初聴きディスクレポート

初聴きディスクレポート Vol.72(2015年6月)

2015年6月に初聴きした音源の感想まとめ。上半期も終わりということで今月は新譜も比較的たくさん聴きましたが、新譜・旧譜にかかわらず5つ星が多かったです。さらに、日本の某有名バンドに突然ハマるという予想外の出来事もあったり。



★★★★★ 年間ベスト20位以内クラス*
★★★★☆ すばらしい
★★★☆☆ 標準レベルの良作
★★☆☆☆ 若干気になる部分あり・もっと聴きこみ必要
★☆☆☆☆ 期待ハズレ
☆☆☆☆☆ 全然ダメでした

*今年リリース作品でない場合、旧譜のみから選ぶ年間ベスト20位以内クラス




6月のALBUM OF THE MONTHはこちらの作品。先月に続き、またしてもライブ盤となりました。


■ALBUM OF THE MONTH■
OGRE YOU ASSHOLE / workshop (2015)
★★★★★
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どのシーンにも属さない存在ながら各方面からリスペクトを集め、特にここ数年は邦楽ロック・シーンの中でも異彩を放ち、まさに「孤高」という言葉がしっくりくるOGRE YOU ASSHOLEの初のライブ・アルバム。彼らの場合、ライブとはスタジオ音源を解体し再構築する実験の場であるとともに、サウンド・エンジニアによる音響エフェクト含めてのトータル・パフォーマンス・アートであり、ライブを重ねるごとに常に進化を遂げる生き物のようなものなので、現時点における「完成形」がこうしてパッケージ化されることは単純にとてもうれしい(彼らのライブに「完成形」などというものは存在しないのだろうけど)。

ひと口に「ライブ・アルバム」と言っても、彼らの場合それが他のスタジオ・アルバムと同等、いやそれ以上の価値を持つと思う。「ライブ・アルバム」の概念さえ破壊したと言える本作は、一聴し終えるまでもなく『homely』、『100年後』、『ペーパークラフト』といった近年の三部作を越えたと確信できた。つまり本作は彼らの最高傑作だと言える。

ライブはすでに何度か体験しているので、本作に収められたテイクのアレンジが最高なのは言わずもがな。でもそれ以上に、録音・ミックス・選曲・構成といった部分においても完璧だと思う。ライブのセットリストと同様、アルバム前半と後半で「ROPE」の異なるバージョンが収録されていること。レコードA面にあたる5曲がシームレスに繋がっていること。「ROPE long ver. 」の後半、リミッターギリギリまで過圧縮された音の塊が、まるでダムが決壊した瞬間のように押し寄せてくるカタルシス。そしてそんな音に呆気に取られているところで、ラスト「他人の夢(coda)」でハッと夢から覚めたような気持ちになること。スタジオ・アルバム以上にコンセプチュアルでストーリー性の高い作品だと思う。

OGRE YOU ASSHOLE - "workshop trailer 2"




Róisín Murphy / Hairless Toys (2015)
★★★★★


元Molokoの女性シンガーのソロ3作目。実はこのアルバムをネットで注文したあと、少し後悔していた。先行公開されていた「Exploitation」と「Gone Fishing」の2曲のみを聴き、その勢いで注文してしまったから。しかし手元に届き、いざ通して聴いてみるとそんな不安が吹き飛ぶほど最高だった。ミニマルでダンサブルな前述の2曲が素晴らしいのはもちろんのこと、中盤に位置する「Exile」はオールディーズ風情漂うバラードでアルバムの中でもアクセントになっているし、それに続く「House of Glass」は静かなイントロから、徐々に熱を帯びビート感が増していく展開が圧巻。全8曲とコンパクトながら、最小限の音と官能的なヴォーカルによる、緩急のバランスのとれたダンス・アルバム。

Róisín Murphy - "Exploitation"




