フリートーク

かつて音楽を通じて親しくなった旧友たちにアンケートとってみた結果

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【はじめに】
最近感じたあんなこと、こんなこと。


■Arcade FireやLordeらが最高のパフォーマンスを見せてくれた今年のフジロック。しかし知り合いから「今年のフジロックは誰がトリなの?」などと訊かれ、「Arcade Fireと…」と答えても「知らないな~」なんて答えが返ってくるわけです。

少なくとも僕がTwitterでフォローしている人たちの間では、好き嫌いはあるにしても多くの人がArcade Fireを知っているし、むしろ熱狂的なまでに好きな人をたくさん目にしているわけで。でもそれは、世間一般的な音楽ファン(以下本稿における「音楽」とは、僕が普段聴いているようないわゆる「ポップス/ロック系の音楽」という狭義のものとして捉えて下さい)の中でもほんのひと握りに過ぎず、まだまだマイノリティなのだなとあらためて気付かされました。



■THE BIG PARADE 2014という、トークセッションとライブ一体型のイベントに先日行ったときのこと。「デジタルネイティブ世代における音楽メディアの役割」というテーマのトークセッションがあり、WIRED編集長の若林氏が「10代とか20代前半で音楽好きだった人たちも、年を重ねるといろんな事情で脱落していきますよね。思うにまず就職を機に半分に減り、そのあと結婚でまた…」みたいな話がありました(これ自体は本筋から外れた話題でしたが)。

「脱落」というととても聞こえが悪いけど、実際に自分の周りでは、かつてバンドをやったりCDを貸し借りしていた友人たちが次々と音楽から遠ざかって久しいのが現実です。



■U2の新作がiTunesユーザーに無料で届けられましたね。僕はU2は特に好きというわけではないのですが、そりゃーあのU2ですしもちろん聴きました。しかしそんな中、国内・海外を問わずネット上では「U2って誰だよ」「勝手に入ってて気持ち悪い」「ライブラリから消せない…ウィルスか!?」みたいな騒ぎになったようで。これもさっきのArcade Fire同様、僕の見ているTwitterのタイムライン上、いやポップス/ロック系好きな人の中では超大物バンドなわけで、世界はまだまだ広いのだなあと当たり前のことを痛感しました。




【かつて音楽を通じて親しくなった旧友たちは、最近の音楽をどれくらい聴いているのか?】

いきなりパーソナルな話で恐縮ですが、僕は学生の頃から本当に音楽以外の趣味がなくて。音楽に興味がない人とは何話していいかわからなかったので、今でも親しい友人はほぼ全員と言っていいほど音楽好き(過去形含む)なんです。そしてそんな友人たちも就職、結婚、子供の誕生などを経て、どんどん音楽から離れていくんですよ。でも僕は就職して結婚した後も相変わらず、昔と同じくらいの熱量で音楽を聴いていて。それって世間一般的にみたらごく少数派なんですよね。Twitterのフォロワーさんの中には僕と同世代(30代半ば)や40代でも同じように熱心な音楽ファンはたくさんいるので、Twitterばかり見ているとついつい感覚が麻痺しがちなのですが、やっぱりかつて音楽を通じて親しくなった友人に会って音楽の話を振ると「最近のって全然わからないんだよね」となることがほとんどなのです。

でも実際、みんなどの程度まで知ってるのか?そもそもどこで情報得ているのか?というのが気になってて。先日ちょうど、かつての音楽仲間と飲む機会があったので、アンケートをとってみることにしました。彼らはみな音楽をきっかけに親しくなった元バイト仲間で、一緒にフジロックやサマソニに行ったり、レディオヘッドのコピーバンドを組んだり、夜な夜な集まってはサマソニやSimon & GarfunkelやOasisのライブビデオを観ながら朝まで飲んでいた人たち。ただ、うち一人は僕よりもひと世代上で80年代以降の音楽はほとんど聴かない人なので、回答者は実質3人かな。この結果が世間一般的なものでは決してないと思うので、あくまで一つの事例として見ていただければと。ついでに最近行ったライブのことから、CD派?デジタル派?みたいなことも訊いてみました。



まず、アンケートに答えてくれた友人について。

[Aさん]
・45歳 既婚 子供なし
・音楽Barを経営
・60s~70sのジャズやブルース、フォークが好き
・ギターが趣味

[Bさん]
・36歳 既婚 子供なし
・サマソニ、ロックインジャパンなど複数回参加
・洋邦ともにロック系好き
・学生時代はrockin'onを毎月購入
・かつてMando DiaoやJet、The Libertinesなどを貸してくれた

