妄想PLAYLIST

[PLAYLIST]90年代的ドライブ・ミュージック

秋の気配を日に日に感じつつある今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。巷では明日から三連休ということで、ご家族で行楽地にお出掛けする予定の人も多いと思います(台風来てるけど)。

そんな中でも車でお出掛け、という人も多いと思いますが、とりわけアラフォー世代の方たちにピッタリなドライブBGMのプレイリストを作ってみました!全曲Spotifyにて視聴できます。

なぜアラフォー世代にピッタリかというと、選曲テーマが「90年代洋楽のラジオヒットソング」だから。もちろんアラフォー世代以外の人、特に若い世代の人たちにもぜひ聴いてもらいたいと思っています。後追いするのってだいたいグランジやブリットポップやトリップホップだったりすると思うので、世間一般的な視点で「90年代ってこういう時代だったんだなあ」っていう空気感を少しでも感じてもらえたらと思ってます!最近は90年代リバイバルの機運も高まってますし。ってワケで…





全33曲、2時間12分というヴォリュームですが、ドライブBGMとしては適した長さかなと思います。

さてここからは、本プレイリストを聴きながらでも読んでもらえればと(くれぐれも運転中には読まないように)。



■プレイリスト作成のキッカケ
少し前なんですが、Twitterのフォロワーさんと以下のようなやりとりがありました。






(あ、ちなみにツイートは転載許可済みです)これはおそらく90年代にFMラジオで洋楽を聴いて育った人だけにわかるハダ感覚だと思うんですが、個人的にものすごく漠然と「90年代FMっぽさ」というものがありまして。環境由来で自分だけが持っている感覚なのかな?と前から思っていたんですが、同世代の他の人にもわりと近い感覚があるのかな、とこの時思ったんですね。

で、この後しばらく「90年代FMっぽさ」ってなんだろう?って考えていたんですが、ならばまず自分が「90年代FMっぽさ」を感じる楽曲を集めてプレイリストにしてみれば、自ずと見えて来るんじゃないかと思った次第です。



■なぜドライブ・ミュージックなのか
これは個人的な体験に基づくものなんですが、90年代といえば僕は小学生から大学生までを過ごした時期。父は音楽好きで車好きだったので、夏休みや連休には家族でいろんなところに車で出かけ、道中はいつもカーステレオからFMラジオが流れていました。

カーステレオって、家のラジカセで聴くのと全然音が違うじゃないですか。低音がズンズン来るし、密閉された空間なので音の鳴りが部屋と全く違うんですよね。なので、僕は車の中で音楽を聴くあの感覚が好きでした(車酔いしやすいタイプなので車は嫌いでしたけど笑)。

そんなわけで、もちろん家でもラジカセでラジオは聴いていたけど、ラジオといえばやっぱりカーステレオで聴いていた時の思い出が強くて。ラジオでガンガン流れていた当時のヒットソングを聴くたびに、自分が少年時代の姿に戻り家族とドライブしている光景が目に浮かんでしまうのです。歳だなあ。



■90年代におけるラジオの影響力
今はラジオはほぼ聴かないので最近はどうなのかわかりませんが、とにかく90年代というのはここ日本で洋楽が最も活況を見せていた時代で、FM局では特に土日の昼なんかは大半が洋楽だったと思うんですね。まだインターネットは普及していないし、今流行っている洋楽を手軽に聴くにはまずラジオでした。80年代にMTVの時代が来て、洋楽というのが英米を中心に非常に大きなマーケットになり、そしてここ日本でも盛んに洋楽ビジネスが展開されたわけです。

で、レコード会社がまずどうやって音楽を宣伝するか?といったら最も有効なのはテレビかラジオだし、コスパも考えるとやはりラジオが最適なわけで。90年代のFM局、特にJ-WAVE、NACK5、bayfm、TOKYO FM、あともちろんInterFMなんかはマンスリーでパワープッシュとかパワープレイとか、とにかく同じ曲を何度も流して脳ミソにすり込ませるっていうのをやってた時代でした。

その甲斐あって世の中に本当にたくさん洋楽が溢れていたし、現代よりも生活に溶け込んでる感じがしました。もちろん当時からガラパゴスというか、日本独自の洋楽文化ではありましたが、それはそれで良かったと思います(ちなみに現代における日本の洋楽ガラパゴスに関しても僕は肯定的に捉えています)。今のようにヒットチャートも価値観も多様化していなかったし、もちろん人それぞれ好みのジャンルはありますが、例えば今だったらピコ太郎の「PPAP」やRADWIMPS「前前前世」が特に音楽に興味ない人とでも話が通じるのと近い感覚で洋楽が共通言語として成り立っていたというか。



■プレイリストについて
というわけでこのプレイリストの説明をしたいと思います。先ほど書いたように前提は当時ラジオでかかりまくっていた洋楽ですが、単なる90年代ベスト・ヒットではなく一応ドライブに合う曲を選んでいます。当時はR&Bバラードとかも主流でしたがそういうのは外してますね。