L'Arc~en~Ciel / Tierra (1994)
★★★★★


後日あらためて経緯を書こうと思うけど、突然のラルク・ブームが到来。イッキにアルバムを複数枚聴いた中で最も良かったのがメジャーデビューアルバムとなる本作。「All Dead」のダークでグルーヴィーなサウンド、レゲエのリズムを効かせたアコースティックな「Wind of Gold」、ボサノヴァ風なヴァースから一転、サビでグランジィなギターが加わる奇抜なアレンジの「眠りによせて」など、4人の個性と音楽センスが激しく化学反応を起こしているかのような、ヴァラエティ豊かな作品になっている。

これまでも彼らのポップセンスやかっこよさについてはある程度理解していたつもりだったけど、ヒットシングルでなじみ深くあまりにメジャーな存在だったため、アルバムをちゃんと聴くに至らなかった。しかしこうしていくつかのアルバムを聴くと、いくつかのヒットシングルから勝手に抱いていた彼らのイメージを覆すのに十分過ぎるほど、どの作品も驚きと新鮮さがあって面白かった。

L'Arc~en~Ciel - "All Dead"




Noah / Sivutie (2015)
★★★★★


北海道出身のアンビエント/ドローン/エクスペリメンタル/エレクトロニカ系プロデューサーによるファースト。硬質なビートやノイズが印象的な曲や、ガラス細工のように繊細なウィスパー・ヴォイスが美しく響き渡る曲、ピアノのみのシンプルな曲、無機質な音の残響音が幽玄に広がる曲などさまざま。Björk『Vespatine』、Slowdive『Pygmalion』、Aphex Twin『Selected Ambient Works 85-92』などにも通じる、オーロラのような美しさと儚なさを備えた作品。

Noah - "Flaw"




大森靖子 / 絶対少女 (2013)
★★★★★


メジャー1st『洗脳』は当ブログの2004年ベストアルバム5位、インディーズ1st『魔法が使えないなら死にたい』は2014年上半期の旧譜ベストアルバム7位といずれも高評価。前者は躁状態で弾けるアイドル(風)ストレンジ・ポップ、後者は鬱な四畳半フォークがメインだったけど、インディーズ2ndとなる本作はまさにその異なるモードの中間にあり、躁鬱的とも言える。

その予測不能なライブ・パフォーマンスや狂気を孕んだ多重人格的歌唱法、心をえぐるような鋭い歌詞、炎上も上等と言わんばかりのキャラクターにばかり目が行きがちな彼女だけど、本作を聴いてもっとも強く感じたのは彼女が素晴らしいソングライターでありメロディメイカーであること。後半はシンプルな弾き語りの曲が矢継ぎ早に繰り出されるため、ややデモ音源詰め合わせのように感じる部分もあるし、全15曲となかなかのヴォリュームでもある。しかしだからと言って削れるような駄曲が一曲として存在しない。それほどまでに各楽曲のメロディはしっかり書けていると思う。

歌唱に関しても他の作品以上にエモーショナルで強烈な個性を感じる。特に「Over The Party」と「あれそれ」は、そんな彼女の魅力がぎゅっと凝縮された一曲。

大森靖子 - "ミッドナイト清純異性交遊"




Donnie Trumpet & the Social Experiment / Surf
(2015)

★★★★★
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Chance the RapperがDonnie Trumpet & the Social Experiment名義でフリーで公開したアルバム。これまでChance the Rapper自体にはほとんど興味を持っていなかったのだけど、音楽メディア受けしている人ではあるしフリーということで軽い気持ちで聴いてみたら予想外に良かった。

単なるラップ/ヒップホップ作品ではなく、全体的にトリッピーかつビザールな印象。ディレイのかかったトランペットの音がアシッド感を醸し出すサイケデリックな「Nothing Came to Me」、レトロフューチャーなエレクトロ・ソウル「Wanna Be Cool」など多彩な曲で構成されつつ、作品としてもしっかりまとまっている。

Donnie Trumpet & the Social Experiment -
"Sunday Candy"





L'Arc~en~Ciel / True (1996)
★★★★★
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多彩なサウンドで彩られた通算4作目(メジャー3作目)。hydeの美声が冴えるミディアム・バラード「Fare Well」に始まり、打ち込みの四つ打ちキックが驚きを与える「Caress of Venus」、ハードな「Round and Round」、ホーンが軽快なネオアコ歌謡「the Fourth Avenue Cafe」、子供のコーラス隊をフィーチャーした楽しげなクリスマス・ソング「I Wish」など、Jロックでもヴィジュアル系でもない「Jポップ」としての側面が前面に押し出された曲ばかり。異なるタイプの曲が並びながらも作品としてまとまっている辺りはThe Cureを連想させる。リリース当時ラジオでよく聴いていたシングル「Lies and Truth」は、あらためて聴くとストリングスのアレンジがあまりに秀逸。

