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AWARDS[2017年]

PUBLIC IMAGE REPUBLIC AWARDS 2017 <Part 1>

毎年恒例の企画となっている「PUBLIC IMAGE REPUBLIC AWARDS 2017」。ベスト・アルバムベスト・ソングとはまた異なる視点で、さまざまな部門において特に素晴らしかったものを独自に選出しました。

全二部構成で、今回は以下の部門を発表します。


■第一部
-ベスト・アーティスト(ソロ部門)
-ベスト・アーティスト(グループ部門)
-ベスト・ニュー・アーティスト
-ベスト・ライヴ・パフォーマンス
-ベスト・男性アイコン
-ベスト・女性アイコン
-ベスト・ライヴ(フェス、イベント)
-ベスト・ライヴ(単独公演)
-ベスト・EP/ミニアルバム
-ベスト・企画盤(リマスター/リイシュー/コンピレーション)
-ベスト・カバー・ソング
-ベスト・マイブーム・アーティスト
-ベスト・邦楽アーティスト
-最も衝撃を受けた音楽ニュース





-ベスト・アーティスト
アルバムの内容、コンセプト、アートワーク、リリース方法のほか、ミュージック・ビデオ、セールス、ライヴ・パフォーマンス、話題性などを総合的に評価

▼ソロ部門
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#1 Ryuichi Sakamoto
#2 King Krule
#3 yaeji


1位は教授こと坂本龍一。65歳にして衰えぬクリエイティヴィティ、そして研ぎ澄まされた感性の結晶ともいうべき新作『async』、さらにそのリモデル(リミックス/リワークetc.)・アルバムに参加したOneohtrix Point Never、Alva Noto、Arca、Fennesz、Yves Tumor、Cornelius、Andy Stottなど錚々たるエッジィなメンツ!これらのアーティストが集まったのも、坂本龍一の海外における評価の高さやリスペクトがあってのことと思う。

King Kruleは2015年にArchy Marshall名義でドープなヒップホップ作品『A New Place 2 Drown』をリリースして、もうKing Krule名義では出さないのかな?と思っていたところに、『A New~』もデビュー作『6 Feet Beneath the Moon』も凌駕した作品をドロップ。彼の才能はおそらく今後も予測不能なレベルで進化を遂げることだろう。まさに天才と呼ぶに相応しい存在。

同様にyaejiも天才肌。現場(アンダーグラウンドなクラブ)の空気をたっぷり吸ってきたと思われる類稀なトラックメイク・センスに、一度聴いたら忘れられない強烈なフック、そして韓国出身という出自を最大限に生かした、言葉のリズムが織りなす独特のエキゾチズム。BBC sound of 2018のロングリストに選出されるのも納得だし、今年最も活躍が期待されるアーティストの一人であることは間違いない。



▼グループ部門
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#1 yule
#2 LCD Soundsystem
#3 Weezer


yuleは日本の男女混声6人組バンド。縁あってアルバムリリース時にSpincoasterでインタビューをさせてもらったのだけど、とにかくバンドの雰囲気が良い。一言でいうと「仲がいい」なんだけど、単純に友達感覚とか馴れ合いのようなものではなく、互いにミュージシャンとしてリスペクトし合っている感じ。たくさんの音楽からいろんなものを吸収し、それを自分たちなりに昇華させようという上昇志向・実験精神。デビューアルバムでありながらセルフプロデュースで、メンバー自らレコーディングやミックスを手掛けながらも、熟練のプロによる仕事と見紛うサウンド・クオリティ。お世辞抜きに「優れたバンド」だと思う。

LCD Soundsystemは5年ぶりの再結成を果たし、フジロックで来日もしてくれたことにまず感謝。ライヴもフジロック'17のベストに選ぶほど素晴らしかった。アルバム自体は期待値の高さに反してやや肩透かしでもあったものの、それでもやはりエモーションとエネルギーが漲るライヴを体験し、素晴らしいグループだと再認識。

Weezerは、新作『Pacific Daydream』の評価としてはいまひとつ。しかしキャリア20年超で11作目にしてここまでポップ寄りの作品を作り上げ、実際ヒットに結びついていることや、メンバー間の結束の強さ、そして前作からわずか1年でのリリース、さらに同時にもう一枚制作しているというクリエイティビティを高く評価。