曲順にもこだわりがあって、ある程度はDJ MIX的というか系統が近いものを繋げています。なので似た感じの曲が続くなあという部分もあるかも。ざっくりいうと、90年代特有の王道ポップス(*後述)~渋谷系にも繋がるシャレオツ系ポップス~ロック~スカパンク~R&Bとヒップホップ連合~レゲエ~ハウスという流れになっています。



■で、90年代FMっぽいサウンドとは何なのか
冒頭の疑問に戻ります。このプレイリストに収めた曲は、もちろん全部僕にとっての「いかにも90年代」なサウンドなんですが、そんな中でも最も「90年代FMっぽさ」になってる要素って、このプレイリストの前半6曲ほどに集中的に配した「ヒップホップを取り入れたポップスのビート」なのでは?という結論に至った次第です。

「ヒップホップを取り入れたポップス」というのは、要は80年代にヒップホップがアメリカを中心にポピュラーになって、その上澄みだけをすくったような大量生産ポップスの総称と言いますか…いや、ディスってないですよ!そういう音楽で90年代に特に多く見られたのが、図解するとこんな感じのビート。

90beat.jpg

んーと、一応わかりやすくしたつもりですけど…。これが1小節で、太線になってるのは1拍ですね。基本的にBPM100前後のミドルテンポで、ハイハットが16分で刻まれてるんだけどきっちりと16ビートではなくちょっとハネた感じになってる、いわゆる「グラウンド・ビート」というやつになってます。




グラウンド・ビートは1980年代後半に発生・流行した音楽スタイル。特有のリズム、またはそのリズムで構成された楽曲を指す。

ドラムマシンのリズム(具体的にはクローズドハイハットの16分三連音符の配置により構成されている所が特徴)を中心とした分類である。

世界的にヒットしたUKグループSoul II Soul、正確にはジャマイカ移民コミュニティーのサウンド・システムソウル・II・ソウルの元メンバー屋敷豪太がファーストアルバムKeep On Movin'で作り出したのが最初と言われる。
出典:wikipedia「グラウンド・ビート」



Soul Ⅱ Soul - "Keep on Movin'"



このビートがだんだんと、ラップやサンプリングといったヒップホップ要素を取り入れたメインストリーム・ポップスに取り込まれ定番ビートになっていきました。メインストリームに取り込まれて以降はグラウンド・ビートとはだいぶ毛色が異なってきたので誰もこれをグラウンド・ビートと呼ばず、代わりの呼称は明確に決まっていない(と思う)んですが、僕はこれを勝手に「ダスト・ブラザーズ・ビート」と呼んでいます。

「ダスト・ブラザーズ(Dust Brothers)」というのは主に90年代に活躍した2人組のプロデューサーで、このプレイリストの1曲目になっているHansonの「MMMBop」とか、あとBeckのアルバム『Odelay』とかを手掛けてます。

Beck - "Where It's At"



余談ですがThe Chemical Brothersは当初Dust Brothersという名前で、被るからということでThe Chemical Brothersに改名したというのは結構有名な話。ケミカルの1stアルバムのタイトルが『Exit Planet Dust (邦題:さらばダスト惑星)』なのはそういうところから来てるんですね。

話を元に戻すと、僕の感じる「90年代FMっぽさ」というのは、この「ダスト・ブラザーズ・ビート」によるところが大きいと考えました。もちろんこのビートだけでなく、そこに軽快なアコギのストロークが乗り、サビでは豪快なエレクトロニック・ギターが鳴り、底抜けに明るいキャッチーなメロディ(90年代っぽく死語でいうと"ゴキゲンな")やわかりやすいフックなどが合わさることで「90年代FMっぽさ」が確立されるのではないでしょうか。



■まとめると
で、まあ発端となったHaimの(ツイート当時の)新曲こと「Want You Back」に関しては、全く「ダスト・ブラザーズ・ビート」ではないので、なぜ僕もこの曲に「90年代FMっぽさ」を感じたかは未だにハッキリとはしませんが、おそらく歌い方とかハモリ具合とかの要因が強いのかなと思います。車の中で聴いたら気持ちよさそうっていうのもあるかもしれないですね。

Haim - "Want You Back"



洋楽がとてもポピュラーな存在だった90年代。そしてネットの普及していなかった90年代。おそらく僕と同じ世代の人たちは、ラジオを聴いて洋楽にハマったという人も多いのではないでしょうか。このプレイリストをBGMにドライブに出かけてみて(あるいは家で聴いても良いと思います)、ちょっとセンチメンタル過剰になってみるのもたまにはいいかもしれませんね。

ちなみに僕はペーパードライバーかつインドア派なので、家で大人しくこのプレイリストを聴きくことにします。


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