初聴きディスクレポート

初聴きディスクレポート Vol.67(2015年1月)

2015年1月に初聴きした音源の感想まとめ。今月は旧譜の中古盤をたくさん買いました。そのほとんどがセールで100円で買えたので満足です。

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★★★★★ 年間ベストアルバム20位以内クラス*
★★★★☆ すばらしい
★★★☆☆ 標準レベルの良作
★★☆☆☆ 若干気になる部分あり・もっと聴きこみ必要
★☆☆☆☆ 期待ハズレ
☆☆☆☆☆ 全然ダメでした

*今年リリースではない場合、旧譜のみから選ぶ年間ベストアルバムの20位以内クラス
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1月のALBUM OF THE MONTHは30年前にリリースされたこちら!


■ALBUM OF THE MONTH■
'Til Tuesday / Voices Carry (1985)
★★★★★
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Aimee Mannがかつて'Til Tuesdayというバンドをやっていたことは知っていたものの聴いたことなかったし、ソロでの「メガネ&ストレートのロングへア」や「アコースティック寄りのフォーキーなロック」というイメージが強かった。でも80年代はパンキッシュなプラチナ・ヘアの超絶美麗(いや、54歳となる今でも十分美しくてかっこいいけど)なルックスで、'Til Tuesdayがこんなかっこいいニューウェーヴ・バンドだったとは。そもそもジャケのエイミーのルックスに惹かれて(中古で100円ということもあって)これを買ったわけだけど、これは大正解。

淡いシンセの音がほのかに鳴りつつ、繊細なメロディと力強くも艶やかなエイミーの声との対比がとてもロマンティックさを感じる。ソロ時代とはまた異なる魅力があり、80sらしいサウンドメイキングは当時のCyndi LauperやMadonnaを彷彿させる瞬間も。ファーストである本作が最も売れたらしいけど、オリジナルアルバムは3枚出ているそうなので他のアルバムもぜひ入手したい。

'Til Tuesday - "Love in a Vacuum"




Belle and Sebastian /
Girls in Peacetime Want to Dance (2015)

★★★★★


前作『Write About Love』以来5年ぶりの新作。ベルセバといえば90年代は好きだったものの、その後はあまり熱心に追っていなかった。『Write About Love』で久々にリアルタイムで聴いてみたけど90年代の頃のような新鮮さは感じられず、「まあ良い曲だよね」で終わってしまっていたのも事実。しかし彼らが新鮮さを求めてサウンドをガラリと変えてしまったら、それはもうベルセバの良さが失われることになるわけで。

そんな状況の中、本作はそのジレンマを見事に打ち破ってくれた。表面的には、ベルセバ史上最大と言えるくらい大きな転換をもたらしていると思う。ディスコ、エレポップ、ニューウェーヴといった要素をふんだんに取り入れながら、かといってベルセバらしさは少しも失われていない。変わらないグッド・メロディに、ジェントリーなステュワートの美声、管弦楽器の暖かさ。20年近く活動しているバンドでありながら、より円熟味を増した音になりつつ、まるで10代20代の若手バンドのような瑞々しさをもった作品。

Belle and Sebastian - "The Party Line"




Fleetwood Mac / Tango in the Night (1987)
★★★★☆


HAIMをはじめとする昨今のインディ・ロック・バンドで語られがちな、「Fleetwood Macを彷彿させる~」という文句にはいまいちどれもピンと来なかったのだけど、その理由が何となくわかった。この「Fleetwood Macっぽさ」とは、彼らのアルバムで言えば『Rumors』ではなくこの『Tango in the Night』っぽさなのだと思う。淡いシンセの音や幻想的かつノスタルジックなムードは、確かに近年のインディ・ロック・バンドとの親和性が感じられる。



Kate Bush / The Red Shoes (1993)
★★★★☆


これまではKate Bushのキャラや存在感は評価していたものの、楽曲に関してはデビュー作『The Kick Inside』や最新作『50 Words for Snow』を聴いてもいまいち入れ込めなかった。神秘性・少女性・演劇性が強すぎるイメージのせいで、とっつきにくい印象があったのは否めない。でもデビュー作と最新作とのほぼ中間地点にリリースされた本作は、とてもポップで聴きやすく、いい意味でKate Bushの神秘的なイメージを壊してくれた。ここでも表情豊かな歌声を聴かせてくれているけど、パワフルに歌い上げる「Top of the City」がとりわけ素晴らしい。



Sugar's Campaign / FRIENDS (2015)
★★★★☆


Avec AvecとSeihoによるポップ・ユニットのデビューアルバム。全ての世代に受け入れられることを狙いに制作されただけあって、全編がとにかくキャッチーな全方位型ポップ。特に自分と同じアラサー以上の世代には懐かしさの要素も強いだろう。陽性の曲が並ぶ中で唯一と言えるアンニュイな曲「香港生活」のアダルト・オリエンテッドな雰囲気がとても良かった。



