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Albums of the Month

Albums of the Month (2019年8月)

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今年のサマソニ、東京の一日目だけ行くつもりだったのに油断してたら売り切れてしてしまい、結局行けませんでした。これまでも不参加の年はあったけど「行きたかったのに行けなかった」ってのは初めてだなー。Bring Me The Horizonの単独も抽選外れるしで、今年はまだフジロックしかライブに行けてない(でも年末のU2は行くもんね!)。

サマソニと言えば今年Weezerも出演してたけど、先日浜田省吾を聴いてるときに、声がたまーにリヴァース・クオモに聞こえることに気付いた。これってもしかして、今まで誰も気付いてこなかったけど、意識して聴き比べたら誰もが「確かに!」ってなるレベルの大発見なのでは?と思って検索したら既にネット上では同様の意見が散見されてました。え、どこが?と思う人は浜省の「J.BOY」の「Show me your way~」って部分をリヴァースを意識して聴いてみてください。言わんとしてることはわかってもらえると思う…。



さて、今月初めて聴いた音源まとめですが、全体的に非常に統一感のある並びとなりました。

テーマは"ダーク&ゴス!!"



先月も書いたけど、フジロック直前にBUCK-TICK(以下B-T)ブームが到来してしまいアルバムを複数枚購入。以前からその兆しはあったのでついに来たかという感じだったわけですが、「フジロック終わるまでは聴いちゃダメッ」と悶々とした状態でフジロックを迎え(先日フジロックブログも公開しております)、8月になったので思いっきりB-T三昧できるぜ!と意気込んだものの、それまでの抑圧による反動か、そこからさらに飛び火してLSB界隈にまで手を伸ばしてしまう大惨事(?)に。

「LSB」ってのは1994年にLUNA SEA、SOFT BALLET、BUCK-TICKを中心に開催された伝説のフェスイベントのこと。今月はそれら3組を特にヘビロテしていたんだけど、さらにはその周辺プロジェクトや、シーン的に繋がりのあるバンド──具体的にはSCHAFTやSchwein、minus(-)、黒夢、初期Nine Inch Nailsなど──へと、どんどん興味が広がっている状況。

いやー、沼って怖いね。






とりあえずまずはフジロック関連のものから。

Black Boboi / Agate (2019)
Black Boboi / Red Mind/4hours (2019)

★★★★★
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フジロック最終日の深夜2時過ぎにレッドマーキーに出演。鬼の右腕や、D.A.N.のサポートとしても知られる才女・小林うてなが新たに結成した女性3人組の1stミニアルバム。6曲では尺的に物足りないのでデジタル・シングルも購入し、全8曲として聴いている。

曲の構成自体はミニマルながらも、浮遊感のある電子音やドープなビートによってヒリヒリとした緊張感をたずさえたサウンド。そこに複数の女性ヴォーカルがときには妖しさを、ときには温かみを添えている。おや、この既視感は…ああ、ちょうどWarpaintの最初のEP『Exquisite Corpse』(2008)を初めて聴いたときの感覚と似ている。

もちろんこのBlack BoboiとWarpaintではサウンド自体、かたや電子音中心、かたや生音中心なので異なるが、2008年当時はまだダークでサイケな音楽にさほど関心がなかったものの、「女性オンリーのバンドでこういうサウンドはめちゃくちゃクールだな!」とワクワクした記憶は鮮明に残っていて、今回Black Boboiを聴いた時に呼び起されたのもそんな感情だった。

こんな音楽を作りながらも普段のキャラはあっけらかんとして無邪気なユーモアに満ちている小林うてなのキャラクターも好感が持てる。そんな彼女は最近ダイアナチアキとともに新たなるプロジェクト、MIDI Provocateurの活動も開始(こちらは完全にクラブ・ミュージック仕様)。才能が爆発しまくっているのでますます目が離せない。

Black Boboi (LIVE AT LIQUIDROOM)


MIDI Provocateur - "⋈ Artemis ⋈"




で、BUCK-TICKです。ハマった経緯については後日あらためて記事として書きたいと思うのでここでは省きます。フジロック前に購入したのは

『狂った太陽』
『殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits』
『Six/Nine』
『COSMOS』
『ONE LIFE,ONE DEATH』
『十三階は月光』
『惡の華 (2015年ミックス版)』