L'Arc~en~Ciel - "I Wish"




L'Arc~en~Ciel / HEART (1998)
★★★★★
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まず冒頭の「Loreley」からして、こういう重くてダークな曲を1曲目に持ってくる辺りがThe Cureっぽい。ラルクにハマった理由としては、『True』のところでも書いたように随所にThe Cureからの影響が見受けられたからで、ダークでゴシックな美意識に貫かれながらもストレートなロックから民族的な曲、ジャズ/ボサノヴァなどを取り込みつつ、それをポップ・ミュージックとして鳴らしてしまうという点にある。空前のラルク・ブームを引き起こす起爆剤となった作品。

L'Arc~en~Ciel - "Loreley"




Cold Cave / Full Cold Moon (2014)
★★★★☆


2011年作『Cherish the Light Years』が4月のALBUM OF THE MONTHに選出。本作はその後リリースされたシングル5作の編集盤。各シングル表題曲は『Cherish~』の延長線上とも言えるダークでありながらキャッチーなシンセ・ポップだけど、とりわけ面白いのはそれ以外、いわゆるシングルのカップリングにあたる曲たち。「Tristan Corbiere」のように実験的でミニマル・エレクトロニカなインスト曲であってもとにかくポップ。このWesley Eisoldという人は元々パンクバンド出身だけど、根っからのポップ精神の持ち主なのだろう。ダークなメロディであっても必ずポップになってしまう辺りは、彼が多大な影響受けてそうなThe Human Leagueにも通じる。



Dan Deacon / Gliss Riffer (2015)
★★★★☆


ボルティモアの奇才エレクトロニック系アーティスト。ハゲ×デブ×メガネなルックスを全面に押し出してキワモノとしてのキャラクターを武器にし、破天荒なライブ・パフォーマンス、チャイルディッシュかつ暴力的な電子音楽という点で、存在感としてはAphex Twinにかなり近いと思っている。これまでの作品よりも性急な感じはなくなり、ポップでキュートなミディアム・エレクトロが多くなった印象。後半になるにつれサイケデリック度が増していき、終盤はポストロックのようなミニマルかつ静謐な雰囲気のままにそっと終わる。



Mika / No Place In Heaven (2015)
★★★★☆


安定のMikaクオリティ。前作はやや大人しめな印象も強かったけど、本作はポップ・マエストロとしての本領発揮。名曲「We Are Golden」を収録した2009年の2nd『The Boy Who Knew Too Much』にとても近い印象。



Tuxedo / Tuxedo (2015)
★★★★☆


Mayer HawthorneとJake Oneによるディスコ・ファンク・ユニット。ファレルの『Girl』から昼間の陽気さを抜き、代わりにアーバンかつアダルティな夜の成分を注入したような、洗練されつつも踊れる作品。



'Til Tuesday / Everything's Different Now (1988)
★★★★☆


現在はソロで活躍するベテランSSW、Aimee Mannがかつて在籍したニューウェーヴ・バンドの3作目にしてラスト作。ちなみにデビュー作『Voices Carry』は今年1月のALBUM OF THE MONTHにも選ばれている。

ジャケの通りエイミーとマイケルによる2人組のような感じで制作されたらしいけど、Matthew SweetやElvis Costelloがゲスト参加しているという点も興味深い。80'sな雰囲気は残しつつ、ニューウェーヴ色は後退してかなりオーセンティックなポップス寄りの音になっている。それにしてもこの頃のエイミーは声もルックスも美しくてかっこいい。



