フリートーク

Highway 86-96 Revisited -80年代中盤~90年代中盤のポップ・ミュージック再訪-

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[Cover Photo:Shampoo]

グランジ、マッドチェスター、シューゲイザー、ブリットポップ。80年代から90年代にかけてロック界隈で起こったこれらのムーブメントって今も人気がありますよね。影響を公言する新人アーティストがいたり、それらのスタイルを踏襲しながら現代風にアップデートしたり。特に2010年代以降はグランジやブリットポップがよく取り沙汰されるようになりました。

自分も最近は80年代半ば~90年代半ばの音楽にどっぷりとハマっています。ただ、そういったいわゆる「ロック側」「インディ側」のムーブメントではなく「メインストリーム側」で、ジャンルで言うとニュージャックスウィングやR&B、ユーロビートといったところ。

今回取り上げるのは、いずれも小・中学生時代にリアルタイムで聴いていた音楽。親の影響というのもありますが、ラジオの週間洋楽チャートTOP30みたいな番組が好きで、当時はこれらの洋楽を「ごく自然に耳に入ってくる音楽」として軽ーく聴いていました。

やがて本格的に音楽に目覚めてからは、週間チャートではなかなかオンエアされないたくさんのかっこいい音楽があることを知りました。オアシス、ニュー・オーダー、マイブラ、ザ・スミス、ザ・ストーン・ローゼズ、ニルヴァーナetc.…、でもそういった音楽を知った途端、ラジオで聴いていた当時のヒットチャート系の音楽がもの凄くダサいものに思えてしまったんですね。

それからはこの時代のヒット曲を熱心には聴いてはこなかったんだけど、最近よくMTVなどで80年代・90年代のヒット曲特集が組まれていたり、「イマ」の音楽、特に邦楽ではtofubeats、Especia、Sugar's Campaign、Orland、ORESAMAなどからそれらの影がチラつくことがあったりして、少し再評価の兆しが見えてきているような?単にノスタルジアや思い入れではなく、ニュージャックスウィングや初期のユーロビートは今聴いてもとてもかっこいい!ビートやベースラインから感じられるあの時代特有のグルーヴ、そしてサンプリングネタに至るまで、今の耳であらためて聴いてこそわかる、当時気付けなかった魅力がたくさん。

今回の特集では、そんな86年~96年にリリースされた10曲を紹介します。音楽の流行は20年数くらいのサイクルで繰り返すとよく言われますが、だとするとニュージャックスウィングや初期ユーロビート再評価の波はすぐそこまで来ているのかもしれません。中古市場ではどれも100円くらいで買えるので今のうちにゲットしておきたいですね。





■Janet Jackson
Janet Jackson

"Nasty"
from the album Control (1986)



96年にリリースされたWeezer「El Scorcho」にはこんな歌詞が出てきます。「"watching grunge leg drop New-Jack through a presstable..."(グランジ見たらニュージャック(スウィング)なんてダサいじゃん)」。当時の流行遅れのダサい音楽の代名詞的存在だったのがニュージャックスウィング。で、この曲がいわゆるニュージャックスウィングと呼ばれるもの。このジャンルの代表的プロデューサーJimmy Jam & Terry Lewisによるプロデュース。タメの効いたファンキーなシンセ・ベースに、BPM100前後でゲート・リヴァーブのかかったシンセ・ドラムといった特有のグルーヴに、オーケストラ・ヒットのフレーズがとても印象的。MVにおける髪型やコスチューム、ダンスも含め、この頃のジャネットはかっこよすぎ!!ちなみにこのアルバム『Control』はジャケ(↓)も最高。





Sinitta
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"Toy Boy" (1987)
from the album
Sinitta!



ユーロビートが高速化&ハイエナジー化して「パラパラ」などと呼ばれるようになる以前は、BPMも遅めでこんなにポップだったのです。この曲をどこかで聴いたことがある人でも、実はKylie Minogueだと思ってたなんて人も多いのでは?ビジュアル的にはカイリーが圧勝な気もするけど、実は(無名時代の)ブラッド・ピットの元カノという経歴の持ち主。プロデュースは初期ユーロービートといえばおなじみのStock Aitken Waterman。88年の日本の年間洋楽シングルチャートで1位の大ヒットを記録。ちなみにTommy february6の「Everyday at the Bus Stop」なんかはモロにこの時代のユーロビート・サウンドのオマージュですね。




Rick Astley
Rick Astley

"Don't Say Goodbye"
from the album Whenever You Need Somebody (1987)



こちらは80年代ユーロビートの代表的男性シンガー。その童顔ルックとソウルフルな低音ヴォイスで女性を中心に圧倒的な人気を獲得、うちのカーチャンまでも虜にしました。つい先日も来日公演を行い、SMAP×SMAPにも出演したみたいですね(見逃した…)。プロデュースはここでもやはりStock Aitken Waterman。この曲は何となくEspeciaっぽいなと。




Paula Abdul
Paula Abdul

"Straight Up"
from the album Forever Your Girl (1988)