[Cさん]
・36歳 未婚
・サマソニ数回参加
・今年のフジロックはスタッフとして参加する予定も結局来ず
・ギターを弾くと人が変わる(ジミヘンが乗り移ったみたいになる)

[Dさん]
・35歳 既婚 子持ち
・サマソニやフジロックに数回参加
・KasabianやPrimal Screamの単独公演に一緒に行った
・かつてmumやThe Velvet Undergroundなどを貸してくれた
・サックスやギターを演奏
・母親(推定60歳)もロック好きで、よくフジロックに行っている


全員男性で、Twitter、FacebookといったSNSは誰も利用していませんでした。



Q1. 下記のアーティストについて、知っていますか?

①知っているし好きである
②知っているが特に興味はない
③名前だけは聞いたことがある
④全く知らない

<洋楽編>
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<邦楽編>
hougaku.png


ここでは僕の独断と偏見で、ここ最近で話題性が高かったり、ルックス的な引きが強かったり、日本でテレビ番組に出演したりしたアーティストを洋邦20ずつ選びました。が、まるで「お前らほとんど知らないだろうけど俺は全部知ってるんだぜ?すげーだろ?」みたいなイヤらしい結果に…。想定ではAさん以外の3人は、40アーティストのうち半分~1/3くらいは知ってると思ってたんです。少なくとも2007年くらいまでは普通に「Peter Bjorn and Johnのライブ行かないの?」みたいな話していたし、みんなやっぱりそれなりにロック好きなので。

ここ数年はみんなで会う機会も減り、音楽の話をする機会もなかったんだけど、思った以上に彼らが最近の音楽から離れていることがわかりました。ただ、この結果自体を非難する気はありません。友人の趣味を僕に合わせる方がおかしな話だし、最近の音楽ばかり聴くのがいいことだとも思わないし。まあ、ちょっと寂しくはありますが…。それにしてもサカナクションはすごいですね。さすが紅白出演バンド。


Q2. 最近一番好きなアーティストは?

Aさん:Chet Baker
Bさん:斉藤和義
Cさん:特になし
Dさん:ザ・フォーク・クルセダーズ


Aさんは以前からジャズ好きだったので「らしい」答え。Bさんは4人の中では一番ロック寄りで、リアルタイムな音楽も最もチェックしている人なので納得(斉藤和義は90年代デビューだけど今の方が脂が乗っていると思うし)。Dさんは元々音楽の趣向が広く、URC界隈や加山雄三など60s~70sも好きな人。ちなみにザ・フォーク・クルセダーズは加藤和彦も在籍していた60年代の日本のフォークグループ。いずれのアーティストも新鮮味はないものの、Cさん以外の3人は音楽に全く興味がなくなったということはなさそうで、むしろ音楽好きらしい結果に。

ザ・フォーク・クルセダーズ



Q3. 最近よく聴いているアーティストは?

Aさん:さだまさし
Bさん:斉藤和義
Cさん:TOM☆CAT、子供ばんど
Dさん:Nina Simone


Aさんは昔からさだまさし大好きなので相変わらず…。Cさんは謎。北斗の拳のアニメばかり観ているのかな?Dさんが答えてくれたNina Simoneは1933年生まれのジャズシンガーで、ロック好きの間ではMUSEがカバーした「Feeling Good」のオリジナルとしてなじみ深いと思います。三者三様に、時代を問わず良質な音楽を聴いているという印象を受けます。

Nina Simone



Q4. どこで音楽情報を入手していますか?

Aさん:自分の店のお客さん
Bさん:インターネット(RO69を2日に一度ペースでチェック)
Cさん:なし
Dさん:インターネット(スマートニュースのエンタメカテゴリ)


BさんとDさんがインターネットで情報収集をしていました。Dさんは音楽以外にもいろいろなニュースを見る中で音楽ニュースを見ているといった感じですが、Bさんは定期的に、自発的に音楽ニュースを拾いに行っています。洋楽邦楽まんべんなく情報収集できることから、RO69はBさんにとって適した情報源だと思います。ただQ1の答えを見る限り、日本のインパクトの強いアーティスト名は字面的に記憶に残るものの、音楽を聴こうというところまではなかなかいかないようです。

Dさんは名前が気になって神聖かまってちゃんやSEKAI NO OWARIをYouTubeで聴いてみたものの全く気に入らなかったとのこと。あと、洋楽で唯一好きなFoster The Peopleは職場の人がオススメして貸してくれたのがきっかけだったようで、特にロック系に興味がなくなったわけではなく、単に(時代的な)新しい音楽と出会いが減っただけということです。いろいろ聴いてみたらハマるものは多いのだろうと思います。


Q5. 最近行ったライブはいつ、誰のですか?

