ライブレポート

ライブレポート:Katy Perry@東京体育館

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プリンセス・オブ・ポップ、ケイティ・ペリーの4年ぶりの単独来日公演に行ってきました。3rdアルバム「Prism」に伴う「The Prismatic World Tour」の一環として行われた今回の来日公演は東京オンリーで、会場は東京体育館2DAYS。僕はその2日目である4月26日(日)の公演に行きました。以下、ライブレポートです。





まず、セットリストや細かい演出についてはできるだけ詳細に記録しておきたいので少々長くなるため、先に全体的なことから書きたいと思う。今回のコンサートを観てわかったことは、ケイティ・ペリーは「エンタテインメントとしてのライブパフォーマンス」という点において、間違いなく現代の最高峰クラスに位置するアーティストだということ。そう確信せざるを得ないほどに完璧なステージだった。


コンサート終了直後、僕はTwitterで「過去2、3年で観た全てのライブ、コンサートの中でベストだった」とツイートした。それは今も揺るぎないけど、もしかしたら過去5年や過去10年を振り返ってもそうかもしれない。控えめに「過去2、3年」に留めたのは、ここ数年の間に自分がライブやコンサートに求めるものの価値観が変わってきたから。


それはつまり、単純に楽曲そのものや演奏技術や立ち姿のかっこよさのみならず、ショーとしての「見せ方」「楽しませ方」の要素を強く求めるようになったということ。映像、ダンス、衣装、照明、演出など、ステージに関わる全てにおいてオーディエンスを驚かせ五感を刺激するものであり、ニュアンスとしては「派手さ、豪華さ」にも近い。そのようなものを求める現在の価値観においては、過去数年でベストだったのは間違いない。


昨年辺りからケイティ・ペリーは、自分の中で「最もライブを観たいアーティストTOP3」に入るほどだった。なぜ僕がケイティ・ペリーのライブをそれほどまで観たいと思ったかというと、もちろん彼女のことはデビュー当時から好きだし、最新作「Prism」が素晴らしい内容だったということもあるけど、何よりも海外でのライブ映像やNFLスーパーボウルでのパフォーマンスを観て、その徹頭徹尾エンタテインメントなステージに衝撃を受け魅了されたからだ。

Super Bowl Halftime Show 2015



だから今回も当然、大がかりなセットや衣装やダンサーたちのパフォーマンスまでとても楽しみにしていたのけど、それらすべてが期待以上だった。僕の望む理想のコンサート・パフォーマンスの全てがそこにあったと言ってもいい。それだけでなく、ケイティの内面の部分──アーティストとしての志の高さとサービス精神の旺盛さ、そして持ち前のチャーミングで愛すべきキャラクターを目の当たりにし、ますます彼女のことが好きになった。彼女も30代という節目を迎え、まさに今クリエイティヴィティの最初のピークを迎えているのかもしれない。最近、若手の女性ポップシンガーが次々と現れてきてはいるが、誰もがケイティの域にはまだまだ達していない。マドンナがその頂点にいるのは間違いないが、それに最も近い位置にいるのがケイティで、続く3番手はだいぶ差が空いたところで数人が争っているような状況だと思う。とにかくそんな風に感じさせるほどに圧倒的なコンサートだった。





というわけで、ここからは細かい部分をセットリストに沿って、日記的に書いていこうと思う。


開演の30分ほど前に会場に到達すると、すでにアイドルばりの派手な衣装に身を包み、カラフルなウィッグと個性的なメイクを施した人がたくさん。20代の女性が最も多い感じ。自撮り棒でセルフィーを撮る人もたくさんいて、何だか異世界のようだったけど、こういうアウェー感や浮いてる感の中に身を置くのはわりと好きなので、しばらくは会場の周りをウロついて個性的な人たちを眺めて楽しんだ。


会場内に入ってみると、正直座席は最悪に近かったけど(全席の中で3番目か4番目くらいにステージから遠い)、それでもこの東京体育館はスタジアムやアリーナほど大きくもないのでわりとステージが見やすい。


17時、開演時刻になると前座のThe Dollsが登場。全く知らない人たちだったけど、終始ハイテンションで絶叫するDJとバイオリン奏者という異色の女性デュオで、Ariana Grandeの「Problem」やSiaの「Chandelier」などをプレイ。30分ほどで終わったが、そのあと約1時間のインターバルは正直長過ぎた。せっかく温まった場内もだんだんダレてきた18時半少し前、場内が暗転。


