2010年代前半総括

2010年代前半、音楽関連で大きな変革をもたらした18のこと

2010年代前半の5年が終わりました。自分にとってこの5年間は、音楽に関して言えば激動の期間で、実にさまざまな変化がありました。音楽との接し方や楽しみ方も大きく変わり、5年前よりも充実した音楽ライフを楽しむことができています。今回はその要因となった5年間の出来事をまとめてみました。


#1:ブログ「PUBLIC IMAGE REPUBLIC」を開設


それ以前にmyspaceブログでやっていた「今週の10曲」を引き継ぐ形で、2010年2月7日にこのブログが誕生しました。当初こそ「まだあまり知られていない音楽を紹介!」という面が強く出ていましたが、現在は基本的に学生のころノートに綴っていたメモ書きの延長のような、買ったCDや行ったライブの記録だったり年間/半期ベストアルバムなどを書いています。更新ペースがスタート当初からほぼ変わっていないのが自画自賛ポイントですね。

これまでで一番印象深かったのは「IRJ(いんでぃー・ろっく・じょし)48」という投票型の企画をやったことです。読者やTwitterフォロワーの方たちとワイワイできて楽しかったですね。音楽ライターの黒田隆憲氏がRingo Deathstarr『Mauve』の日本盤ライナーノーツの中で、この記事について触れてくれたのも嬉しかったです。

[関連記事]:
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#2:Twitterアカウント取得


2010年5月にブログの宣伝のためにアカウント取得。アカウント名「David_Garle」の由来は、その時のCROSSBEAT最新号がデヴィッド・ボウイ特集で、一時的マイブームだったから。その後「Davidさん」などと呼ばれるようになるとは想像もしていなかった…。

最初の頃はTwitterの使い方もよくわからず、フォローしていない人にタメ語で絡んだりいろいろと失礼なこともしていました。「ブログの公式アカウント」という第三者的存在から、内容が徐々に自分のパーソナルに寄ってくるさまは客観的に見て面白かったですね。最初の2年くらいは「音楽に関係ないことはツイートしない」というルールとかもありました。



#3:音楽キュレーションメディアSpincoasterへの参加


2013年にスタートした音楽キュレーションメディア、Spincoaster。以前からTwitterで交流のあった方からお誘いいただいて2013年の11月から参加しました。さっきも書いたように、初めは自分のブログでもオススメのアーティストや楽曲を紹介していたけどその頃にはやらなくなっていたので、自分のブログとSpincoasterどちらで扱うべきか?みたいな悩みもなく、きっちり棲み分けできています。

これまでに35組のアーティストを紹介しています。リストはこちら



#4:音楽情報源の変化 ─紙からWEBへ─


2000年代の音楽情報源は主にタワレコのフリーペーパーbounceでした。新旧を問わず、幅広いジャンルの情報が網羅されているので毎号愛読していたのですが、2000年代後半からリアルタイムな海外インディーロックへの造詣が深まるとともに、Pitchfork、SPIN、NME、Consequence of Sound、Some Kind of Awesomeなどの海外サイト/ブログをチェックするようになりました。そんな中でもたまに購読していた紙媒体であるsnoozerとCROSSBEATがともに、2000年代前半に終了したのは象徴的な出来事だったと思います。bounceも最近では「捨てにくく、保管場所を取る」ことから手に取らなくなりました。今も読んだり買ったりするのはINROCKぐらいですね。

ただ、情報が溢れすぎてしまって収拾がつかなくなった感はあります。今ではさっき挙げたWEBメディアはTwitter経由でしか読まなくなりました。現在の音楽情報源はほぼTwitterのみという感じです。



#5:海外フェス配信


音楽をWEBで楽しむ時代ならではの新しいエンタテインメントがこれ。それまで海外フェスといえば遠い存在でしたが、この5年でイッキに身近な存在になったと思います。ラインナップが発表されるやポスターがSNSで拡散され、日本の音楽サイトがストリーミングの日本時間を伝え、遠い地でまさに今繰り広げられているパフォーマンスが日本からでも観ることができ、その感動をTwitter上で共有する。グローバル+ソーシャルを体感できるのがまさにこの時代らしい点。そしてこれにより、海外フェス行きたい欲が上昇。



