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Albums of the Month

Albums of the Month (2018年12月)

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12月に初聴きした音源まとめです。今月はやや多め(そういえば去年も12月は多かった)。これは単純に11月の後半から12月にかけて注目作のリリースが集中したからとか、ネット注文で最も遅い発売日に合わせて一括配送されたからとか、まあいろいろです。でも短期集中でそれなりにじっくり聴き込めたかな。



というわけでまずは邦楽の2018年作品から。

あっこゴリラ / GRRRLISM (2018)
★★★☆☆
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向井太一とのコラボ曲などでも話題の女性MCによるメジャー1stフルアルバム。タイトルの読み方をしばらく「ゴリリズム」だと思ってたら「ガーリズム」とのこと。確かによく見たら全然「ゴリリズム」とは読めないけど、「ゴリリズム」の方が絶対いいタイトルだと思う。だってあっこゴリラだし。

あっこゴリラ - "GRRRLISM"




DAOKO / 私的旅行 (2018)
★★★★☆
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岡村ちゃんとコラボしようと、これまであまり食指が動かなかったDAOKOだけど、TVCMで流れていた「終わらない世界で」(溢れ出るコバタケ臭!)が気に入って購入。全体的には良かった…が、中田ヤスタカとのコラボ曲「ぼくらのネットワーク」で、歌い方まできゃりーに寄せなくてもいいのに。ラストの「NICE TRIP」がすごくトランシーでいい曲だと思ったらBOOM BOOM SATELLITESの中野さん作曲。なるほど。

DAOKO - "終わらない世界で"




中村佳穂 / AINOU (2018)
★★★★★
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「表現力」という点に関しては唯一無二の才能だと思う。ときにコムアイっぽくおどけたラップ調だったり、ときには変声期前の男の子のようだったり、かと思ったらきのこ帝国の佐藤千亜妃のように、凛とした力強さを感じさせる歌声になったりと、ほとばしるエモーションと脱力加減とクールさが同居しているというか。楽曲自体もフリーキーでありつつ緻密で、声とサウンドの調和が醸し出す不思議(マジカル)なポップ性は、Vampire WeekendやDirty Projectors、TV On The Radio、Chairlift、Yeasayerらを生んだ2000年代中期のブルックリン・シーンに通じるものがある。



FLOWER FLOWER / スポットライト (2018)
★★★★★
FLOWER FLOWER

YUIは、日本の女性ソロ・シンガーの中でもかなり上位のお気に入りだ。そんな彼女がyuiとして新たにバンド、FLOWER FLOWERを結成しデビュー・アルバムを発表した2014年当時は、自分のモードとの「ズレ」があったせいでスルーしてしまった。

でも今回の2ndで初めて彼女らのアルバムを聴いてみると、なぜyuiがソロとしてのキャリアをリセットしてまでバンド活動を始めたのか非常に合点がいった。「あなたと太陽」なんてソロ時代では考えられなかったウィスパーな歌唱だし、「パワフル」のようなテクニカルで複雑なリズムの楽曲はソロ時代にはいろいろと制約があったことだと思う。ダブやプログレなどアレンジの幅も多彩だが、その屋台骨となるバンドの各メンバーもフロントに負けないくらい主張していてかっこいい。

FLOWER FLOWER - "パワフル"




三浦大知 / 球体 (2018)
★★★★★
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去年から今年にかけて音楽番組に出まくっていた印象があるが、「ブレイク」だなんてとても言えない。だって彼は10歳の頃から表舞台で活躍してきたのだから。とはいえ、これまで自分の中では「ダンスも歌も上手いアーティスト」という存在に過ぎなかったのが、2年ほど前からSeihoさんやCarpainterによる楽曲提供によって興味を抱くようになった。

そんな中リリースされた本作は、全曲をNao'ymtがプロデュースしたこと、シングルが切られていないこと、全曲日本語タイトルで統一されていることという前情報からもコンセプト作であることがわかる。サウンド面でも統一感があり、ブレイクダンスよりもコンテンポラリーダンスが似合いそうなスペイシーな曲が中心でめちゃくちゃかっこいい。