-ベスト・ニュー・アーティスト
bestnew2017.png

#1 yaeji
#2 Superorganism
#3 MINAKEKKE


yaejiとSuperorganismはBBC Sound of 2018のロングリストにも選出され、すでに世界的にもデビュー・アルバムに大きな期待がかけられている。Superorganismは2月に来日公演、そして3月にデビュー・アルバムのリリースが決定している。yaejiはアナウンスはまだないが、アルバムに大いに期待がかかる。

MINAKEKKEは2011年から活動しているので「ニュー・アーティスト」に括るのは微妙だけど、2017年にデビュー・アルバムがリリースされてフジロックのROOKIE A GO-GOステージにも出演したということで。ニューウェーヴやポスト・パンク、フォークを通過した女性ソロ・アーティストは日本では貴重な存在だ。



-ベスト・ライヴ・パフォーマンス
個人が対象。演奏技術の高さとプレイ姿のかっこよさを評価
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#1 Company Laser (Shobaleader One)
#2 Squarepusher (Shobaleader One)
#3 Cocco


4月に来日を果たした、Squarepusherによる覆面バンドShobaleader Oneからリズム隊の二人が選出。自分は一応元ドラマーなのでライヴ鑑賞時は特にドラムに注目するのだけど、多分これまでに生で観た中で一番バカテク。もちろんバンドの中心人物であるSquarepusherも超バカテクだけど、完全にドラムが全部持ってってた。とりあえず動画を貼っておこう。



Coccoを観るのはフジロックでのステージが初めてだったけど、その存在感に圧倒された、裸足に真っ白な衣装で、細く長い四肢を振り乱して力強く歌う姿が最高にかっこよかった。



-ベスト・男性アイコン
最もかっこよかった男性アーティスト
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#1 hyde (L'Arc~en~Ciel)
#2 King Krule
#3 Arca


hydeは、4月のラルクの東京ドーム公演に2日間行って、そのスターとしての存在感にとにかく圧倒された。麗しくて妖艶で眩しく、その一挙手一投足に心酔。

King Kruleは、虚弱体質っぽい見た目からは想像もつかないヤサグレた声と天才的な音楽センスが魅力的。若き日のシェイン・マガウアン(The Pogues)を彷彿させる、完成されたルードボーイ。

上位2人は街で見かけても絶対に声掛けられないようなオーラがあるけど、Arcaは逆にオフではめちゃくちゃ気さくでチャーミングそう。その代わり、ステージではド変態。このギャップがたまらない。フジロックのBjörkのステージにおける紳士的な佇まいも評価。



-ベスト・女性アイコン
最もかっこよかった女性アーティスト
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#1 Sabrina Claudio
#2 Fergie
#3 Kelela


Sabrina Claudioは見た目も声も美しくセクシーで、佇まいも気品がある。「フォトジェニック」とはまさに彼女のためにある言葉なのでは。

Fergieはだんだんお肉がついてきたけど、逆にそのマッチョ具合がキツめのメイクとの相乗効果でドS要素を高めていて、ジャケの腕組み+ガン飛ばし写真も最高にクール。ラップのキレもパワフルな歌声もさらにパワーアップした感。

KelelaはFKA twigsを思わせる「長い四肢+大きな瞳」の宇宙人的なルックスが、非現実感や神秘性を醸し出していてかっこよかった。



-ベスト・ライヴ
演出、セットリスト、ロケーションも含めた全体評価

▼フェス、イベント部門
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#1 LCD Soundsystem (Fuji Rock Festival '17)
#2 Empire of the Sun (ULTRA JAPAN '17)
#3 The Avalanches (Fuji Rock Festival '17)


ベスト・アーティスト(グループ部門)でも書いたように、LCD Soundsystemのライヴはエモーションとエネルギーの爆発力がすさまじかった。ジェームス・マーフィーの歌の上手さにもあらためて感服。

Empire of the Sunはここ数年ずっと来日を切望していたけど、遂にその夢を叶えてくれたULTRAという舞台は若干アウェー。しかしそんなことにはお構いなしで、海外同様に本気度の高いステージ。大勢のダンサーが登場し凝りに凝った衣装をとっかえひっかえ、ラストにはフロントマンのルーク・スティールがギターをド派手に破壊するなど、最高に楽しめるエンタテインメント・ショウを見せてくれた。