#6:初めての海外フェス体験


そんなわけで海外フェス行きたい欲が抑えきれなくなり、2013年にはバルセロナにて開催されるフェス、プリマヴェーラ・サウンドへ。初めての海外フェスということでチケットの買い方もわからないまま個人で飛行機やホテルを手配して、いろいろ大変なこともあったけど、とにかくこれは本当に行ってよかった。できれば今後も3、4年に1回くらいのペースで行けたらいいな、なんて。

[関連記事]:
ライブレポート:Primavera Sound 2013
海外フェスデビューガイド(Primavela Sound編)



#7:CDWOW(現WOWHD)


CDやレコードなどの海外通販サイト。日本語版ページもあり、送料無料で買えるところが便利。価格が安く、円高の時期には新譜でも900円~1,000円程度で、クーポンや割引キャンペーンなども活用して、だいたい800円台で買えていました。ケース割れが多かったり問い合わせが英語のみだったり届くのに時間がかかったりというデメリットもあるけど、このサイトのおかげでCDを買う量が以前と比べ5倍くらいには増えたし、新譜を予約注文することも増えて聴く音楽のリアルタイム度も上がりました(それまではリリースから半年~1年後くらいに中古で買うことが多かったのです)。



#8:新宿TSUTAYA


新宿TSUTAYAがリニューアルし、マニアックな輸入盤も多く取り扱う店舗へと売場拡大。しかも旧譜レンタル100円クーポンが結構頻繁に発行されます。結果、毎月10枚~20枚くらい借りることに。金銭面の圧迫がないので、これまでベスト盤で済ませていたアーティストや、これまで聴いたことがなかった有名アーティストの作品などをいろいろ聴けるようになりました。The Cure、Pixies、Cocteau Twinsなどの旧譜コンプリート聴きや、昔好きだったアーティストの最探訪など新たな楽しみも生まれました。



#9:ミクステ交換


ミクステとはつまりミックステープ、と言いつつ中身はCD-Rだったりしますが。Twitterで音楽を通じて親しくなった人とフェスやライブ会場で、あいさつ代わりに自分の好きな曲を集めたミクステを交換するのがプチブームに。自分で選曲したり曲順を考える作業も楽しいけどそれ以上に、もらったミクステきっかけで新しい方向性に目覚めたりするのが最大の魅力。実際、かなりの影響を受けています。



#10:初めてのDJ


30過ぎてからの初めてのDJ体験。しかも大阪。初めは再生ボタンの位置すらよくわからない状態だったけど、Mando Diaoの「The Band」をかけた時はすごく盛り上がりました。その後もSpincoasterのイベントで何度かDJの機会がありましたが、毎回異なるコンセプトを設けたり曲の繋ぎ方がわかってきたり、楽しみ方を覚えました。

[関連記事]:
8/30 "Peach, Plum, Pear" PLAYLIST1
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#11:BandcampとSoundcloud


ともに2007年にスタートした音楽ストリーミング/ダウンロードサイト。どちらも存在を知ったのはWEBで音楽メディアをチェックし始めた2010年代以降だったと思います。この2サイトがあったからこそたくさんの新しい音楽(新作からの先行トラックや、name your priceのアルバムなど)が楽しめました。

あと、自分でアカウント取得して大学時代にやってたバンドの音源をアップしたり。まさか10年を経て、あの頃の楽曲を海外からも聴いてもらえるようになるとは思いませんでした。高校生の頃には入学祝いで買ってもらったシンセで年に50~60曲くらい作っていたので、当時BandcampやSoundcloudがあったら面白かっただろうな…とか思います。ちなみに曲はクソダサいので今後アップとか絶対にしません(笑)。



#12:Hostess Club Weekender


個人的に最もインディーロック熱が高かった時期にスタートした、ホステス・エンタテインメント主催のフェス。恵比寿ガーデンホー ルという明るいロビーが印象的で、スタッフによる物販含めピースフルな雰囲気に溢れたイベントとして現在まで続いています。初回は「ついにインディーに特化したフェスが!」と興奮して2日通しで参加。過去のベストラインナップはThe National、Warpaint、Youth Lagoon、King Kruleなどが出演した2014年2月の回でしょうか。

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ライブレポート:Hostess Club Weekender@Yebisu Garden Hall DAY1
ライブレポート:Hostess Club Weekender@Yebisu Garden Hall DAY2
ライブレポート:Hostess Club Weekender@新木場Studio Coast