Major Lazer / Peace Is the Mission (2015)
★★★★☆


Diploを中心とするプロデューサー・チームの3rd。全9曲で32分とヴォリュームとしてはやや物足りないけど、チルなムードの「Be Together」、エキゾチックな「Lean On」からアゲアゲなラガ・ナンバー「Too Original」、クラブで盛り上がること必至のパーティ・ジューク「Roll the Bass」まで、無国籍感とゴッタ煮感に包まれた最高に楽しいアルバム。前作路線を踏襲しつつ、よりメインストリームに接近した感じ。



DYGL / EP #1 (2015)
★★★★☆
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Ykiki Beatのメンバー2人が在籍する4人組の4曲入り1st EP。Bandcampにてカセットとname your priceでデジタル購入可。Ykiki Beatと比べるとシンプルなギター・バンド編成による荒削りなガレージ・ロックながら、決して海外のバンドの焼き直しではないオリジナリティを感じさせる。英語の発音の良さが指摘されることも多いけど、それよりもまず声が良い。キレイ過ぎず、ぶっきらぼうな歌い方ながらワイルドさとセクシーさがにじみ出ている。
DYGL Official Bandcamp



L'Arc~en~Ciel / heavenly (1995)
★★★★☆
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通算3作目、メジャー2nd。前作と比べ急に音の質感がメジャーっぽくなって冒頭からびっくりした。ミックス・マスタリングのせいでロックっぽさが減退し、Jポップ感が強くなった。ヴォーカルにかけられたリヴァーブがちょっとダサかったりもする。

ジャジーな「Secret Signs」、MajiでKoiする5秒前的タンバリンが印象的な「C'est La Vie」、山口百恵っぽさとオリジナル・ラヴ感が同居する哀愁歌謡ソウル「夏の憂鬱」などは「えっ!こんな曲やっちゃうの?」と驚かされたし、初めは非常に違和感の強い作品だった。でも他のアルバムも含めて何度か聴くにつれて彼らの本質が見えてくるとともに、これらの「ラルクの王道から外れた曲」こそが彼らの真髄なのだと気付き、途端に本作の良さがわかり始めた。そしてこのハマり方のパターンもThe Cureの時と同じだ。



The Look At Me's / Jabberwockies (2015)
★★★★☆
The Look At Mes_Jabberwockies

都内で活動する4人組バンドの3曲入りEP。メンバー全員30代、メンバー全員会社の同僚同士、そして収録曲のタイトルは「東新宿ブルース」「きみもヤクザになれる」「じゃばうぉっきー」。…ふざけてるんだろうか。これらの情報から何となくイメージされるのは古典的ブルーズ・ロックにサラリーマン哀歌的な歌詞を乗せたものだったりするのだけど、実際はメンバー自らAmerican FootballやBraidといったバンドへの憧憬を語る通り、美しいギターのアルペジオが印象的な90年代エモ直系のサウンド。しかもヴォーカルはフィリピン人とアメリカ人のハーフということで歌詞は全て英語。今年の「出れんの!?サマソニ」で一次予選を通過したらしく、今後も注目したい。



Travis / The Boy With No Name (2007)
★★★★☆


ライブでは何度か聴いたことのある(そしてしっかり耳に残っている)「Selfish Jean」や「Closer」が収録された5作目。さすがに歴史的名盤『The Man Who』や、一昨年リリースの傑作『Where You Stand』には劣るものの、やはりこのバンドはキャッチーないい曲を書く。そこにフランの美声が乗ることでメロディの良さがさらに引き立っている。



Jay-Z / The Black Album (2003)
★★★★☆


90年代から活躍する大御所ラッパー/プロデューサーの8作目。本作はDanger Mouseによる『The Grey Album』でThe Beatlesの『The Beatles』(通称White Album)とマッシュアップされたことでも有名。

以前聴いた2001年作『The Blueprint』はまだ90年代後期の典型的なヒップホップ・ビートを引きずっていて少し古臭い印象だったけど、本作は完全に「攻め」のビート。ヒップホップの新しい方向性を探求している感じが伝わってくるし、Rick Rubinをプロデューサーに迎えた代表曲「99 Problems」の攻撃的な音もかっこいい。それにしてもプロデューサー陣として他に名を連ねているのはKanye West、The Neptunes、Timbaland、Eminem、DJ Quikなど…豪華すぎ。



