アーティスト別ベスト

Crystal Castlesのマイ・フェイバリット・ソングBEST20

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Crystal Castles3

ひとつのアーティストの作品をじっくり振り返り、個人的ベストソングを考えながら再評価していこうという不定期企画。4ヶ月ぶりとなる本企画の今回のお題は、先日惜しくもアリス・グラスの脱退発表をもって解散となったカナダのエレクトロ・デュオ、クリスタル・キャッスルズ(Crystal Castles)。どの写真もかっこよすぎィ…!!


クリスタル・キャッスルズは2003年にアリス・グラス(Alice Glass)とイーサン・キャス(Ethan Kath)によって結成、2008年のデビューアルバム以降3枚のアルバムを発表。サウンドのざっくりとした特徴といえば「パンクの攻撃性を持ったエレクトロ」で、そういう意味では彼らがデビューした当時のムーブメントの一つでもあった「ニュー・レイヴ」に括られたりもしていました。でも彼らが(「ニュー・レイヴ」に括られた数多のバンドがそうであったように)デビュー作以降下降線をたどらなかったのは、あくまでメロディーに重きを置きつつ、一歩間違えば不快にもなりえるノイズを入れたり、四つ打ちにとどまらないさまざまなビートを取り入れるなど常に実験的なアティテュードを持っていたからだと思います。

チープ(≠陳腐)な8bitのコンピューター音や耳をつんざくような高音シンセに、過剰なまでにエフェクトを加えた暴力的なトラック。そこに哀愁メロディーを乗せ、ウィスパーボイスとシャウトを自在に使い分けるアリスのボーカルが加わることにより、破滅的でありながらも美しい、唯一無二のクリキャス・サウンドは生まれたのでした。

彼らの解散を惜しみつつ、ベストトラックを挙げていきたいと思います。通常この企画で取り上げるのはアルバム5枚以上出しているアーティストという決まりがあるのですが、彼らにこれ以上作品が加わることはないので…(泣)。





■Crystal Castlesのマイ・フェイバリット・ソングBEST20

▼Discography
[1] 1st『Crystal Castles』通称(Ⅰ) (2008)
[2] 2nd『Crystal Castles』通称(Ⅱ) (2010)
[3] 3rd『Crystal Castles』通称(Ⅲ) (2012)


No.20 "Child I Will Hurt You" (3)
No.19 "Violent Youth" (3)
No.18 "Good Time" (1)
No.17 "Transgender" (3)
No.16 "Vietnam" (2)
No.15 "Alice Practice" (1)
No.14 "Untrust Us" (1)
No.13 "Doe Deer" (2)
No.12 "Not in Love" (2)
No.11 "Plague" (3)

狙ったわけでもなく、3枚のアルバムから万遍ないセレクトになりました。「Child I Will Hurt You」はアルバムを締めくくるにふさわしいドリーミーな曲。こういった、単にパンクでエレクトロなだけではなく美しい曲が作れるのは、彼らのメロディーセンスやボーカルの表現力の高さゆえ。かわいらしい「Good Times」も、彼らの中で最もキャッチーな楽曲のひとつ。

「Untrust Us」は1stのオープニングナンバーとして思い出深い曲。そして彼らの初期の代表曲とも言えるハードなパンクナンバー「Alice Practice」は、タイトルの通りアリスの発声練習をそのまま使ったという逸話もユニーク。また2ndにおける同じ立ち位置の曲「Doe Deer」はさらに攻撃性を増した1分37秒の爆裂ノイズ・パンク。

「Not in Love」はアルバムバージョンとThe Cureのロバート・スミスがフィーチャリングされたバージョンの2つが存在しますが、どちらも好きなのでここではいずれのバージョンとも表記しないでおきます。

それでは10位以内いってみます。


No.10 "Baptism" (2)


このピコピコしたスクエアなシンセ音は初期クリキャスの特徴でもあります。2ndでは控えめでしたが、この曲で思う存分に使ってる感じが。ミュージックビデオもかっこいいです。


No.9 "Vanished" (1)


1st期における彼らの特徴といえばオクターブを上下させただけのシンプルなブリープシンセのベースラインと、ベシャッという短く切ったスネア音。打ち込みでトラックを作ったことがある人はわかるかと思いますが、彼らの曲ってもの凄く展開や構成がシンプルなんですよね。それなのに何でこんなに面白くてかっこいい曲になるのか、かなり不思議。この曲もメランコリックなリフとか、すごくシンプルなのに何でこれほどまでにキャッチーなのか…。


No.8 "Celestica" (2)


この曲を初めて聴いた時、2ndで化けたなーと思いました。1stの時よりもかなり「うた」に重点を置いてる!展開もすごく歌モノっぽいし、聴きやすくなったなーと。それがちょっと寂しくもあったんですが、やっぱりメロディーと声が美しいというのは良いですね。さりげなく鳴ってるパーカッションも好きです。


No.7 "Suffocation" (2)