Deafheaven / Sunbather (2013)
★★★★☆


Wikiによると「ポスト・メタル・バンド」とのこと。でもメタルっぽさはほんの一瞬を除いてほとんど感じられなくて、むしろポスト・ハードコアとシューゲイザーとスクリーモの融合と言えるかもしれない。想像していたよりもずっとメロディアスで、ピアノが効果的に使われているため叙情的でもあり、初期のMogwaiに近い印象も。絶叫ボーカルは音量がかなり抑えられているので、苦手な人でもすんなり聴けそう。



Prefab Sprout / Steve McQueen (1985)
★★★★☆


映画俳優からとられたタイトルを持つセカンド作。1曲目「Faron Young」から、逆回転だったりハーモニカやトランペットの音が飛び出すエフェクト・インプロな展開を持つロックンロール曲で驚いた。その後は女性ウィスパーボイスによる美しいコーラスが添えられたネオアコ/ギターポップが続き、清涼剤のような爽やかさがある。でもPaddy McAloonによる力強いボーカル含め、洗練された中にも随所にパンク・スピリットが垣間見えるところが良い。



Mark Ronson / Uptown Special (2015)
★★★★☆


Bruno Marsをフィーチャーした「Uptown Funk」が今年最大級の勢いで大ヒット中。その曲はもちろんのこと、JBライクな「Feel Right」もめちゃくちゃファンキーでかっこいい。しかし本作の良いところはノリノリのファンクのみで押し通すのではなく、Stevie WonderやKevin Parker(Tame Impala)をフィーチャーしたAOR風のミドル・チューンをバランスよく配していること。むさ苦しくなりすぎることなく、あくまでクールでスマートにファンクネスを追求するあたりはDaft Punk『Random Access Memories』に通じるものがある。



Janet Jackson /
Janet Jackson's Rhythm Nation 1814 (1989)

★★★★☆


「そろそろニュー・ジャック・スウィングの再ブームが来る」と数年前から言っているのになかなか来ない。そうこうしているうちに自分の中でNJSブームが到来してしまった。ブーム真っ只中の89年にリリースされた本作(4作目)は世界で1,400万枚売れたというだけあって、当時の先鋭的なビートやボイス・サンプリングのゲートリヴァーブのかかった「鳴り」がいちいちかっこいい。随所にインタールードを挿んだ全20曲・トータル60分超の大作なのでちょっと聴き疲れするのが難点。



The Doors / The Doors (1967)
★★★★☆


これまでベスト盤しか聴いたことのなかったThe Doorsのデビューアルバム。Jim Morrisonの呪術的でカリスマティックな歌唱はこの時点ですでに完成されている。「Light My Fire」がA面の最後、「The End」がB面の最後という構成も完璧(買ったのはCDだけど)。ベスト盤では一部カットされていた「Light My Fire」のオルガン・ソロも初めてフルで聴いたけど、やはりこのオルガンはずっと聴いていたいと思わせるし、長ければ長いほど良い。



Mariah Carey / Daydream (1995)
★★★★☆


言わずと知れた歌姫の5作目。Tom Tom Clubの「Genius of Love」をサンプリングした「Fantasy」が大好きなので買ったのだけど、他の楽曲も総じてクオリティが高く、ビルボード16週1位という「One Sweet Day」やJourneyの「Open Arms」のカバーなどマライアお得意のバラード群も退屈な印象を与えない。後半はダンス・チューン「Daydream Interlude」で盛り上げつつ、哀愁漂う「Looking In」でシメる構成も好きだし、バラードが多いわりにトータル46分とコンパクトなところも良い。世界で2,500万枚売れたというのも納得。



Michael Jackson / Bad (1987)
★★★★☆


以前ブログに2015年の予定としてJanet JacksonとMaichael Jacksonのオリジナル・アルバムをちゃんと聴きたいと書いたけど、早速しっかりと実践しているわけで。とりあえずマイケルは「Off the Wall」~「Dangerous」までは揃えたいと思っている。ベスト盤と「This Is It」のサントラは持っているので本作は知っている曲ばかりだったけど、どの曲も先鋭的なビートを取り入れ、マイケルが奔放にシャウトし歌っているのがかっこいい。曲を聴いただけで映像まで浮かんでしまうあたりは、さすがMTV全盛期を築いたマイケル。



Paul Anka / The Best of Paul Anka (2001)
★★★★☆


50年代に活躍した男性シンガーの中でも1、2位を争うほどに好きな声なのがこのPaul Anka。Paul Ankaと言えば「Diana」が代表的だけど、ここに収録されているのは自分がこれまで知っていたものとは異なるテイクで、ところどころ歌メロや歌い回しが異なっていた(おそらく本作収録テイクが後に録音されたもの)。高音と低音いずれも艶があって伸びやかな声は彼の最大の魅力だけど、こうしてベスト盤を聴くと時代によって少しずつ歌唱法を変えていることが分かる。ちなみに現在73歳ながら現役バリバリで、あの頃と劣らぬ美声でショウをやっているというのも驚き(→映像)。