Editors / An End Has a Start (2007)
★★★★☆


先月のこの記事で1st『The Back Room』を取り上げたEditorsの2nd。オープニングの壮大な「Smokers Outside the Hospital Doors」からして前作からの大きな飛躍を感じさせる。ギターの音もシューゲイザー的というか、轟音を幾重にも重ねたような空間系の音になり、サウンドに厚みが増している。ただ、前作路線の四つ打ち・裏ハットのドラムが入ると途端に古臭さが感じられてしまう。やはり彼らは3作目『In This Light And on This Evening』が至高。



山口百恵 / This is my trial (1980)
★★★☆☆


ファイナルコンサートのあとにリリースされた山口百恵のラスト・アルバム。このアルバムからは1曲もシングルカットされていないということで扱いが難しいけど、宇崎竜童、谷村新司、井上陽水と作曲陣は豪華で、ロック調の曲ではワイルドに、バラード調の曲ではしっとりと優しく歌うその歌唱力の高さには驚かされる。当時まだ21歳にしてこの貫録と色気のある歌声。ジャケの妖艶さとセクシーさもとても21歳とは思えない。



Paul Simon / Graceland (1986)
★★★☆☆


Simon & Garfunkelの小さい方のソロ7作目。よく80年代の名盤に選ばれているし、ミュージシャンからフェイバリットに挙げられることも多い。

音の方はS&Gのフォーク路線とは全く異なり、アフリカン・ミュージックやさまざまな民族音楽とフォークをニューウェーヴ流に調理したサウンドは今もなお新鮮。ややとっ散らかった感じもあるけど、オザケンもパクった「You Can Call Me Al (En Vivo!) 」をはじめとする軽快なサウンドは気持ちいい。個人的にはジャケも好き。



Vashti Bunyan / Just Another Diamond Day (1970)
★★★☆☆


2005年に『Lookaftering』をリリースするまで、35年で唯一リリースしたのが本作のみだった伝説的女性フォークシンガー。カルト的な人気を誇り「フリーク・フォークのゴッド・マザー」とも呼ばれるけど、かといって難解だったりサイケなわけではなく、「ABCの歌」をモチーフにした曲もあったりとポップで聴きやすい。ややくぐもったハイトーンの歌声はところどころJoni Mitchellを思い出させる。



Black Sabbath / Never Say Die! (1978)
★★★☆☆


先月聴いた『Technical Ecstasy』と同様にヒプノシスがジャケットを手掛けた8作目。まず1曲目「Never Say Die」のイントロからギターとドラムの音がめちゃくちゃかっこいい。初期のダークで重いイメージとは違って、全体的にThe Datsunsのようなアッパーなガレージ・ハードロック。「Johnny Blade」ではウニョウニョしたアナログ・シンセの音が入っていたり、「Air Dance」みたいなジャズ/フュージョンな曲があったり、「Breakout」のようにブラスをフィーチャーしたインストなどもあって非常に面白い。



イエロー・マジック・オーケストラ /
YELLOW MAGIC ORCHESTRA (1978)

★★★☆☆


細野晴臣・高橋幸宏・坂本龍一の3人の天才ミュージシャンによるYMOのファースト。8bitのアーケード・ゲーム音を模したテクノ・サウンドにエキゾチックな東洋的メロディーが乗ったサウンドは、今聴いてもかなり斬新でポップかつアヴァンギャルド。ただ翌年の2nd『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』と比べるとまだサウンドにローファイ感があり、メロディーのキャッチーさも劣る。逆に1年であそこまで進化したのもすごい。



Robin Schulz / Prayer (2014)
★★☆☆☆


ミックスCDなのか何なのか扱い難しいけど、全米で大ヒットしたLilly Wood & The Prick & Robin Schulz名義の「Prayer in C」の他、Lykke LiやClean Bandit、Coldplayなどのリミックスが収録されている。EDMマナーは随所に感じられるものの淡々としていて、EDM特有の高揚感や派手さは皆無。まさに「平熱のEDM」と言えるけど、どれも大仰なサビや展開があるわけではないので「えっ、もう終わり?」という曲が多かった。全体がこのような曲調なら、各曲をシームレスに繋いでミックスCD風にした方が良かったと思う。



