Albums of the Month

Albums of the Month (2017年10月)

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2017年10月に初聴きした音源のメモです。まずは今月のALBUM OF THE MONTH、続いて2017年リリースの新譜から。



■ALBUM OF THE MONTH■
Arca / Arca (2017)
★★★★★
Arca Arca

以前『&&&&&』や『Sheep』といったミックステープの音源を聴いた際は心に響かず、むしろ苦手意識すらあったArca。それでも彼のキャラクターや変態的な個性にはとても興味があり、そんなわけで今年のフジロックでのパフォーマンスはかなり楽しみにしていた。もちろん彼のDJスタイルとオリジナル楽曲は全くの別物だけど、フジのパフォーマンスをとても楽しめたことで再び楽曲にも興味を抱くに至り、リリースからやや遅れて購入。

これまで彼の楽曲に苦手意識を抱いていた要因というのはメロディらしいメロディや、拍を刻むという意味でのビートらしいビートがないという点だったけど、本作ではそのいずれもがしっかり備わっていて、(これまでの彼の作品と比べると)驚くほどポップ。それでいて独特のアート・センスやミステリアス/セクシュアル/ヴァイオレンス/グロテスクといった要素が少しも損なわれておらず、そんなところもかなり気に入った。

Arca - "Desafío"




Alvvays / Antisocialites (2017)
★★★★★
Alvvays Antisocialites

デビュー・アルバムとなる前作『Alvvays』がこのブログの2014年の年間ベスト・アルバムで12位(その後2017年アップデート版では4位に急上昇)だった男女混合インディ・ギター・ポップ・バンドの待望の2nd。先行シングル「In Undertow」からして超名曲だったので、これはまさかの前作超えか?と期待と不安が入り混じっていたのだが…。

ひとまず今の時点では、前作は超えていないと思う。とはいえ、それは全くネガティヴな感想ではないです。なぜなら冒頭から「Adult Diversion」、「Archie, Marry Me」の名曲連発に加え5曲目にはそれらをも凌駕する「Party Police」を持ってくるという徹底した名曲攻めだった前作を超えるのは並大抵のことではないし、今回も全体的なソングライティングの平均点は決して落ちておらず、前作の100点に比べ95点になったようなもの。前作で顕著だったミディアム・テンポの哀愁メロディよりも小気味よいポップさを前面に押し出した点も評価したい。「Your Type」、「Lollipop (Ode to Jim)」、「Saved By A Waif」といった、やや粗削りでアッパーな曲を随所にバランスよく配することで、前作よりも少しパンキッシュなノリが楽しめる作品になっていると思う。

冒頭の「In Undertow」が結局ベスト・トラックのままアルバムが終わるのは惜しいけど、まあそれだけの名曲なのでやむを得ないと思う。それではお聴きください。

Alvvays - "In Undertow"




RAT BOY / Scum [Deluxe Edition] (2017)
★★★★★
RAT BOY Scum

年内にデビュー・アルバムがリリースされるであろう期待のアーティストを取り上げる当ブログの企画「SOUND OF 2016」にてピックアップしたRAT BOYが1年遅れでようやくデビュー・アルバムをリリース。今回購入したデラックス盤はなんと全25曲収録!しかしいくつかはラジオDJ風のインタールードなので、トータル1時間以内で意外とすんなり聴ける。サウンド的にはもちろんだけど、マインド的にも最もビースティー・ボーイズに近いパンク×ヒップホップのミクスチャー感覚と悪ガキ感があり、そういえばここ数年こういうバンドはいそうでいなかったなーと。「Revolution」のMVもビースティのオマージュたっぷり。

RAT BOY - "Revolution"




Yaeji / Yaeji EP (2017)
★★★★★
Yaeji EP

韓国出身の女性シンガー/プロデューサー/DJでありヴィジュアル・クリエイターでもあるYaejiの、今年3月にリリースされた5曲入りデビューEP。英語と韓国語を織り交ぜた印象的なフレーズの数々も新鮮だけど、この人の才能というかセンスはちょっと言葉では説明しにくい。パッと聴いた限りではいかにも2010年代のトレンド的な音──ミニマルな音色数、リヴァーブを効かせた浮遊感漂うシンセ・ポップ──なのだけど、同じフレーズを徐々にピッチコントロールしながら繰り返す冒頭曲「Noonside」の異物感や無機質感、エキゾチックなムードからしてやばい。ある意味トレンドを押さえてもいるけど、ディテールは雛形から大きく逸脱しているという点、そして欧米からではなく韓国発というのがとても重要な魅力になっていると思う。間もなくリリースされる2nd EPも楽しみ。

Spincoaster「Yaeji / Drink I'm Sippin On」の記事はこちらから。





LCD Soundsystem / American Dream (2017)
★★★★☆
LCD Soundsystem American Dream

再結成、フジロック出演を経ての待望の復活作。タイトルはトランプ政権発足後のアメリカの現状に対する皮肉なのだろうか。

先行公開されていた「Call the Police」「Tonite」「American Dream」は正直めちゃくちゃ好きなのだけど、いかんせんこれらの曲が後半に集中しているせいで、それと比べると前半の勢いがどうも足りない。曲順がもう少し工夫されればかなりいい作品になったとは思うけど、前半におけるミニマルな曲展開に少し中だるみしてしまう感じがもったいないと思う。結局その3曲が本作のベスト・トラックという点も、期待値に対しての物足りなさを感じる要因になってしまった。