の7枚。8月に入ってからは

『TABOO』
『惡の華 (1990年オリジナル版)』
『SEXY STREAM LINER』
『或いはアナーキー』
『アトム 未来派 No.9』
『No.0』


の6枚、トータル13枚を購入しました。

それなりの出費ではあります…(汗)



BUCK-TICK / 惡の華 (1990)
★★★★☆
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まず2015年にリリースされたプラチナSHM(あらたにミックスし直されている)盤を先に購入したんだけど、それを聴く前にオリジナルはどんな音だったのか?というのが気になり90年リリース盤も購入。B-T祭りはまずこれからスタート!

そもそもB-Tを初めて知ったのはシングル「惡の華」をラジオで聴いたときだったんだけど、その曲調や本作ジャケットなどから連想されるダークで耽美な要素を期待すると若干肩透かしを食らう。ギターはペニャペニャしていてドラムも軽めの音だし、櫻井氏のボーカルもその後と比べるとドスが効いておらず、強烈なアイデンティティの萌芽は見え隠れしているがまだまだ成長過程といったところ。

ただ、バンド・ブーム真っ只中の時代にヒットしそうなポップさは全体的に感じられて、特に「LOVE ME」においてはそれが顕著。そして終盤の「惡の華」から「KISS ME GOOD-BYE」で「この後もしや、彼ら大化けするのでは…?」という期待を持たせて終わるような構成も秀逸である。

BUCK-TICK - "惡の華"

古いPVでも公式がちゃんとアップロードしてくれてるのいいね



BUCK-TICK / 狂った太陽 (1991 / 2002 Remaster)
★★★★★
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そして次にリリースされたアルバムがこれだ。え!同じバンドがたった1年でここまで進化してしまうんですか?まじですか?

ヤバすぎないですか??

今後も深い関わりとなるエンジニアとの出会い、新たに手に入れた「エクスペリメンタル」や「インダストリアル」という要素、ポスト・パンクやメタル、タンゴなど様々なジャンルを取り込んだ怪しく攻撃的なサウンド、ボーカル櫻井の表現力の劇的な変化──ドスを効かせたり、ハスキーにシャウトしたり、艶めかしくハイトーンで歌ったりetc.。全曲捨て曲なし、曲のバリエーションから曲順の並び、何から何まで最高。まだまだこれからもB-Tのアルバムをいろいろ聴いていく予定だけど、これ最高傑作で良いのでは…(後日、前言撤回するかもしれんが)。

それにしても「MACHINE」や「変身 [REBORN]」、「太陽ニ殺サレタ」における今井氏のギター、かっこよすぎて痺れる。

BUCK-TICK - "JUPITER"




BUCK-TICK / 殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits
(1992 / 2002 Remaster)

★★★★★
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恐らく、『狂った太陽』でようやく自分たちの思い描く音を作品に落とし込めるようになったことにメンバーも大きな手応えを感じたのだろう。最初のレコーディング当初、作品としての出来に満足いかなかった曲、あるいはライブをこなすうえで徐々に進化を遂げた曲含め、「今のポテンシャルで過去の曲を再構築する」というメンバーの意向と、「売れたしそろそろベスト盤でも出さない?」というレコード会社の意向がマッチして生まれた作品なのではないだろうか(※想像です)。その辺の「最終的なやりたいことは両者一致しているけど、目的は不一致」というのは「This is NOT Greatest Hits」というサブタイトル部分に強く表れている。

そのため、既に完成されきっている『狂った太陽』収録曲までリメイクしなくてはいけなくなったが、それらを小規模な変化に留めた代わりに、それ以前の楽曲は大胆にアレンジ。アップテンポだった「LOVE ME」がブリット・ポップ風のミディアムテンポになっているのも良アレンジだが、とりわけ白眉なのは原形を留めないほどにアレンジされた「M・A・D」だ。これマジでOneohtrix Point Neverがやってることじゃん!OPNよりも25年早ぇ…。

あと、「...IN HEAVEN...」と「MOON LIGHT」、「TABOO」と「HYPER LOVE」がシームレスに繋がっていて、プログレッシヴな展開を持った1曲のように聴こえる構成も激かっこいい。