Vincent Gallo / When (2001)
★★☆☆☆


『Buffalo '66』や『The Brown Bunny』などの映画でも知られる俳優・監督によるアルバム。極端にセリフの少ないロードムービーのように淡々と進行していく感じ。歌声はどこか頼りなさげで上手くもないけど、アナログ感溢れるローファイなサウンドとの相性はとても良い。ただ彼の映画を観たことがないせいか、淡々とした音楽の中に情景が思い浮かんでこず、ちょっと退屈だった。



Little Richard / Little Richard's Greatest Hits (1967)
★☆☆☆☆
Little Richard Little Richards Greatest Hits

ロックンロールの創始者の一人と言われるLittle Richard(ご存命)のベスト盤…と思って買ったんだけど、何とライブ盤だった。タイトルに騙された感じ。まあ、確かにジャケの右下に「RECORDED LIVE」と書いてあるのだけど、値札で隠れていたし。そういう意味において期待ハズレだったためにここでは星2つとするけど、とりあえず67年の録音なのにやたらと音質はいい。ホールとかではなく小さなヴェニューでライブしているような「至近距離感」があって、彼の汗やらツバがかかりそうな勢い。これはこれでライブ盤として素晴らしい。






厳密には初聴きではないので★は付けないけど、以下のアルバムも買いました。

The Mamas & The Papas / 16 of Their Greatest Hits (1986)


1965年結成、「California Dreamin'(夢のカリフォルニア)」が有名な男女4人組フォーク・グループのベスト盤。大学生の頃に借りて以来MDで所持していたけど、CDを買い直して久々に聴いてみてもやはり素晴らしかった。コーラスワークがとても美しく、哀愁メロの「California Dreamin'」以外にも「Monday, Monday」「Dedicated to the One I Love」など名曲揃い。ベスト盤はいくつか出ているけど、本作は曲間にちょっとしたメンバー間のやり取りが挿入されている「Midnight Voyage」がラストに収録されているところが好き。



Nirvana / Bleach (1989)


もはや説明するまでもないNirvanaのファースト。初めて聴いた時は大学生の頃で、先に『Nevermind』と『In Utero』を聴いていたため本作のドラムの音のショボさに驚かされた記憶がある。しかもドラムはデイヴ・グロールじゃないし!というわけでしばらくカセットで所持していたのみでほとんど聴くこともなかったのだけど、昨年ようやくNirvanaの良さがわかり(遅)、本作も再入手することに。

当時は気に入らなかったこの音の悪さも、今となってはガレージ感、グランジ感が溢れんばかりに滲み出ていて逆にかっこよく思える。あらためて聴くと何曲かはほとんどメタルやハード・ロックのようだけど、『Nevermind』への布石となった本作を聴くと、時代がオルタナ/グランジへと移行していくさまを見ているようで感慨深い。



MC5 / Kick Out the Jams (1969)


こちらも大学生の頃に友人から借りた作品。当時はSex Pistolsを聴いてパンクにハマった頃だったので、これを聴いても「求めてるものと何か違う…」という感じだった。パンクなのに最後インプロみたいな感じで終わるし。今となっては、音質の悪さはやはり若干気になるものの、「これぞデトロイト・パンク!」という感じでかっこいい。



【次月予告】(音源購入済みor予約注文済みでまだ聴けていないもの)
Tame Impala / Currents (2015)
Years & Years / Communion (2015)
Little Boots / Working Girl (2015)
The Internet / Ego Death (2015)
Jamie xx / In Colour (2015)
Best Coast / California Nights (2015)
Hannah Cohen / Pleasure Boy (2015)
Muse / Drones (2015)
MEW / + - (2015)
L'Arc~en~Ciel / REAL (2000)
L'Arc~en~Ciel / ark (1999)
L'Arc~en~Ciel / ray (1999)
L'Arc~en~Ciel / DUNE (1993)
Public Image Ltd / Flowers of Romance (1981)
Otis Redding / The Dock of the Bay (1968)
The Band / Music From Big Pink (1968)
Queen / A Night At the Opera (1975)
Queen / The Game (1980)
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