The Avalanchesも、マブなチャンネーEliza Wolfgrammがバットを振り回しつつ歌い、Spank Rockのナイーム・ジュワンもVo.参加と、グリーンステージという大きな舞台が映える生演奏主体のステージで最高に踊れたし楽しかった。



▼単独公演部門
#1 L'Arc〜en〜Ciel (4/8,9 @TOKYO DOME)
#2 Shobaleader One (4/12 @SHIBUYA O-EAST)
#3 Jane Birkin (8/19 @Bunkamura オーチャードホール)


2017年最大で最高の思い出は?と聞かれたらラルクのドーム公演を2日間観られたことと答えるだろう。スケールの大きさ、オーディエンスの熱狂度(自分含む)など、ここ数年で体験した中でも一番だった。

熱狂と言えばSquarepusherの変名バンドShobaleader Oneの単独公演も、ベスト・ライヴ・パフォーマンス部門でも2人がランクインしている通り凄まじかった。バカテクたちによる音の塊のぶつかり合いは快感。

Jane Birkinは人生初のオーケストラ・コンサート体験ということで、それぞれの音のレイヤーを感じ、その重厚感に感銘を受けた。何度もはけてはステージに小走りで戻ってきてカーテンコールを繰り返すジェーンもチャーミング。



-ベスト・EP/ミニアルバム
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#1 ・・・・・・・・・ / CD
#2 yaeji / EP2
#3 yaeji / Yaeji EP


「シューゲイザー・アイドル」と銘打たれる・・・・・・・・・の初CDは1トラック70分超、うち8割は本人による演奏を含むノイズ/アンビエント・パートという内容。ジャケの顔部分はBoards of Canadaさながらにのっぺらぼうで文字要素もなく、人を食ったようなアーティスト名と作品名含め、その匿名性・特異性に満ちたコンセプトを評価したい。

ベスト・アーティスト(ソロ部門)、ベスト・ニュー・アーティストに続いてここでもランクインしたyaejiは、2017年にリリースしたEPが二作ともランクイン。中毒性がヤバい。



-ベスト・企画盤(リマスター/リイシュー/コンピレーション)
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#1 Ryuichi Sakamoto / ASYNC - REMODELS
#2 Radiohead / OK COMPUTER OKNOTOK 1997 2017
#3 Beach House / B-Sides and Rarities


2017年はリマスターの類は何も購入しなかった。坂本龍一のリワーク作品は一応V.A.のコンピレーションという扱い。メンツがとにかく最強すぎる。

Radiohead『OK Computer』は個人的に思い入れの深い作品だが、そのセッションで生まれた(時期が異なるものもいくつかあるが)B面曲を中心としたボーナス・ディスクを加えた20周年再発盤。追加曲は本編と比べると若干ポップながら、やはりどこか不穏な、あの時代特有の世紀末感に満ちている。

Beach HouseのB面集は、ちょうどB面曲を単曲で集めようとしていたのでジャストなアイテム。曲順なども練られていて、単なる寄せ集めではなくオリジナル・アルバムのような感覚で聞くことがきるところも評価。



-ベスト・カバー・ソング

#1 Cloud Nothings - "Clocks"(Coldplay)



#2 Kelly Lee Owens - "More Than a Woman" (Aaliyah)



#3 The xx - "My Love" (Justin Timberlake)



1位に輝いたのはCloud NothingsによるまさかのColdplayカバー。これは果たしてジョークなのか、壮絶なディス表明なのか…?随所に挿入される動物の鳴き声やらLed ZeppelinやらScatman Johnがとにかくカオスでスカム。音も映像も最高。

元History of Apple PieのKelly Lee OwensによるR&BディーヴァAaliyahのカバーも、一見意外性のある選曲ながらしっかり彼女のカラーになっていて秀逸。

The xxによるJTのカバーもやはり意外性があるが、なによりもまず原曲がもともと大好きな曲。そしてこのアレンジは、しっかりThe xxらしさが出ていて素晴らしい。