こちらもニュージャックスウィング。サビの「hit and run」の部分の発音が好きですね。NJSの特徴ともいえるハネたビートと細かいキックの連打がめちゃくちゃかっこいいですが、何よりもソングライティングが素晴らしく、哀愁メロディここに極まれり。米ビルボード年間シングルチャートでも4位となる大ヒット。




Bobby Brown
Bobby Brown

"Don't Be Cruel"
from the album Don't Be Cruel (1988)



ニュージャックスウィングの代表的男性シンガー。NJSって、ビートに関する音の種類は多いけどそれ以外の音って最小限しか入ってなくて、そこがまたかっこいい。にしてもこの、上に長い髪型…いや、当時は黒人シンガーの間で流行っていましたね。アルバムは米ビルボードの年間チャートで1位。




Bell Biv DeVoe
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"Poison"
from the album Poison (1990)



こちらはややヒップホップ寄りのニュージャックスウィング。6人組R&BグループNew Editionから派生したBellとBivとDeVoeの3人組。後のビッグビートにも繋がるブレイクビーツは今聴いても十分かっこいいです。90年の米ビルボード年間シングルチャート4位。アルバムもアメリカだけで400万枚売れたそうです。




Deee-Lite
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"Groove Is in the Heart"
from the album World Clique (1990)



今回挙げた中で唯一、1年以上前からハマっていたのが彼ら。この時代の個人的再ブームのきっかけを作ったとも言えます。アー写でピンとくる人も多いはず、右端のメンバーはテイ・トウワ。サイケ、ファンク、ハウスをミックスし、Herbie Hancockなどのサンプリングを多用しブーツィー・コリンズがベースで参加したサウンドは今もなお新鮮。この曲は世界的に大ヒットし、オーストラリアとカナダで1位を記録したほかイギリスでは最高2位、米ビルボードでも最高4位を記録しました。




Heavy D & The Boyz
heavy d the boyz

"Now That We Found Love ft. Aaron Hall"
from the album Peaceful Journey (1991)



どこかの国の正男氏的風貌のヘヴィー・D(2011年に他界)と3人の忠実な部下に見えなくもないこの写真。この曲は「ダンス甲子園」世代なら聴いたことある人も多いのでは?米ビルボードでは11位、UKチャートでは2位を記録。レゲエ・バンドThird Worldが1978年にリリースした曲のカバー。




Ace of Base
Ace of Base

"All That She Wants"
from the album Happy Nation/The Sign (1992/1993)



これ、僕が人生で初めて買った洋楽アルバムなんですよね。スウェーデン出身の男女4人組ということで「第二のABBA」とか言われていました。このシングルは米ビルボードで最高2位だったほか、イギリス、ドイツ、スペイン、オーストラリアで1位を獲得。レゲエタッチのユーロ・ダンス・ポップを基調としたデビューアルバム『Happy Nation/The Sign』は10ヶ国以上で1位、94年の全米年間チャートでも1位を獲得し全世界で2300万枚のセールスを記録。当時「最も売れたデビューアルバム」としてギネス認定も受けました。日本でも洋楽の年間チャートで1位だった記憶があります。また、94年の全米年間シングルチャートにはこのアルバムからシングルカットされた曲がTOP10内に3曲もチャートインという快挙も。最近ではイギリスのガレージ・サイケ・バンドThe Wytchesが冗談か本気かよくわからないカバーをしていました(YouTube音源あり)。




Shampoo
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"House of Love"
from the album We Are Shampoo (1994)



特に日本で一世を風靡したガールズ・デュオ。シングル「Trouble」がUKで最高11位を記録。Icona Popの90年代版みたいな感じで(「We Don't Care」という曲があるのも面白い)、こっちはもっとヤサグレ感を売りにしています。この曲はイギリスのボーイズグループEast17のカバー。




Mariah Carey
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"Fantasy"
from the album Daydream (1995)



Tom Tom Clubの「Genius of Love」をサンプリングしたヒップホップテイストの曲。このシングルは米ビルボードで1位、年間チャートで7位、90年代チャートでも15位を記録。アルバムは世界で2,500万枚を売って米ビルボード年間チャートで2位、90年代チャートでも18位。それにしても、デビューからこの頃までのマライアはかわいかったなあ…。





以上10曲でした。コメントに記載した通り、どれも大ヒットを記録した曲ばかり。ニュージャックスウィングやユーロビートがメインでしたが、NJSに関してはOrlandが以前から取り入れているし、ユーロビートはパラパラ化してからのものは最近tofubeatsがLIZをフィーチャーした「CANDYYYLAND」で取り入れられたり、この流れからもう少し遡って初期ユーロに(もしくはトミフェブ再評価からの流れもアリかと)目が向いたりしたらかなり面白くなるのでは?と、ここまで日本のアーティストばかり引き合いに出していますが、例えばアリアナ・グランデだったりリアーナ辺りがこういうサウンドをやったらとてもかっこいい音楽が生まれるのではないかと密かに期待しています。


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