Albums of the Month

Albums of the Month (2017年6月)

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毎月恒例、初聴き音源のログです。今年になってからは新譜を5枚程度しか聴けていなかったのですが、上半期も終わりということでスパートをかけ、6月だけで新譜を17枚聴くことができました。一気にカッ食らった感ある。





■6月のベスト・ディスク■

Cloud Nothings / Life Without Sound (2017)
★★★★★
Cloud Nothings Life Without Sound

前作『Here and Nowhere Else』は2014年の年間ベスト・アルバムで2位、前々作『Attack on Memory』は2012年の1位に選んでいるけど、今回のアルバムは実はあまり期待していなかった。所詮はギター・ロックの範疇に留まるバンドであり、余程の方向転換でもしない限り(そしてそれが成功しない限り)過去二作を超えることはさすがに不可能だろうと。先行シングル「Modern Act」は「いい曲だなー」と思ったけど、それはそれで(ああ、もう彼らはポップ路線に行っちゃうんだ…)みたいな寂しさがあったし。

でも何ですかこれ?は?めちゃくちゃいいんですけど?

ピアノのせつないリフが印象的な冒頭曲からして、元々メロディ・センスにも定評のあった彼らが新たな次元に突入したことを物語っているし、従来の疾走パンク曲もこれまで以上にヘヴィ。特にラストの「Realize My Fate」は「No Future No Past」をも軽く凌駕する出来。ギタリストが加わり再び4人体制に戻ったことで、2人のギターの絡みも面白い。勢い一辺倒だった前作(そこが魅力でもあったんだけど)とは違い、曲によってはThe Strokesっぽかったりスマパンっぽかったりと曲調もバラエティに富んでいるのが特に良かった。

『Here and Nowhere Else』や『Attack on Memory』を超えたとは、現時点ではまだ言えない。けど、確実にそれらに引けを取らないレベルだと思う。

Cloud Nothings - "Internal World"




以下、まずは今年の新譜を良かった順に。

Jane Birkin / Birkin/Gainsbourg : le symphonique
(2017)

★★★★★
Jane Birkin Birkin Gainsbourg le symphonique

Serge Gainsbourgが手がけたJane Birkin楽曲を、オーケストラでリアレンジした作品。既発曲ばかりなのでいわゆる企画盤としての側面が強いが、これが本当に素晴らしい。Gainsbourgのソングライティング力の素晴らしさにあらためて気付かされるのはもちろん、アレンジも素晴らしく、一口にオーケストラ・アレンジといっても、クラシック調やビックバンド・ジャズ風、ポスト・クラシカル風と様々な意匠が凝らされていて、全21曲・70分超というランタイムながら全く飽きさせない。

2人の代表曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(Je t'aime... moi non plus)」が未収録という点も評価したい。このアルバムのコンセプトを考えれば、この曲はジェーンが1人で歌う曲でもなければセルジュ以外の男性と歌う曲でもないのだから。

Jane Birkin - "La Javanaise"




Perfume Genius / No Shape (2017)
★★★★★
Perfume Genius No Shape

前作『Too Bright』はあまり良いと思えず試聴のみでスルーしたけど、今回のアルバムは前作がなかったら確実に生まれなかったと思う。アート方面に急激に舵をきった前作は、自分には、というか本人さえも付いていけてなかったように思う。1st、2ndの頃からあったポップ・センスやソングライティング・センスはそのままに、前作での実験性やアート性を彼なりのフィルタでうまく昇華させた、これまでの集大成的とも言える傑作。

Perfume Genius - "Slip Away"




Grandaddy / Last Place (2017)
★★★★★
Grandaddy Last Place

2006年に「バンドを維持していくだけのお金が稼げないから」という理由で解散するも、2012年に再結成。そして再結成後初となるアルバム。でもこれは、彼らの復活を祝福する作品ではない。それはこのアルバムが従来の彼ららしさ全開の「せつないメロディー」に貫かれているからという理由だけではない。

