寿LIQUIDROOM

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2014年1月11日に恵比寿LIQUIDROOMにて行われたSerph 1st concert "Candyman Imaginarium"に行ってきました。

Serphにとって初のライブということで、これまでは主に動物をモチーフにしたイラストをアーティスト写真に用いるなど極めて匿名性の高かった彼が、どのようなライブ・パフォーマンスを行うかというのはとても興味深いものでした。

そもそもエレクトロニカ的なサウンド・プロデューサーではあるものの、彼の奏でる音はピアノやトランペット、ピッツィカート奏法によるストリングス、そしてジャジィなドラムといった「生楽器」的な音色と電子音による融合が特徴。なので、ライブではどのような編成になるのか?もしや吹奏・管弦楽器隊を配した大所帯なものになるのでは?と淡い期待を寄せたりもしてました。


Serph - "session"



そんな世界初お披露目となる彼の貴重なライブを一目見ようとたくさんのオーディエンスが集まりこの日のライブはソールドアウト。注目と期待の高さが伺えます。

Serphの音楽はいわゆるエレクトロニック・ミュージックではあるけど、複雑なリズムを持つ曲が多いのでガンガン踊るタイプではないなと思い、この日は後方のカウンター席に座ってじっくり観ることに。開演前のステージには緞帳が下りていて、どんなステージになるのか予想もつかない。やがて音楽が鳴り始め徐々に緞帳が左右に広がっていくと、ステージには白く光る大きな箱が。そしてその両脇には樹齢ありそうな樹木が生い茂り、Serphがこれまでも打ち出してきた「おとぎの国」「ファンタジー」といった趣が反映された光景が広がっていました。

箱と樹木を眺めたまま1曲目が終わった時には、「これはオープニングのSE?これからSerphが登場するんだよね?」みたいな微妙な空気となり、誰も拍手しないまま2曲目に突入。相変わらずステージ上には白く光る箱と樹木があるのみで、人のいる気配なし…。

そのまま3曲目が始まると、(他の人はどう思ったか知らないけど)僕は「えっもしかしてSerphのライブってこのまま姿現さずに音流してるだけ?これは金返せだろ…」などと考えるように。

4、5曲目くらいで、ようやく白い箱の中に人影が。光の当たり方によって今まで見えてなかったんだけど、次第にはっきりと見え始めたその姿はとても奇異なものでした。ボサボサで白髪のようなたてがみ、口の部分が光るガスマスク、そしてマントを身にまとった姿で、派手に動いたり煽ったりすることなく、卓上に置かれたPCやサンプラー類を淡々とユラユラしながら操るプレイスタイル。

しばらくすると箱の中に、Serphと同じようにガスマスクを付けた女性ダンサーが現れ、モダンバレエ風の踊りを披露。四角い箱にはそれぞれの画面に映像が投影されて、手前の面と奥の面を使うことにより立体的なビジュアル・インスタレーションを展開していました。手前と奥で映像を分けることで立体感を生みだし、その2つの映像の間にアーティストが入っているというのはFlying Lotusが最近のショウで取り入れているものと同じような感じ。


Flying Lotus - "New Song" + "Nosestalgia" (Live)



立体感のある映像と立体感のある音楽、妖艶なダンサー、生い茂る樹木。ひたすら非現実的な空間で、(最初の方こそオイオイと思ったものの)いつの間にかおとぎの世界にトリップしてしまったかのような感覚を味わうことができました。今回のライブに名付けられた公演名は「Candyman Imaginarium」だったけど、Candymanってアメリカのホラー映画のタイトルにもなってるようにグロさだとかダークなイメージがありつつ、日本人にとってはキャンディっていう言葉の響きからカラフルで甘いポップな感じがありますよね。そして「Imaginarium」とは「空想の世界が実在すると思えるような現実離れした場所」という意味。Serphの持つイメージにピッタリのこのタイトルで、イメージにピッタリのショウをするという辺り、Serphとはかなり綿密にコンセプト化されたプロジェクトなんだなとあらためて気付かされました。


Serph - "Feather"

※朝の情報番組「とくダネ!」のお天気コーナーでこの曲を耳にしたことある人も多いのでは


緞帳が閉じるとともにライブは終了するも、そのまましばらくは終了のアナウンスがなかったこともあって、アンコール的なものがサプライズであるのでは?と期待させられたけど残念ながら結局ナシ。当然セットリストの配布などもなく、ライブ中のMCも一切なかったものの、逆にライブを行ってもなおミステリアスなイメージを貫き通したことを賞賛したい。アーティストのミステリアスなキャラが壊れると幻滅してしまうことが多いので・・・。次はいつライブを披露するのかわからないけど、TAICOCLUBとかフジロックなど幻想的な深夜の野外ステージにもピッタリなのでは。今後のライブ活動に期待したいです。



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