-ベスト・マイブーム・アーティスト
リリースに関係なくマイブームだったアーティスト

#1 L'Arc~en~Ciel
#2 BLANKEY JET CITY
#3 Cocco
#4 尾崎豊
#5 米米CLUB


空前のラルクブームはすでに2年半ほど続いているけど、4月のドーム公演直前や直後には丸々一ヶ月間ラルクしか聴かないという時期もあったほどその熱は冷めず。旧譜ベスト・アルバムでは上半期、下半期ともにラルクのアルバムが1位となるほどだった。

ブランキーは以前から続けていたオリジナル・アルバム全コンプが完了。彼らの持つ世界観や音楽性は、正直今の時代の価値観には合わないかもしれない。でも「何かとっても悪いことがしたい」と思いつつそんな勇気などなかったひ弱な少年の頃の気持ちを思い出させてくれる。

Coccoはフジロック効果。家に奥さん所有のアルバムが結構あったのでそれらを聴き、フジ後は未聴だったアルバムも聴いた。

尾崎豊もブランキー同様に、はみ出したり粋がったりすることに漠然と憧れつつも大人しくまじめな少年でいたあの頃の気持ち、内に秘めたる破壊願望みたいなものを思い出させてくれる。かつては彼の音楽は有名曲をカラオケで歌う程度だったけど、しっかりアルバムを聴くと、とにかくソングライティング能力の高さに驚かされる。

米米CLUBはわりとイロモノバンドからスタートして徐々に大衆的ポップスにシフトしていったバンドだけど、ずっと変わらないのはソウルやファンクのフィーリングとグルーヴだ。確かな演奏力がありつつも特異性を持った唯一無二の存在だと思うし、こんなグループは日本ではもう二度と現れないだろう。



-ベスト・邦楽アーティスト

#1 yule
#2 MINAKEKKE
#3 ONE OK ROCK


年間ベスト・アルバムで順位が高かった邦楽アーティストがその順番通りに選出された。坂本龍一は「邦楽」に括らずワンオクは「邦楽」扱いなのは、単純に購入した音源が国内盤仕様か海外盤(輸入盤)仕様かという理由。

yuleは先述の通り、バンドのクリエイティヴな姿勢や作品のクオリティの高さを評価。

MINAKEKKEは女性ソロSSWでありながらYUIやMIWAなどとは明らかに異なる「陰」の部分を持っているところが目新しかった。ニューウェーヴ、ゴス、シューゲイザー、ポスト・パンク、フォークなどを通過していたり、『Misery Is a Butterfly』期のBlonde Redheadを思わせるダークなメロディがやみつきになる。

ワンオクは、アルバム『Ambitions』がUSビルボード総合チャートの106位止まりだったのが不思議なくらい(それでも大したものだけど)。そろそろエモ~ハードコア~スクリーモ復権の波が来そうな予感がしているのだけど、もしその波が来るならばSkrillex、The 1975、Taylor Swift、The Weekndあたり以降の時代のトレンドなサウンドを取り入れたものになることは間違いないと思うが、それを最初に実現したのは間違いなく彼らだと思う。来たるべきそんな時代に、「早すぎた名作」として彼らの作品が正当に評価される日を待ちたい。



-最も衝撃を受けた音楽ニュース
▼チェスター・ベニントン(Linkin Park)死去
▼クリス・コーネル(Soundgarden)死去
▼元Crystal Castlesのアリス・グラスがイーサン・キャスからの性的虐待を告白


やはり悲しいニュース、痛ましいニュースの方がどうしても衝撃が大きくなってしまうけど、ランキングを付けるのはナンセンスだと思うのでこれは順不同で。チェスター・ベニントンもクリス・コーネルもとても好きな声の持ち主だったし、ともに自死ということもあり、優しい笑顔や繊細な心の奥に秘めたさまざまな葛藤や苦悩を抱えてがいたのかと思うと本当に辛いものがある。特にチェスターは慈善活動にも積極的だっただけに、人々を救う立場だった人が自ら命を絶つというのはあまりに衝撃的だった。

Crystal Castlesをめぐる騒動は、イーサンが「事実無根だ」と反論しているもののアリスの告白の大部分は事実なのだろうと思う。イーサンはすでに最低の人間だとは思うけど、今のところ本人たちの弁しか出ていないので、裁判などによる第三者の見解など続報を待ちたい。



第二部ではベスト・アートワークやベスト・ミュージック・ビデオなどを発表します。


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