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Albums of the Month

Albums of the Month (2017年11月)

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2017年11月に初聴きした音源まとめ。いよいよ各音楽メディアの年間ベスト発表の季節ですね。でも実はまだひとつも見てなかったり。個人の発表する年間ベストを見るのはとても好きなんだけど、メディアの発表するものってそこまで興味ないんですね。特に今年は音楽メディアを直接(SNS経由でなく)見にいくことがおそらく一度もなかったので、例年にも増して…。せっかくなので、このまま自分の年間ベスト発表まではどの媒体のものも見ないでおこうかと思ってます(あ、日本が誇る洋楽ロック誌rockin'onさんのは別で!)。

では、まずは今月のALBUM OF THE MONTHからです。


■ALBUM OF THE MONTH■
Speech Debelle / tantil before i breathe (2017)
★★★★★
Speech Debelle tantil before i breathe

2009年にデビュー・アルバム『Speech Therapy』でマーキュリー・プライズ「アルバム・オブ・ザ・イヤー」を受賞している女性ラッパーの5年ぶりとなる3作目。彼女のアルバムはこれまでもハズレがないんだけど、これまた最高傑作なのでは?しかしあまり話題になっていない気がするのは本作がセルフ・リリースでデジタルのみでの販売形態だからか。なんとももったいない。

2016年3月に発表された「The Work feat. Miss Baby Sol」が大好きでSpincoaster(→記事)でも取り上げたり、この曲が収録されたフルアルバムのリリースをずっと心待ちにしていたんだけど、情報収集不足のせいで本作のリリースを半年間も見過ごしてしまっていた。こんな素晴らしい作品を。

もともと社会派ラッパーなので、シリアスで静謐なムードはこれまでと変わらないものの、鳴っている音はこれまで以上に色彩豊か。オーガニックさと先鋭性のバランスもうまく取れている。ただ、それ以上に素晴らしいのはその美しくエモーショナルなメロディ!1曲目「Ode Ⅱ September」はプリペアド・ピアノ使用ということでAphex Twin『Drukqs』収録のピアノ曲における「侘び・寂び」に通じるものがある。終盤には「The Work feat. Miss Baby Sol」でしっとりさせつつ、ラストはサックスとパーカッションがやたらかっこいい「No War No Peace」でリズミックに締めている。

なお、Bandcampにて全曲ストリーミング&DL購入可能。
https://speechdebelle.bandcamp.com/album/tantil-before-i-breathe

Speech Debelle - "Strange Ways"




Sabrina Claudio / About Time (2017)
★★★★★
Sabrina Claudio About Time

去年のAlicia KeysやSolangeがきっかけで、今年(の特に後半)はR&Bやソウル、ヒップホップなどいわゆる「ブラック・ミュージック」寄りの女性シンガーにハマった年だったと思う。

ただ、R&Bといっても2010年代のダブステップ/チルウェイヴ以降の、いわゆるPBR&BやオルタナティヴR&Bと呼ばれる音よりも90's R&Bリヴァイヴァルな音の方が好きで。なのでTLCの復活作(且つラスト作)にはかなり期待していたものの、内容的にはどこか満足しきれない部分もあったり。

その穴を埋めてくれたのがこのSabrina Claudioだった。この人はデビュー・アルバムの年内リリースが期待されるアーティストを選出する企画「Sound of 2017」でもかつて取り上げるほどに期待していたんだけど、いやいやこれは正直期待以上の内容でした。特に「Everlasting Love」の三連のビートとローズピアノがゾクゾクするほどかっこいい。

Sabrina Claudio - "Everlasting Love"




Yaeji / EP2 (2017)
★★★★★
Yaeji EP2

先日BBCの「SOUND OF 2018」ロングリストにも選出された韓国出身のYaeji。先月聴いたデビューEP『Yaeji EP』(今年3月リリース)に続いて、今月リリースされたばかりの本作も購入。2枚のEPを繋げたプレイリストで1枚のフルアルバム的に聴いてます。

それにしてもこの人、本当にすごい。おそらくアンダーグラウンドなクラブ・ミュージックに精通したDJ/トラックメイカーであることは間違いない(反復のテクニックを完全に熟知している)し、「イマ」のトレンドも十分にわかっていると思う。でもYaejiは決してトレンドをなぞるのではなく、「イマ」を通過したうえでまだ誰も聴いたことのない「未来の音」を鳴らしている。もちろんそれは韓国語交じりの歌詞が醸し出す不思議なエキゾチズムによるところも大きいと思うけど、とにかくBBCをはじめ各音楽メディアがこぞって称賛するのも納得の才能の持ち主。

