フリートーク

My Beautiful Dark and the Infinite Sadness -暗くて美しい、泣けるうた12選-

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秋の気配を感じる今日このごろ。そんな季節には、哀愁漂うノスタルジックな曲が聴きたくなります。今回は、暗く陰鬱なムードでありながらも美しく、そして泣ける名曲をセレクトしてみました。悲しげなピアノの旋律が印象的な曲が多めです。





Mono - "Life In Mono"
from Formica Blues (1997)


90年代半ばのトリップ・ホップ・ムーブメントの中で登場した男女デュオ。映画スコアのような重厚なストリングスとクラシカルなチェンバロの音に、ジャングルのエッセンスを注入したヒップホップ・ビート、そしてジェーン・バーキンばりの美しいウィスパー・ヴォイスの組み合わせはズルイ。こんなの反則!



The Delgados - "Woke From Dreaming"
from Hate (2002)


MogwaiやArab Strap、Bisらの作品をリリースしたことでも知られるグラスゴーのインディー・レーベルChemical Underground。その創設者がこのThe Delgados。4作目となる本作のプロデューサーは前作『The Great Eastern』と同じくデイヴ・フリッドマン。相変わらずドラム・サウンドをはじめイイ仕事してます。物悲しいピアノのイントロから始まり、ストリングス、男女混声のヴォーカル、コーラス隊など全編にわたって陰鬱な要素満載ですが、2分51秒辺りからのマイナー調→メジャー調への展開は見事としか言いようがありません。暗闇の中で一気に光が射して明るくなるような感じ。



Beach House - "Gila"
from Devotion (2008)


先日リリースされたばかりの5作目『Depression Cherry』がUSチャート初登場8位だったボルチモアの人気ドリーム・ポップ・デュオの2作目収録。ただ陰鬱なだけではなく、異国情緒溢れる不思議なコード感に包まれた、とろけんばかりのダーク・サイケデリア。にしてもこのMV中のヴィクトリア・ルグラン、かわいすぎませんか?



Blonde Redhead - "Melody"
from Misery Is a Butterfly (2004)


日本人のヴォーカル、カズ・マキノ擁する3人組の6作目収録。4ADからのリリース。ドラムがThe Cureの「The Drowning Man」を下敷きにしていると思われます。ちなみに「暗くて美しい、泣けるうた」という意味では、このアルバムは全曲そんな感じです。



Grandaddy - "Shangli-La"
from Just Like the Fambly Cat (2006)


現時点でのラスト・アルバム(本作リリースと同時に解散を発表)のラストに収録された曲。厳密にはシークレット・トラック扱いで、ジャケットにタイトルの表記はありません。「ツアーとか辛いし、お金稼げないんで普通の生活に戻ります…」と言って解散した彼らが最後に繰り返し歌う「I'll never return to Shangri-La (僕は決して理想郷には戻らないつもり)」という歌詞には胸が締め付けられます…。が、2012年に再結成し、つい先日復帰作を制作中であることが発表されました。嬉しい。



The Smashing Pumpkins - "Crestfallen"
from Adore (1998)


98年のマイ年間ベストアルバム1位だったスマパンの4作目『Adore』。それまでのハードな路線を完全封印し、ゴス/ニューウェイヴ/インダストリアルな作風で、繊細かつダークで美しい曲が中心。ジャケットのアートワーク含めゴシック要素が満載です。この曲はイントロのピアノの哀愁感がすごく好きです。



Jimmy Eat World - "Work (Acoustic Version)"
from Work [single] (2005)


エモーショナル・ロック界隈の人気バンド、JEWの2004年作『Futures』からのシングルB面に収録されたアコースティック・バージョン。メロディーとジム・アドキンスの歌い方が最高にエモい。原曲はハードなギターやパワフルなドラムも加わっているけど、アコースティックのシンプルなアレンジの方がエモさが前面に出ています。



Johnny Cash - "Hurt"
from American IV: The Man Comes Around (2002)


2003年に他界した大御所カントリー・シンガーによるNine Inch Nailsのカバー。プロデュースはリック・ルービン、MV監督はマーク・ロマネク。このMVはほんと泣きました。というのも、2006年に日本で公開された彼の伝記映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』を観て、彼の波乱に満ちた人生や全盛期の栄光を知り、ほぼ同時期にこのビデオを観たら、完全に映画のエピローグ的な感じになってて。MVの中で、自身の記念館にもなっている自宅は雑然としていて虚無感に包まれており、若かりし頃のキャッシュとジューン・カーター(奥さん)の姿が回顧的に差し込まれる中、年老いて重度の肺炎と自律神経失調症を患ったキャッシュがジューンとともに空虚な表情で佇む…。そしてこの曲のリリースから2ヶ月後にジューンが死去、さらにはその4ヶ月後にキャッシュも妻の後を追うようにこの世を去ったという事実。なんか彼の人生の悲喜交々を全て見てしまったかのような感覚におそわれます。



Massive Attack - "Heat Miser"
from Protection (1994)


Portisheadと並ぶトリップ・ホップの代表的グループの2作目より。ピアノのリフが印象的なインストで、酸素マスクのような音がSFムード漂っていて好きです。



Dot Allison - "In Winter Still"
from Afterglow (1999)


元祖クラブ・ミュージック界の歌姫のソロ・デビュー作より。90年代初頭にアンドリュー・ウェザーオールらがプロデュースした伝説的なグループOne Doveの美麗なヴォーカルとして知られ、本作ではマニ(The Stone Roses、元Primal Scream)とケヴィン・シールズ(My Bloody Valentine)など豪華なメンツが参加。耽美かつサイケな隠れた名盤。



Röyksopp - "Tristesse Globale"
from The Understanding (2005)


ノルウェーのエレクトロニック・デュオの2作目のラストを飾る短い曲。物悲しいピアノの弾き語りで、全体的にメランコリックなムードに包まれた本作を締めるに相応しい曲です。



Bat For Lashes - "Laura"
from The Haunted Man (2012)


Bat for Lashesことナターシャ・カーンの3作目「The Haunted Man」からのシングル。この曲のビデオはYouTubeの「イノベーション・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされたらしいです。ピアノの弾き語りによる、美しくもせつなさに満ちた曲。





以上12曲でした。90年代以降の楽曲中心になりましたが、正直最近では存在すら忘れられているような作品の楽曲もあります。ただ最近の曲ばかり選ぶのではなく、あくまでこれまでに出会ってきた中でも特に印象深い、今回のテーマ「暗くて美しい、泣けるうた」に合う楽曲を選んでみたつもりです。今年の秋はこれらの曲のプレイリストでも聴いて、どっぷりノスタルジーに浸ろうかと思います。

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