ベーシストのKevin Garciaは、本作リリースの2ヶ月後に脳卒中により41歳の若さでこの世を去った。もしかしたら以前から具合が悪く、そのことをメンバーも知っていたのかもしれない。そして本作を制作した理由が、(昨年のDavid BowieやLeonard Cohenと同様に)自らの命がそう長くないものだと悟ったからだとしたら…。

そう考えるとタイトルの「Last Place」も、本来は「ビリ」や「最下位」のような意味だが、もしかしたら彼らはこのアルバムを復活作であると同時に真のラスト作のつもりで制作し、「最期(を迎えるため)の場所」というダブルミーニングにしているのかもしれない。そう考えただけでも泣ける。

また、彼らの2nd『The Sophtware Slump』にはヒューマノイドの三号機「ジェディ3」が、主の留守中に酒を飲んで壊れてしまうストーリーが描かれた「Jed the Humanoid」と「Jed's Other Poem」が収められていたが、本作にはその後日譚ともいえる「Jed the 4th」という曲もあって、しかも歌詞が「ジェドは死に、そして息子を残した」みたいな感じで、そんなところもまた泣けた。

Grandaddy - "A Lost Machine"




Slowdive / Slowdive (2017)
★★★★★
Slowdive - Slowdive
22年ぶりの新作。期待を一ミリも裏切らない、まさにSlowdiveにしか鳴らせない美しく耽美なシューゲイザー・サウンド。独特の美学とアート・センスは22年という歳月を経ても全く陰りがない。



Kehlani / SweetSexySavage (2017)
★★★★★
Kehlani SweetSexySavage

「Advice」は上半期ベスト・トラック候補。

Kehlani - "Advice"




Phoenix / Ti Amo (2017)
★★★★★
Phoenix Ti Amo

『Wolfgang Amadeus Phoenix』や『Bankrupt!』の頃にこれを聴いていたら物足りなさを感じていたかもしれないけど、最近のモードだとむしろこっちのほうが好き。ライブ映えするアッパーなキラーチューンや、アクセントになるインスト(「Love Like a Sunset」や「Bankrupt!」のような)はないものの、各楽曲のクオリティとしては最高傑作かも?レイドバックしつつもレトロフューチャーでパーカッションが印象的な辺りは、彼らと同じくフランス出身のM83の去年のアルバム『Junk』や、TM NETWORKの初期曲、あるいはHall & Oates『Big Bam Boom』に通じる趣がある。この例え、わかる人にはわかるはず。

Hall & Oates - "Out of Touch"




Amber Coffman / City of No Reply (2017)
★★★★★
Amber Coffman City of No Reply

元Dirty Projectorsのメンバーによる初ソロ。Dirty Projectorsはこれまで苦手意識が強かったけど、彼女がここまで直球のポップ・ソングをやるということがとにかく今年一番の衝撃だった。60'sソウルとかカントリー・ポップ、90'sソロSSW系王道ポップスみたいなサウンドの中にほんの少しだけエクスペリメンタルな要素がまぶしてあるのが最高。うーむ、それにしても可憐でいい声。

Amber Coffman - "No Coffee"




Depeche Mode / Spirit (2017)
★★★★★
Depeche Mode Spirit

最近ドハマリ中のDepeche Mode。ジャケも声も音もデカダンでかっこいい。



At the Drive-In / in•ter a•li•a (2017)
★★★★★
At the Drive-In in•ter a•li•a

「血が、沸騰」第二幕。ATDIの新作が出ることなんて、全く期待していなかった。でも出るとなれば期待せずにはいられない。でも、確かに『Relationship~』は傑作だけど、その後オマーとセドリックによるThe Mars Voltaの活動内容を考えれば、「あの頃のATDIサウンドを今やること」は言ってしまえば後退であり、あまりに懐古的だ。例えばRadioheadが次のアルバムで『Pablo Honey』みたいになったら、それは望ましいことではない(※注:『Pablo Honey』は大好きです)。