Yaeji - "Raingurl"




Ivan Ave / Every Eye (2017)
★★★★★
Ivan Ave Every Eye

「イヴァン・アヴェ」とか「イヴァン・アヴ」などと各所で表記されているんだけど、「アイヴァン・エイヴ」じゃないのかな?それはさておき、ノルウェー出身のラッパーながら北欧っぽさは皆無。プロデュースはLA出身のMNDSGN(こちらは「マインド・サイン=Mind Sign」だと思っていたけど「マインド・デザイン=Mind Design」なんだな…Dが一個足りなくない?)ということで、過剰ではないレトロ感やチル感のあるフュージョン/AOR風味のサウンドがとても気持ちいいトラックに、Ivanのスムースなラップの組み合わせがかなりかっこいい。それにしてもジャケは中央の本人さえいなければめちゃくちゃ好みのデザインだったのに…。

Ivan Ave - "Bike Lock"




For Tracy Hyde / he(r)art (2017)
★★★★★
For Tracy Hyde he(r)art

For Tracy Hydeは「かつて好きだったバンド」。なぜ過去形なのか?というのは、まあ数年前にヴォーカルが変わったことと、その直後に観たライヴが原因だった。

あれから数年、彼らはデビュー・アルバムをリリースし、SNSや音楽メディアでも随所で名を見かけるようになった。それでも僕は「ふーん」という目つきで「For Tracy Hyde」「フォトハイ」という文字列をただただ眺めるだけだった。

元々好きだったバンド、期待していたバンドに或る変化が訪れたとき、あるいは「なんか思ってたのと違うな」と感じたとき、ちょっと裏切られたような気持ちになって、必要以上に避けてしまったりするものだ。あるいはシニカルな、ちょっといじわるな気持ちで聴いてみたり。この2nd作に対しても、自分はまさにそれだった。

で、その「いじわるな気持ち」半分で聴いてみたら…すごく良かった。まず歌が格段に成長している。技術的にというよりは、親しみやすさが増し「アジ」のある歌声になったと思う。そしてところどころにぐっと刺さるワードを散りばめた歌詞、メロディ、曲のアレンジのヴァリエーション、いずれも良い。全17曲はインディー・ロックのアルバムとしては多いけど、随所に配されたインスト曲がアクセントとなっているので冗長さは全く感じられず、本作にとってはちょうど良いトータルタイムと曲数だと思う。

For Tracy Hyde - "Floor"




mei ehara / Sway (2017)
★★★★★
meiehara Sway

may.eあらためmei ehara名義での1stアルバムがカクバリズムからリリース。もともとアコギ弾き語り+深いリヴァーヴのかかったヴォーカルによるアシッド・フォーク風味の楽曲が魅力であり個性だったけど、本作ではキセルの辻村豪文がプロデュース。リヴァーヴの霧は晴れ、カクバリズム関連のアーティストに共通して感じられる牧歌性がより感じられる音に。

特に注目したいのはリズム面。これまでは弾き語り中心ということでアコギのストロークによってリズムを生み出していたけど、本作ではドラムとベースがブラック・ミュージックの要素を持ち込んでいて素晴らしい仕事をしている。









以下は旧譜です。


森高千里 / DO THE BEST (1995)
★★★★★
森高千里 DO THE BEST

森高千里 / SUPER BEST (2011)
★★★★☆
森高千里 SUPER BEST

唐突に森高のベスト2枚。なぜ2枚かというと、1枚だけだと聴きたい曲が網羅できないから。当然大半の曲は被っているけど、選曲や曲順含めて『DO THE BEST』の方が好きかな。

話は逸れるけど、ベスト盤の曲順って「リリース順」「人気順」「全体の流れやバランスを重視」っていうパターンがあると思う。で、『DO THE~』は「全体の流れやバランスを重視」で『SUPER~』は「人気順」という感じ。自分はベスト盤聴くなら、「全体の流れやバランスを重視」が好き。

話を戻して。森高千里は実は声が結構苦手だったりする。でもこうしてあらためて聴くと、良い曲、というか「めちゃくちゃ良い曲」の多さに驚く。「雨」「渡良瀬橋」「Memories」「風に吹かれて」「夏の日」この辺の涙腺崩壊メロディは相当ヤバイ。作曲の多くは斉藤英夫という方らしいがこの人すごいな。

リアルタイムで聴いていて好きだった「ハエ男」や「ロックン・オムレツ」みたいなロックンロール歌謡もかっこいい。森高自身はマルチプレイヤーなので収録曲のうちでもいろんなパートを担当しているけど、やはり真骨頂はドラムだろう。正確にリズムを刻みつつ脱力感も感じさせるアジのある感じが、僕の敬愛するドラマー、リンゴ・スターに通じるものがある。