冒頭の「序詞」の中の"ただいま"というセリフ、『球体』や「円環」といったタイトル、そして歌詞に何度か登場する"人生"というワード、ラストのタイトル「おかえり」、そして「世界」の"支え合って/愛し合って/それは未来へ"という歌詞などから、これは「子から子へ繋がって、円のように果てることなく永遠に続いていく人生(あるいはその世界)」がテーマになっているのだろうと感じた。



cero / POLY LIFE MULTI SOUL (2018)
★★★★☆
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ceroが好きかと言われると、実はそうでもない。でもこれまでのアルバムは全て追っている。それはメンバーの一人が、かつて僕が所属していた大学の音楽系サークル出身ということで「聴かなきゃいけない使命感」みたいなのがあるのも事実だ。そんなわけなので特別な期待もせずに聴いたけど、これまでのアルバムで一番好きかも。グルーヴ感もソウルフルさも前作以上。



teto / 手 (2018)
★★★★☆
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という感じで2年前から注目していたバンドの1stフルアルバム。

銀杏BOYZを好きになった時は、すでに峯田一人になっていた。andymoriを好きになった時は、ボーカルが河に飛び込んだ後だった。でもtetoとは共に歩んでいける。「Pain Pain Pain」を初めて聴いた時はandymoriを連想したりもしたけど、これはもう完全に銀杏BOYZチルドレン。でも思春期に宿る内なる衝動を暴発させた銀杏とは違って、tetoは世の中をしっかり俯瞰したうえで矛盾を突くタイプだ。

teto - "溶けた銃口"



それにしても3曲目「トリーバーチの靴」の間奏のギター(1:01~)、モロにThe Libertinesの「Time For Heroes」を引用してるのが潔いというか、影響源隠さない感じがいいなと思った。

teto - "トリーバーチの靴"


The Libertines - "Time For Heroes"




続いて洋楽の2018年作品。


Grace Carter / Why Her Not Me EP (2018)
★★★★★
Grace Carter_Why Her Not Me EP

Spincoasterのキュレーター時代に彼女の「Silhouette」を取り上げた際にはTwitterでも「ここ2、3年で出会った中で最も美しい曲だと思うし、今最も期待しているアーティスト」と評させてもらったわけだけど、今でもその気持ちは変わらない。が、ちょっと不安もある。彼女はピアノ主体でシンプルなアレンジの楽曲をエモーショナルに歌い上げるソウル・シンガーであってほしい。でもDua Lipaなどが在籍するマネジメントと契約したらしく、ヘタにトレンディなR&Bビートが加えられてしまったりしないかかなり不安だ。持ち味を殺され凡百のシンガーにされてしまわないことを切に願うばかり。



Cloud Nothings / Last Building Burning (2018)
★★★★☆
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正直今回はこれまでの惰性で聴く(とりあえず過去作がどれも素晴らしいから今回も聴かなきゃみたいな)という感じで、先行曲「Leave Him Now」を聴いても「前作のソフトでポップな一面をさらに推し進めた感じかー」程度に思っていた。が、なんだこれは。冒頭の「On An Edge」からして全速力で、くっそハードじゃないか。何なんだこのバンドは。

いわゆる「ロック・バンド」の範疇の中で、アルバムを出すたびに「すげー。こうきたか。かっこいいな」となるのはRadioheadくらいだけど、彼らのように表現技法だったり音のテクスチャーでもって「すげー」と思わせるのではなく、このCloud Nothingsというバンドはギミック抜きの純然たる「ロック・バンド」として毎回嬉しい驚嘆をもたらしてくれる。

残念な点は10分超えの「Dissolution」。これまでも彼らの長尺曲と言えば「Wasted Days」や「Pattern Walks」があるが、これらの曲は長尺である必然性や構成の連続性のようなものがあった。長尺になるべくしてなったという感じ。でもこの「Dissolution」は無理やり長尺にしたという感じがする。インプロパートが徐々に盛り上がって最後に爆発、ではなく、最後に取って付けたようなパートがあってサラっと終わる。これだけは惜しい。