#13:Metamorphose 2011開催中止


2011年、Metamorphoseの初参加を決めていました。出演予定はThe Flaming Lips、Tim Deluxe、Orbital、Cut Chemist、Galactic、Derrick May、Gold Panda、七尾旅人、にせんねんもんだい、EYE、GALAXY 2 GALAXY…え!?何コレ豪華すぎない?今思えば奇跡のようなメンツ。そして何より、この年の7月に亡くなったrei harakamiもアナウンスされていました。オフィシャルのバスツアーも申し込み、集合場所である東京駅に着いた矢先に台風による中止が決定。そのままヤケクソでカラオケしに行きましたね。もし開催されていたら素晴らしい体験になったと今でも思うだけに、中止の衝撃は僕の心にぽっかりと穴を開けていきました。



#14:『Attack on Memory』─音楽嗜好の転換をもたらした一枚─


2010年代初頭は、ドリームポップやチルウェイヴ、ギターポップなど「ドリーミー」「トロピカル」などの紹介文を伴うポップなサウンドを好んでいました。しかし2012年にCloud Nothings『Attack on Memory』を聴いたとき、目の前のドアがパッと開いて中からドス黒い世界が溢れてきたというか…。この感情は言語化するのはとても難しいけど、とにかくそれまでの価値観がひっくり返された瞬間でした。これをきっかけに、よりダークでノイジーでパンキッシュなサウンドを好む傾向に。



#15:邦楽ロック熱の再燃


2010年代初頭、それまで好きだったSUPARCAR、NUMBER GIRL、thee michele gun elephantなどの相次ぐ解散により興味を失ってしまった邦楽ロック。それからしばらくはほとんど洋楽しか聴かないような感じで、邦楽ロックはちょっと小馬鹿にしたところさえありました。

そんな中、snoozerの「レディ・ガガに勝てない日本のロック」という記事を読んだのがきっかけで聴いてみたのが神聖かまってちゃん。ふざけたバンド名だ、どうせクソみたいな音楽なんだろう…と思いつつ聴いて、最初は「何だこれ?」だったのがいつしかハマっていき…。邦楽ロックへの興味・関心を取り戻すことになった大きな出来事でした。



#16:ネットレーベルのフリーコンピ
邦楽に興味が向いたものの、やはり邦楽CDは洋楽輸入盤に比べて高い。しかも何聴いたらいいかわからない状態でいきなり高いCD買えないし…そんな時、「邦楽入門手引書」となったのがフリーでDLできるネットレーベルのコンピレーション。ano(t)raksの『Soon V.A.』『Upwards And Onwards V.A.』はまさにそんな「洋楽サイドから来た邦楽新参者」にピッタリなセンスで、The Paellas、Homecomings、Kai Takahashi、The Vanitiesといったお気に入りアーティストも見つかりました。



#17:アーティストインタビュー


そのThe Vanities(2014年に解散)にブログでインタビューできたのは貴重でした。まさか自分がアーティストに直接インタビューするなんて、2000年代は考えもしなかったこと。「この曲はどうやって生まれたのか?」「この曲のコンセプトは?」など、音楽を聴きながら頭に浮かんだ疑問を直接聞けること、そしてその答えが自分が思っていた以上に深かった時など、感動は非常に大きなものでした。その後ano(t)raks経由で知ったannie the clumsy、そしてアニーさん経由で知ったmay.eと、芋づる式(って言い方アレだけど)に新しいアーティストを知ることができ、そしてそれぞれにインタビューできたことは忘れられない経験になりました。しばらくやってないけどいつかまたやれたらいいですね。

[関連記事]:
[INTERVIEW]#1:The Vanities
[INTERVIEW]#2:annie the clumsy
[INTERVIEW]#3:may.e



#18:邦楽フェスの魅力


邦楽ロック熱が再燃し、もっといろいろ知りたい!と思ったとき、やはりネット試聴よりも現場をたくさん見て出会いを探したほうが楽しいはずと思い、Shimokitazawa Indie Fanclub、CONNECT歌舞伎町、YEBISU MUSIC WEEKENDといった中規模邦楽フェスに積極的に参加しました。出演アクトが多く、複数の会場で同時にライブが行われるフリートレイル形式で、ちらっと立ち寄って気に入ったらそのまま観て、気に入らなかったらサクッと次のステージに移動という手軽さが良かったです。レコード会社のA&Rにでもなったような気分で、好きなアーティストを発掘しにいく感じ。



以上が僕にとっての「2010年代前半、音楽関連で大きな変革をもたらした18のこと」でした。次回も2010年代前半総括企画として、今度は「2010年代前半ベストアルバムTOP50」を発表したいと思います。
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