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「Roar」のビートとともに大きな矛(ほこ)を持った多数のダンサーが現れ、やがて中央部分の床からケイティが登場。場内がもの凄い歓声に包まれる。ケイティは豹の顔をモチーフにした紫の衣装で、さながら戦隊モノの戦士のよう。かっこいいんだかコミカルなんだかよくわからない感じ。フルバンドの演奏をバックに、多数のダンサーとケイティが激しく動き回る様は冒頭から既に圧巻。その衣装は部分的に発光性のものが使われており、「Part of Me」では暗闇の中でダンサーたちが光る縄跳びを飛びまくった。たかが縄跳びなのに、いくつもの光の輪を描きながらの一糸乱れぬ動きには場内も歓喜に包まれた。


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このツアーは「The Prismatic World Tour」と題されているだけあって、ステージ全体のテーマはトライアングルと七色の光がテーマになっているらしく、原曲とはかなり異なるダンサブルなアレンジの「Wide Awake」では三角に組まれた足場にダンサーが登ったりアクロバティックな動きを見せた。そしてこのあとケイティは衣装替えのため中座。しかしその間も観客を全く飽きさせることなく、スクリーン上にはピラミッドが映し出されたのだけど、この映像のクオリティが半端なく高いのもすごい。そしてピラミッドと言えばあの曲しかない、僕も大好きな「Dark Horse」である。映像の中にエジプト風の神殿が登場すると、床から馬に跨ったケイティ登場。この馬も人間が操っているのだが、両足の関節部分も人が動かしているので動きがとてもリアル。映像だけでなくこういう大道具にもぬかりなく、優秀なクリエイターチームを揃えているのがわかる。まさにいろんな分野におけるクリエイターたちの英知を集約させたかのよう。


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ケイティはここではエジプトの戦士のようなシルバーの衣装。個人的にはここからのセクションが最も好きで、「Dark Horse」と同じくダークで神秘的なダウンテンポの曲「E.T.」、「Legendary Lovers」と続く流れが最高だった。さらにその後、ギタリスト二人が花道の先端でハードロックなギターリフを弾き、そこに四つ打ちキックが加わる。「ん?何この曲?」と思ったら、ハードロックEDMともいうべきアレンジに仕上がった「I Kissed a Girl」だった。これはとてもかっこよかった!途中でお尻を出してスカートをぺろんとやるパフォーマンスも、ケイティがやるとイヤラシイ感じがなくてむしろチャーミング。さらにはピンと伸ばした片足首を手で掴み、フィギュアスケーターのように片足で回転しながら歌う。もの凄い柔軟性・・・。


ここで再び衣装チェンジ。スクリーンにはネコたちがハリウッド(KITTYWOOD)の街を闊歩するCGアニメが流れ、これがなんともコミカルでかわいらしい。花道にはネコ姿のタップダンサーが現れひとしきり踊ると、ネコ耳にピンクスーツのケイティが登場、ミュージカル「CHICAGO」を思わせるキャバレー・ジャズ風アレンジの「Hot n Cold」へ。さきほどの「I Kissed a Girl」と同様、ファースト「One of the Boys」からの曲は大胆なアレンジが施されていたけど、いずれも音源化されたら絶対に欲しいようなかっこいいアレンジで、「原曲が聴きたい」という気持ちを一蹴するほどの完成度。その後Madonnaの「Vogue」が流れるダンスタイムの間は、ケイティがいつの間にか魚の骨をモチーフにしたドレスを纏っている。本当に目まぐるしく衣装やセットの雰囲気を変えるが、その都度異なるテーマがあって、プレイされる楽曲もそれに合ったものが組まれており、実によく練られたセットリストと演出だと思った。