Bat for Lashes / Fur and Gold (2006)
★★★☆☆


マーキュリー・プライズにもノミネートされたデビューアルバム。ビョークも彼女のファンらしいけど、確かに神秘的・母性的な歌声はビョークに通じるものがある。ソングライティングに関しては目下最新作である『The Haunted Man』(2012)には及ばないものの、表現力やエモーションの込め方はすでに確立されており、才能の豊かさを感じさせる。



Death Grips / Fashion Week (2015)
★★★☆☆
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2014年に解散した彼らのインスト集。つまりMC Rideのボーカルは全く入っていない。トラックは昨年公開された『Niggas on the Moon』収録曲よりも断然かっこよくて1曲目から彼ららしさ全開なのだけど、それだけにボーカルが入っていないことが多大な喪失感を与える。「これボーカル入ってたら最高なヤツだ…」と思わざるを得ない、ということで減点。



R.E.M. / Accelerate (2008)
★★★☆☆


R.E.M.は何枚かアルバムを聴いたものの、「メロディと声」以外の要素は地味だと思った(英語力がないため歌詞の内容がわからないのが残念)。まあメロディと声だけでも十分なのかもしれないけどもう一つプラスアルファが欲しかった。このアルバムはかねてから聞いていた評判通り、ハードなギターサウンドでアッパーな疾走感があってかっこいい。全11曲35分未満というのも潔さがある。



Peace / In Love (2013)
★★★☆☆


間もなくセカンド作『Happy People』がリリースされるUKの4人組。各曲はメロディアスでわかりやすいのだけど、曲調が少しとっ散らかっていていわゆるメリハリがなく、曲の中にも強烈なフックがないのであまり印象に残らなかった。セカンド作から先行公開されている曲「World Pleasure」なんかは化けた感があって好きなので、こちらは期待している。



New Edition / Home Again (1996)
★★★☆☆


こちらもニュー・ジャック・スウィングなブームの流れで、NJSの代表的な存在である彼らを初聴き。Bobby Brownが在籍していた6人組黒人ボーカル・グループで、一度解散して再結成後のアルバムとのこと。マイケル・ジャクソンそっくりな声の人がいて一瞬本人がゲスト参加しているのかと思った。歌い方までマイケル意識しすぎでちょっと笑えるほど。この時代の典型的なR&B/ソウル/ヒップホップなサウンドでどこか懐かしさが感じられると思ったら、プロデューサーがこの手のサウンドの大御所であるJimmy Jam & Terry Lewisということで大いに納得。



Tame Impala / Innerspeaker (2010)
★★☆☆☆


公式BandcampでなぜかフリーDL可能に(現在は有料)。あまり興味がなかったのでこれまでちゃんと聴いたことがなかったのだけど、中期のビートルズっぽいなという印象。全体的にエフェクト過剰なところがあまり好きではなかった。



Heavy D & The Boyz / Peaceful Journey (1991)
★★☆☆☆


縦に引き伸ばし過ぎたロゴとエクセルで作ったようなタイトル。何とも酷いジャケだがそれはともかく、アラサー以上の世代的には「ダンス甲子園」でもお馴染み「Now That We Found Love」が収録されたアルバム。この曲は四つ打ちのダンス・チューンながら、本作はニュー・ジャック・スウィング作品として位置付けられている。ただ若干、商業ヒップホップ寄り。後半にはいきなりコテコテのダンスホール・レゲエ曲とかもあってバラエティ豊かだけど、「Now That~」ほどインパクトのある曲は他になかった。



Arca / Sheep (Hood By Air FW15) (2015)
★☆☆☆☆
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Arcaの音楽を聴くたびに思うのだけど、いつも何かを付加しないと完成されない気がしてならない。例えばジェシー・カンダの映像だったり、ビョークの声だったり、独特のルックスだったり、ヴェネズエラ出身という出自だったり。昨年リリースされたアルバム『Xen』は未聴なのでわからないけど、『&&&&&』を聴いた時はまだ新鮮さも感じられたそのサウンドも、本作では新鮮味や刺激が足りないように感じる。SoundCloud上でフリー公開されている本作は全11曲という体裁ながら曲の切れ目がどこだかわからないので何曲目なのか不明だけど、13:56からの聖歌隊コーラスのパートはまあまあ良かったので、その部分にだけ★1つ追加。





あと、初聴きではないので★は付けないけど、これを買いました。

Oasis / Definitely Maybe (1994)


本作に最初に出会ったのは97年、これまでずっと「Cloudburst」と「Sad Song」がボーナストラックとして追加された国内盤を聴いてきたのだけど、海外と同じ収録曲と曲順で聴きたいと思い輸入盤を買い直し。こちらの方が最強感がより一層増していて、名曲がたたみかけてくる感じがあって好き。2曲がない分、違和感を感じるかと思いきやこちらの方がすっきりしていてむしろ馴染んだ。


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