この曲もボーカルとビート以外、ブリープシンセのベースと、Aメロをなぞるチャイムと、シンセ音が2種類くらいしか入ってません。めちゃくちゃシンプル。後半で転調してすぐに終わるところも好きです(このミュージックビデオではカットされていますが)。


No.6 "XXZXCUZX Me" (1)


「Alice Practice」とほぼ同じ音を使って、テンポを倍にしたような曲。彼らの音楽はよく「ゲームっぽい」と言われますが、この曲のせいだと思います(笑)。「グラディウス」みたいな、敵がうじゃうじゃ出てくるシューティングゲーム系ですね。


No.5 "Wrath of God" (3)


優しいメロディーの鳴り響くイントロから、シンセやシャウトが加わって一気に高揚する展開が最高。彼らの楽曲はこの曲に代表されるように、宗教的な要素、荘厳なムードというのが多分にありますね。


No.4 "Black Panther" (1)


もちろんアリスも歌ってますが、「シンセが歌っている」といえばこの曲。これもめちゃくちゃシンプルな構成で、このシンセ・リフだけのほぼワンアイデアで作られたっぽいような感じがするけど、とてつもなくキャッチー。アルバム後半を盛り上げてます。


No.3 "Kerosene" (3)


先に言うと、上位3曲はすべて3rdからの曲。3rdはそれまでの彼らのメイン・ビートであった四つ打ちに頼らない曲が多いのが特徴ですね。また、2ndで「歌モノ」としての魅力を開花させた彼らですが、3rdではポップな歌モノでありつつも歌を楽器の一つのように捉え、とても抽象的な使い方をしているのがわかります。


No.2 "Affection" (3)


ヒップホップからの影響の強いビートが新鮮。トランシーなシンセは相変わらずですがこれまでよりもテンポを落とすことで曲に深みも出て、よりエモーショナルに。それにしてもこの悲しげなメロディーラインとウィスパーボーカルが醸し出す神聖さ、普通のバンドではなかなか出せないと思います。


No.1 "Sad Eyes" (3)


これまで散々、3rdにおける深みとか神聖さとか四つ打ちに頼らないビートとか言っておきながら、1位はモロに四つ打ち、しかもかなり安っぽくてダサい感じのこの曲。当ブログの「BEST TRACKS OF 2012」でも11位に挙げているんですが、そこでも書いたように「90年代に○イベックス所属のJ-POPアーティストが出してそう」。この「ダサさスレスレ、ってか若干アウト気味」なところこそが、僕が彼らを愛する理由だったりします。





1位はちょっと意外な感じになったかもしれませんが、自分にとっても驚きでした。今まで「どの曲も好きだな~」って感じではあったものの、どの曲が一番好きか?っていうのは考えたことがなくて、今回順位付けしながらも最後までどの曲が1位になるのか自分でもわかりませんでした。「え、まさかSad Eyesにならないよなー、もっとかっこいい曲たくさんあるし」と思いながらも、好き度で考えたらまさかのこの結果になったのでびっくり。

とはいえ、TOP20内の曲はどれも僅差だし、今の気分で決めたらこのような結果になっただけで、明日にでも順位が激しく入れ変わりそうな勢い。結論からいうと、好きな曲多すぎます。


以下、スゲーどうでもいい話。僕もミュージシャン願望みたいのがあるんですね。別にデビューしたいとか音楽で食っていきたいとかはないけど、もしミュージシャンだったらこんな感じがいいっていう理想像。で、僕が理想とするのは、トラックメイカーの男性とボーカルの女性のデュオで。打ち込みのセンスもテクニックもあんまりないけどメロディーとビートは重視したい。90年代のユーロダンスが影響源にあるから、ブリープ音やトランシーなシンセ音を使いまくりたい。ボーカルは美人ではあるんだけど「かわいいタイプ」ではなくてパンクでゴスなタイプがいい。ビジュアルイメージは謎めいた、ちょっとヤバめな感じにしたい。ボーカルはあるんだけど、ほとんど聞こえなかったりエフェクトかけまくった感じで楽器のひとつとして扱いたい。ライブでは生ドラム入れたい。ボーカルのライブパフォーマンスが激しいと尚よし…。

ってこれ、全部クリスタル・キャッスルズがやってることなんですよ。自分がやりたかったこと、全部彼らにやられました。だからもう、憧れに近い感情を抱いてたわけで、それゆえ解散はかなりショックでした。でも彼らが残したアルバムはどれも素晴らしく、上記のランキングにも表れているようにとりわけラスト作が最高過ぎたので、最高傑作を出したところで解散で良かったのかもしれません…。パンクバンドは短命な方がかっこいいと思うし。…と、妙に解散を納得させようとしてる自分がいます。

それから、彼らはリミックスも最高でしたね!オマケとして彼らのリミックスワークも貼っておきます。

Klaxons - "Atlantis to Interzone (Crystal Castles Remix)"


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