Aさん:店のお客さんのライブ
Bさん:2014年9月 長渕剛
Cさん:2014年9月 池澤龍作
Dさん:2009年 フジコ・ヘミング


Aさんはお店をやっているので、ライブに行く暇はない模様。BさんはOasisやRadioheadと並列で長渕を愛しているので納得です。Cさんの選んだ池澤龍作は今年のフジにWUJA BIN BINとしても出演したジャズ系ドラマー。Dさんのフジコ・ヘミングは『奇蹟のカンパネラ』が大ヒットした現在81歳のピアニスト。ただ、Dさんは2010年のBob Dylanの公演にも行っているはずなので、こっちが最も最近だと思うけど?

池澤龍作


フジコ・ヘミング



Q6. 最近買ったCDはいつ、誰のですか?

A:さだまさし / 第二楽章 (2014年9月)
B:Maroon 5 / V (2014年9月)
C:池澤龍作 / タイトル不明 (2014年7月)
D:Nina Simone / タイトル不明 (購入時期不明)


Bさん、さすが今月リリースされたばかりの最新作をゲットしています。そういえば2年くらい前のMaroon 5の単独公演も行ったみたいです。最も積極的に最近の音楽を追っていたのはBさんだったけど、それでも試聴までいかなかったり、情報源がRO69だけだとArcade FireやVampire Weekend、Foster The Peopleなんかも「名前だけは知っている」どまりになってしまうんですね。

さだまさし



Q7. デジタルとCD、どちらを買いますか?

A:CDのみ デジタル否定派
B:CDのみ デジタルで買ったことはない
C:CDのみ ただCDも最近は買わないのでもっぱらYouTube
D:CDのみ


これは予想通り。THE BIG PARADEのトークセッションのテーマでもあった「デジタルネイティブ」よりも上の世代だと、ずーっと音楽はCDまたはアナログレコードで買ってきたので「モノ」としての愛着があるんですね。みな一様に「デジタルだと所有している感じがしない」と言っていました。僕もつい最近まで同じ考えでしたが、デジタルのみの販売だったりするものを買ったりフリーDLとかしているうちにほとんど抵抗がなくなってきましたね(置く場所に困り果てているという理由もある)。たぶんこの世代はライトな音楽ファンほどフィジカルへのこだわりが強いのではないでしょうか。

そういえば最近話題になっていましたが、CD購入に関してはこんなデータも出ているようですね。

WIRED | "いまだに全音楽の85%がCDで購入される、不思議な日本"



というわけで、普段TwitterやWEBメディアを使って日々の音楽情報を追っている自分(といっても、最近は2、3年前ほど熱心ではありませんが)と、Twitter含むインターネットからの情報を収集していない友人で、どれくらい認識に差があるのか?をちょっとした好奇心から調べてみたわけですが、音楽に対する愛情は昔と変わらないものの、新しいものを積極的に聴くという行為は明らかに減っていました。繰り返し言いますが、それを貶めるつもりはないし、そもそも僕の友人4人の話なので一般論として言ってるわけではないです。

要因としては時間によるものが大きいと思います。興味はあっても、収集する時間が取れない。だんだんわからなくなってきて、気持ちも離れてしまう。音楽をリアルタイムに追うというのは、例えば連ドラを観る感覚に近いように思います。時間がなくて1回観逃し、2回観逃しするうちにもう観なくていいやってなる。

自分もいつかはそうなるだろうし、Twitterのフォロワーさんやブログの読者さんもそうなるのでしょう。何かを犠牲にしたり、苦しんでまで追うものではないし。以前あるフォロワーさんに「30代近くなると最新の音楽追わなくなるよ。僕の周りみんなそうだし」という話をしたところ、「自分は絶対にそうならない」と言われました。でもいつか必ずその時は来るんですよね、それが20代か30代か40代かはわからないけど…。ただ僕の友人のように、音楽への興味は弱まっても音楽好きであることはみんな変わらないんじゃないかな。4人ともどちらかというとジャズやクラシックやフォークの方向に傾倒しているのは、単純に音楽に求めるものが「新しい音に対する欲求」や「刺激」から「癒し」とか「安らぎ」に移行したからなのかもしれません。それはそれで全然アリだと思います。



あと今回でこのブログの記事が500となりました。今後ともよろしくお願いします。

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