森高千里 - "渡良瀬橋"




FISHMANS / 宇宙 日本 世田谷 (1997)
★★★★★
FISHMANS 宇宙 日本 世田谷

今年の前半に『空中キャンプ』を聴いて「いいな」って感じだったけど、こちらのアルバムは「めっちゃいい!!」という感じ。というか2000年代以降、特に2010年代の日本の若手バンドに与えた影響デカすぎな気がする。

Fishmans - "Weather Report"



以下、ダブ繋がりということで2作品。

New Age Steppers / The New Age Steppers
(1980 / 2003 Reissue)

★★★★☆
New Age Steppers The New Age Steppers



The Pop Group / Y (最後の警告) (1979)
★★★★☆
The Pop Group Y





あとは洋楽の60's~70'sロック/ソウル名盤を。名盤とされるものは、「なぜ名盤とされているのか?」という好奇心から聴きたくなります。


Big Brother and The Holding Company /
Cheap Thrills (1968)

★★★★☆
Big Brother and The Holding Company Cheap Thrills



The Who / Who’s Next [Deluxe Edition]
(1971 / 2003 Reissue)

★★★★☆
The Who Who’s Next [Deluxe Edition]



Derek and the Dominos / Layla and Other Assorted Love Songs (いとしのレイラ) (1970)
★★★☆☆
Derek and the Dominos Layla



Neil Young / After the Gold Rush (1970)
★★★★☆
Neil Young After the Gold Rush



Donny Hathaway / Live (1972)
★★★★☆
Donny Hathaway Live



Pink Floyd / Atom Heart Mother (原始心母) (1970)
★★★☆☆
Pink Floyd Atom Heart Mother





去年の10月に買って少しずつ聴き進めていたスマパン『Adore』の7枚組デラックス盤も、今月遂に完結。あ、まだDVDが残ってるか。

The Smashing Pumpkins / Adore
[Super Deluxe Edition] (2014)
Disc 6 : Kissed Alive Too

★★★★☆
The Smashing Pumpkins Adore [Super Deluxe Edition]

今回のDisc 6はライヴ音源集で、ラストに収められたJoy Divisionのカヴァーがかっこよかった。

The Smashing Pumpkins - "Transmission"







その他。

BARBEE BOYS / 蜂 -BARBEE BOYS Complete Single Collection- (2007)
★★★☆☆
BARBEE BOYS 蜂

BARBEE BOYS聴いてると、N'夙川BOYSってめちゃくちゃ影響受けてるなあ…とあらためて思う。トリビュートにも参加してたし。KONTAの声って当時はヘンな声だなーと思って苦手だったけど、いま聴くとハスキーなハイトーン・ヴォイスでとてもかっこいい。



あとこれ、先月聴いたのに書き忘れてました。この人もハスキーなハイトーン・ヴォイスに入るのかな。曲は知ってて「え、これ佐野元春の曲だったのか!」ってなった曲がいくつかあった。

佐野元春 / THE LEGEND THE EARLY DAYS 1980-1989
★★★★☆
佐野元春 THE LEGEND



【今後の予定】※購入or予約済みでまだ聴けていないタイトル
Ibeyi / Ash (2017)
Fergie / Double Dutchess (2017)
King Krule / The Ooz (2017)
Weezer / Pacific Daydream (2017)
Rapsody / Laila's Wisdom (2017)
Vince Staples / Big Fish Theory (2017)
SZA / CTRL (2017)
Chelsea Wolfe / Hiss Spun (2017)
Kelly Lee Owens / Kelly Lee Owens [Deluxe Edition] (2017)
Charlotte Gainsbourg / Rest (2017)
Midnight Sister / Saturn Over Sunset (2017)
Kelela / Take Me Apart (2017)
Björk / Utopia (2017)
Dawn Richard / Redemption (2016)
Queen / The Works (1984)
Queen / Hot Space (1982)
山下達郎 / OPUS ~ALL TIME BEST1975-2012~ (2012)
オフコース / OFF COURSE BEST "ever" (2015)
Lionel Richie / Back to Front (1992)
Siouxsie & The Banshees / Hyæna (1984)
Siouxsie & The Banshees / Tinderbox (1986)
Siouxsie & The Banshees / Through the Looking Glass (1987)
Siouxsie & The Banshees / Peepshow (1988)
Siouxsie & The Banshees / Superstition (1991)
Siouxsie & The Banshees / The Rapture (1995)
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