LCD Soundsystem - "American Dream"




Bully / Losing (2017)
★★★☆☆
Bully Losing

去年NYでライブを観て惚れ込んだ激クールな女性ヴォーカル擁するグランジ/オルタナ系バンドの2nd。うーん、1stの頃よりも音は断然かっこよくなったけどメロディが普通になったような。まあでもHoleやJuliana Hatfieldといった「キュートな声×90'sオルタナ・サウンド」好きは迷わず聴け!な感じは変わっていなくて、Vo.アリシアのキュート・ヴォイス×ハスキーなシャウトの使い分けも前作通り最高。

Bully - "Feel The Same"


Juliana Hatfield - "What A Life"




Alice Glass / Alice Glass [EP] (2017)
Alice Glass / Stillbirth [Single] (2015)

★★★☆☆
Alice Glass Alice Glass EP
Alice Glass Stillbirth

元Crystal Castlesのアリスのソロ・デビューEPと、それに未収録だった2年前のシングルを同時購入。

奇しくも先日、アリスは元バンドメイトであるイーサンからの性的虐待やマインドコントロールといったショッキングな内容の告白があったばかりだけど、本作を購入したのはアリスの告白よりも数週間前、以下の感想もその前に書かいておいたものです(念のため)。

HEALTHのメンバーとともに制作されたソロ・デビュー曲「Stillbirth」はモロにHEALTHなダーク&ノイジーな曲調だったけど、EPの方ではより美しさや優しさが強調されていて、アリスのヴォーカルも相変わらずささくれ立ってはいるもののウィスパーやハイトーンをこれまで以上に強調したものに。哀愁感漂うメロディとCrystal Castlesほど暴力的ではない、ほんの少し温もりを増したエレクトロニックなサウンドからは、個人的にはGrimesやt.A.T.u.を連想した(t.A.T.u.「Not Gonna Get Us」のサビ前、「shining upon you」と歌う部分などに雰囲気が近い)。今後ソロ・アルバムの方も出るかもしれないけど、ここからどのように展開していくかが非常に楽しみ。

Alice Glass - "Without Love"


t.A.T.u. - "Not Gonna Get Us"




VIDEOTAPEMUSIC / ON THE AIR (2017)
★★★★☆
VIDEOTAPEMUSIC ON THE AIR

去年のフジロックで観たcero×VIDEOTAPEMUSICはとても素晴らしかった。VIDEOTAPEMUSICは以前はもっとモンド/サロンっぽい(漠然としすぎ…)雰囲気のサンプリング中心の音楽だったと記憶していたけど、いつの間にかもっとオーガニックでソウルフルな、それこそceroが持っている魅力に近いものを纏った感じになっていたんだなー。






以下は旧譜。ブランキーのオリジナル・アルバムのコンプリート企画は今回でいよいよ完結。全9作を聴いたけど、今回の『LOVE FLASH FEVER』は『Bang!』や『C.B.Jim』と並んで彼らのTOP3に入ることは間違いないです。

BLANKEY JET CITY / LOVE FLASH FEVER (1997)
★★★★★

BLANKEY JET CITY LOVE FLASH FEVER



他、日本のパンク・バンド頭脳警察を聴いたり。これは3億円事件の犯人ジャケで有名なやつですね。当時発禁処分受けたらしいけど、まあ…聴いて納得。

頭脳警察 / 頭脳警察1 (1972)
★★★☆☆
頭脳警察 頭脳警察1



中島みゆき / 大吟醸 (1995)
★★★☆☆
中島みゆき 大吟醸

そういえば子供の頃、「浅い眠り」を聴いてすごく怖かった記憶がある。でも直後にラジオで中島みゆきのトークを聞いてぶっ飛んだなー。歌声と話し声のギャップでこの人の右に出る者はいないんじゃないかな…

さてそんなわけで、歌声は苦手だったものの工藤静香への提供曲などによってこの人のソングライティング・センスは自体は好きで。ベスト盤ということで楽曲を発表した時期によって声質の変遷が楽しめるのも面白い。

ところで工藤静香への提供曲のセルフカバーだからってヤケクソ気味にアレンジしてる「慟哭」が断トツに面白い。なんというか、ここまでくるとセルフ・パロディの領域?中島みゆきの歌い方をタレントが大袈裟にモノマネしてみましたみたいな感じで最高。






その他は紹介と評点のみにて。


ティン・パン・アレー / キャラメル・ママ (1975)
★★★★☆
ティン・パン・アレー キャラメル・ママ



Michael Jackson / HIStory: Past, Present and Future, Book 1 (1991)
★★★☆☆
Michael Jackson HIStory Past, Present and Future Book 1



Mariah Carey / Emotions (1991)
★★★☆☆
Mariah Carey Emotions



Culture Club / Colour By Numbers (1983)
★★★☆☆
Culture Club Colour By Numbers



Japan / Tin Drum (邦題:権力の太鼓) (1981)
★★★☆☆
Japan Tin Drum
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