Muse / Simulation Theory (2018)
★★★★☆
Muse_Simulation Theory

ジャケはB級SF感に溢れているが、そのB級さがMuseらしいし、何より本作のサウンドに合っている。SF、サイバー、デカダン、メトロポリス、ブレードランナーetc.とにかくそんなワードがピッタリ。Museのアルバムはどれも好きだけど最近行き詰ってきた感があったので、今回は突き抜けた感あって良かった。「Pressure」最高。

Muse - "Pressure"




The 1975 / A Brief Inquiry Into Online Relationships (2018)
★★★★★
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やってくれました。3作目というのはバンドにとっても大きなターニング・ポイントになることが多いが、間違いなく今後の彼らの立ち位置を決定付けるようなアルバムになったと思う。

先行公開された「Give Yourself a Try」を最初に聴いたときは嘘だろと思うほどに失望したが(今でも本当にこの曲が嫌いだ)、Jon Hopkinsみたいなビートの「How To Draw / Petrichor」や、Flying Lotusなんかがよくやるハットの位置をズラしてビートの揺らぎを生む「Sincerity Is Scary」なんかはめちゃくちゃ好き。アコースティックな曲や、ジャズ、R&Bの要素を盛り込んだ曲など多彩なところも、アルバム全体にメリハリを生んでいて良かった。3作目でその時点での最高傑作を出すバンドは、さらにビッグな存在になるぞ(ジンクス)。



The Smashing Pumpkins / Shiny & Oh So Bright Vol.1: No Past, No Future, No Sun (2018)
★★★☆☆
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ジェイムス・イハが18年ぶりに復帰して、オリメンの3/4が揃ってのアルバム、さらにプロデューサーにリック・ルービン。もう期待しない方がおかしい。

…が、ナニコレ?バンドとしての新機軸があるわけでもないうえに旧来ファン向けのヘヴィネスが炸裂するのも4曲目からという感じで、全8曲というこじんまりとしたヴォリュームにしても、長大でヘヴィな作品が多い彼らからすると物足りない。いや、前作『Monuments to an Elegy』もトータル32分でコンパクトだったけど、少なくともヘヴィでかっこいい曲もメロディアスな曲も多く、大変満足のいくアルバムだった。せっかくイハもジミーも揃っているのに二人の存在を感じさせてくれる曲が少ないというか。「Solara」のPVを初めて観た時が期待値のピークだったかなあ。この曲は大好きだし、ビリーのゴス&ダーク趣味が前面に出ていて最高だったんだけど。

The Smashing Pumpkins - "Solara"




最後に旧譜です。

Beck / Colors (2017)
★★★☆☆
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Kygo / Kids In Love (2017)
★★★☆☆
Kygo Kids In Love



きのこ帝国 / ロンググッドバイ (2013)
★★★★★
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今年は本格的にきのこ帝国にハマり、過去のディスコグラフィを聴きまくった。そんな時に「あ、『ロンググッドバイ』だけまだ聴いてないや」と気付いた、というわけで。



Siouxsie & The Banshees / The Rapture (1995)
★★★★☆
Siouxsie The Banshees_The Rapture

Siouxsie & The Bansheesの全アルバムコンプリート聴きもこれにて完結。作品出すごとにポップさが増しているので、目下ラストである本作はめちゃくちゃポップ。



渡辺美里 / Orange (2003)
★★★☆☆
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今年初めに、妻所有の渡辺美里のアルバムを全部ちゃんと聴いてみようと思い立ち、家にある全17作品をリリース順に聴いてきたけどいよいよ完結。全体的に洋楽っぽさがあり、90年代女性SSW風の「ジグザグ」、当時のR&B風の「真夜中すぎの月」や「グロリア」などが良かった。

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