複雑な思いもあったけど、蓋を開けてみれば「うおー!これだ!ATDIだ!」みたいな音。The Mars Voltaとは何だったのかと思ってしまうほど、サウンドはもちろんセドリックの声質や歌唱法までが「ATDI以外の何物でもない」。今年のヘヴィ系ロックはRoyal Bloodの新作が期待外れだったけど、これさえあれば満足。欲を言えば、「Invalid Litter Dept.」みたいな曲があっても良かったかも。

At The Drive In - "Incurably Innocent"



以下新譜はコメント・感想省略。

Sampha / Process (2017)
★★★★★
Sampha Process



Cornelius / Mellow Waves (2017)
★★★★☆
Cornelius Mellow Waves



Blondie / Pollinator (2017)
★★★★☆
Blondie Pollinator



The xx / I See You (2017)
★★★★☆
The xx I See You



Ed Sheeran / ÷ (Divide) (2017)
★★★★☆
Ed Sheeran Divide



Communions / Blue (2017)
★★★☆☆
Communions Blue



Gorillaz / Humanz (2017)
★★★☆☆
Gorillaz Humanz



The Chainsmokers / Memories...Do Not Open
(2017)

★★★☆☆
The Chainsmokers MemoriesDo Not Open

feat. Halseyの「Closer」入ってないのかよ…。どうやら国内盤のボーナス・トラックだったようで、輸入盤でちょっと失敗。2曲目「Break Up Every Night」があまりにダサくて引いてしまったし、「#SELFIE」の頃を思うと本人たちが真面目に歌っている曲が何となく可笑しい。





以下は旧譜。

The Police / Greatest Hits (1992)
★★★☆☆
The Police Greatest Hits


Sting / Nothing Like The Sun (1987)
★★★☆☆
Sting Nothing Like The Sun

妻が先日のSting来日公演に行っていたので聴いてみました。



Soundgarden / Superunknown (1994)
★★★☆☆
Soundgarden Superunknown

こちらも妻が所有していたアルバムを拝借。Vo.クリス・コーネルは素晴らしい声の持ち主でイケメンだったけど、先日亡くなってしまってとても残念。





今年初めに借りた旧譜もまだまだ残っているけど今月は新譜中心に聴いていたので少なめ。それにしても中古盤屋にめっきり行かなくなってしまったな。去年は月に1、2回は行っていたと思うけど、今年は買い物がてら近所のブックオフによる以外は全く行っていない気がする。CD(フィジカル)への執着もなくなって、つい最近も200枚くらい売り払ったところです。


The Who / My Generation [Deluxe Edition] (1965 / 2002 Reissue)
★★★★☆
The Who My Generation [Deluxe Edition]



T.Rex / Electric Warrior (1971)
★★★★☆
TRex Electric Warrior



T.Rex / The Slider (1972)
★★★★☆
TRex The Slider

T.Rexを聴いて、あらためて90年代や2000年代のバンドに多大な影響を与えているなと。SupergrassなんかはモロにT.Rexの影響下にあるよなーと思った。

Supergrass - "Seen the Light"


T.Rex - "Get It On"


ところでこの曲の3:19あたりのコーラス、ライブ中に曲をよく知らないけど繰り返しだからと適当にシンガロングしてたら、歌のない部分で一人だけ歌ってしまった的なこっぱずかしさを覚えるのは僕だけでしょうか。



Prince & the Revolution / Purple Rain (1984)
★★★★☆
Prince the Revolution Purple Rain



Taylor Swift / Taylor Swift (2006)
★★★☆☆
Taylor Swift Taylor Swift



Édith Piaf / Super Now (1997)
★★★☆☆
Edith Piaf Super Now

Édith Piaf って曲自体はそんなに詳しくないけど、聴けば「あ、これピアフだ」ってわかるくらいに特徴のある声だからすごいなと思います。にしてもすごいタレ眉毛。