続いてケイティはヒマワリがあしらわれたロングドレスと、カラフルなメッシュの入ったブロンドヘアにチェンジ。そしてここでゲストの登場。ケイティの立ち上げたレーベルMetamorphosisの第一弾アーティストの男性シンガーであるFerrasが、ケイティとのデュエット曲「Legends Never Die」を披露した。その後はケイティと同様にカラフルなブロンドヘアにヒマワリ柄ドレスを着たファンの女の子をステージに上げ、「『I Love You』は日本語でなんて言うの?」と日本語講習を行ったり、一緒にセルフィーを撮ったりのファンサービスタイム。「私はきゃりーぱみゅぱみゅが好きなの!どこにいるの?」と言いながら客席にいたきゃりー本人を指さしたり(スクリーンにも映し出された)、10年前にmyspaceでメッセージをくれたという日本で最初のファンを紹介したり。ここまでビッグになって、こんなにファン想いでサービス精神も旺盛なアーティストはなかなかいないと思う。


しばしのMCタイムの後はケイティがアコースティックギターを抱え、「The One That Got Away」を披露。曲間に「Thinking of You」を挿んだマッシュアップ・バージョンだった。ケイティは踊りながら歌うポップシンガーのイメージが強いが、もともとはMTV UnpluggedのアルバムもリリースするほどギターSSWなわけで、情感たっぷりにストロークに強弱を付け、とてもエモーショナルな弾き語りだった。


さて、「Walking on Air」からはいよいよクライマックスに向け、アゲアゲのダンサブル・モードに突入。ケイティは緑のウィッグを被りカラフルな衣装にチェンジ。歌の内容の通り、白い布を体に巻き付けて風になびかせたり、ダンサーが足を押さえてケイティが前傾姿勢になったりと、空を飛んでいるような演出。ケイティもダンサーも相当な運動量の凝った演出が続く。


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「Last Friday Night (T.G.I.F.)」とのマッシュアップとなった「This Is How We Do」ではリップスティックやタコス、ウンコ君(!)などの巨大バルーンがいくつも登場しアリーナを動き回っていたし、ステージ上ではバルーン製のオープンカーがバウンスしながら走り回る。とにかくステージのあちこちでいろんなことが起こっていて、遊園地のパレードのようだ。今回S席ではなくA席のチケットを取ったのも、このような演出の全景をしっかりと俯瞰で観たかったからなので、とても楽しめた(もっと近くで観たい気持ちも確かにあったけど)。


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「Teenage Dream」そして「California Gurls」とゴキゲンな曲で会場をダンスフロア化させクライマックスを迎えると、一旦はケイティやダンサーたちも引っ込んだ。が、ここでもお客さんたちを退屈させることはしない。やがてダンサブルな音楽が流れ始めると、スクリーンには「DANCE CAM」の文字が浮かび、場内で踊るオーディエンスの姿を次々と映し始めた。その中には楽しそうにはしゃぐベッキーやローラの姿もあり、オーディエンスもこれには大いに沸いた。


ここまで一瞬たりとも飽きさせないまま、いよいよアンコールが始まる。壮大なストリングスとともにレーザーがいくつも交差し、花火をモチーフにしたカラフルなドレスに身を包んだケイティが登場。彼女の曲の中でもとりわけエモーショナルで感動的なナンバー、「Firework」だ。サビではケイティの「ジャンプ!」の掛け声とともにオーディエンスが一斉にジャンプし、スクリーンには色とりどりの花火が乱れ飛ぶ中、狂乱のままに公演は幕を閉じた。


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■Katy Perry 2015/4/26 setlist
1. Roar
2. Part of Me
3. Wide Awake
4. Dark Horse
5. E.T.
6. Legendary Lovers
7. I Kissed a Girl
8. Hot n Cold
9. International Smile / Vogue (Madonna)
10. Legends Never Die (Ferras)
11. The One That Got Away / Thinking of You
12. Unconditionally
13. Walking on Air
14. This Is How We Do / Last Friday Night (T.G.I.F.)
15. Teenage Dream
16. California Gurls

-encore-
17. Firework



↓は、ダンサーの空中浮遊などの演出が日本ではなかったのと、いくつか日本ではやっていない曲もあるけど、全体的なパフォーマンスやスクリーンの映像、セットリストの流れはほぼ同じメキシコでのツアー映像。僕の文章では伝えきれないすごさがわかってもらえるんじゃないかと思います。オーディエンスの熱狂ぶりやシンガロング度が日本よりかなりすごいですが。

Katy Perry en Monterrey, Mexico 14/Oct/14





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