おニャン子クラブ / ベスト (1987)
★★★☆☆
おニャン子クラブ

2曲目の「かたつむりのサンバ」で本作唯一の工藤静香のソロ・パートがあるんだけど、他のメンバーと歌唱力の次元というかベクトル自体が違い過ぎてあまりに浮いてて笑いました。工藤静香の声はほんと好き。



沢田研二 / ROYAL STRAIGHT FLUSH
(1979 / 2005 Reissue)

★★★★☆
沢田研二 ROYAL STRAIGHT FLUSH



【来月以降の予定(未聴作品)】
Beach House / B-Sides and Rarities (2017)
Arcade Fire / Everything Now (2017)
Radiohead / Ok Computer OKNOTOK 1997 2017 (2017)
Japanese Breakfast / Soft Sounds From Another Planet (2017)
TLC / TLC (2017)
10cc / The Original Soundtrack (1975)
2Pac / All Eyez on Me (1996)
BARBEE BOYS / 蜂 -BARBEE BOYS Complete Single Collection- (2007)
Big Brother and The Holding Company / Cheap Thrills (1968)
BLANKEY JET CITY / SKUNK (1995)
CORNELIUS / 69/96 (1995)
Culture Club / Colour By Numbers (1983)
Derek and the Dominos / Layla and Other Assorted Love Songs (邦題:いとしのレイラ) (1970)
Donny Hathaway / Live (1972)
Dr. Dre / The Chronic (1992)
FISHMANS / 宇宙 日本 世田谷 (1997)
Guns N' Roses / Use Your Illusion Ⅱ (1991)
Guns N' Roses / Use Your Illusion Ⅰ (1991)
Japan / Tin Drum (邦題:権力の太鼓) (1981)
Jay Dee aka J Dilla / Welcome 2 Detroit (2001)
Lionel Richie / Back to Front (1992)
Mariah Carey / Emotions (1991)
Michael Jackson / HIStory: Past, Present and Future, Book 1 (1991)
Neil Young / After the Gold Rush (1970)
New Age Steppers / The New Age Steppers (1980 / 2003 Reissue)
The Notorious B.I.G. / Life After Death (1997)
Paul McCartney and Wings / Band on the Run (1973)
Pink Floyd / Atom Heart Mother (邦題:原始水母) (1970)
The Pop Group / Y (邦題:最後の警告)(1979)
Queen / Hot Space (1982)
Queen / The Works (1984)
Sade / Promise (1985)
Siouxsie & The Banshees / Hyæna (1984)
Siouxsie & The Banshees / Tinderbox (1986)
Siouxsie & The Banshees / Through the Looking Glass (1987)
Siouxsie & The Banshees / Peepshow (1988)
Siouxsie & The Banshees / Superstition (1991)
Siouxsie & The Banshees / The Rapture (1995)
Sly and the Family Stone / There's a Riot Goin' On (邦題:暴動) (1971)
The Smashing Pumpkins / Adore [Super Deluxe Edition] (2014) ※Disc 5~7
T.Rex / Great Hits (1973)
The Who / Who’s Next [Deluxe Edition] (1971 / 2003 Reissue)
Yazoo / Upstairs at Eric's (1982)
オフコース / OFF COURSE BEST "ever" (2015)
ティン・パン・アレー / キャラメル・ママ (1975)
尾崎豊 / 壊れた扉から - THROUGH THE BROKEN DOOR (1985)
尾崎豊 / 十七歳の地図 - SEVENTEEN'S MAP (1983)
神聖かまってちゃん / ベストかまってちゃん (2015)
頭脳警察 / 頭脳警察1 (1972)
中島みゆき / 大吟醸 (1995)
森高千里 / DO THE BEST (1995)
森高千里 / SUPER BEST (2011)
山下達郎 / OPUS ~ALL TIME BEST1975-2012~ (2012)
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