ちなみに『殺シノ調べ』の次にリリースされた『darker than darkness -style 93-』はB-T作品で唯一、以前から聴いたことのあるアルバムだったけど、本格的にB-Tにハマってからあらためて聴くと前後の文脈と繋がって、今まで以上にかっこよさがわかるようになった。

あと、自分はあるアーティストにハマった時に短期間でガーッと音源を集めたとしてもイッキには聴かず、1枚を数週間~1ヶ月程かけてじっくりと聴き込むタイプ。なので今月のB-T祭りは一旦ここまでです。来月以降、残りのアルバムも楽しみだ。



Schwein / Son of Schweinstein (2001)
★★★★★
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BUCK-TICKの櫻井敦司と今井寿がイギリスのPIG、ドイツのKMFDMのメンバーと組んだユニットのリミックス盤。このユニット自体はリリース当初から知っていたが、当時はそこまでB-Tに興味がなかったためスルーしていた。

今回のB-Tブームによって思い出したのでSpotifyでオリジナル・アルバム『Schweinstein』を聴いてみたがやや肩透かし気味で、一方でKEN ISHIIやCharlie Clouser(Nine Inch Nails)らが手掛けたリミックス盤はとてもかっこよかったので即購入。「Lard, Lips, Liquor (Shadow)」とかすげー攻撃的でヤバイ。



Nine Inch Nails / Pretty Hate Machine (1989)
★★★★☆
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Schweinリミックス盤からのNIN繋がり。実はこのアルバムは20年ほど前に兄が家を出るときにもらったたくさんのCDのうちの一枚なのだけど、1回だけ聴いて「全然良くねえ」と即売り払ってしまっていた。それから15年近く経ってから『The Downward Spiral』や『Broken』でNINにハマったけど、依然として「NINも1stの頃は全然良くなかったよね」という印象を抱いたままで。

Schweinきっかけで久々に93年のウッドストックのNINのライブ動画を観たりしているうちに、「この曲かっこいいな、どのアルバムに入ってるんだろ」→「あれもこれも『Pretty Hate Machine』収録じゃん!」となり再購入。やはり音楽って聴いたその時に持ってる知識やプロセスによって全く印象変わってくるなあ。

もともと自分はTM NETWORKやPet Shop Boysなどを聴いて育ったからか、打ち込みで生っぽいドラムを再現したのが苦手で。打ち込みなら打ち込みらしく、いかにもエレクトロなドラム音であってほしいんだよね。以前この作品が受け入れられなかったのはそんな理由だと思う。あとやっぱり打ち込み系なら明るくてキャッチーであるべきみたいなところがあって、でもDepeche Mode(最近プジョーのCMで「Personal Jesus」が使われてる)にハマってからは無機質で暗い打ち込みでも良さがわかるようになったってのはある。

余談ながら「Something I Can Never Have」がとても好きなんだけど、このピアノのフレーズってLinkin Park「What I've Done」のインスピレーション元だったりするのだろうか。

Nine Inch Nails - "Something I Can Never Have"


Linkin Park - "What I've Done"




続いて、LSBの「S」、SOFT BALLET3作品です。

SOFT BALLET / DOCUMENT (1990)
★★★★★
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SOFT BALLET / 愛と平和 (1991)
★★★★★
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SOFT BALLET / MILLION MIRRORS (1992)
★★★★★
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幼少期に兄が聴いていたのを同室で聴いていた程度だったSOFT BALLET。3年ほど前にベスト盤を聴いて以来マイブームになっていたんだけど、B-T祭りの影響でこちらもブーム再加熱。ベスト盤だけでは飽き足らず、オリジナル・アルバムも集めることに。今月は2nd~4thの3枚を購入。1stの『EARTH BORN』も欲しい。

比較的ポップな『DOCUMENT』は、「Escape」のオリジナル・バージョンがSOFT BALLETらしからぬこんなかわいらしいテクノ・ポップだったとは驚き。ただ、ベスト盤に入っていた「Escape -Rebuild-」の方が断然好き。オリジナルは「全てに」の部分をサラッと歌っているけど、「Rebuild」はドス利かせてるし。

『愛と平和』はキャッチーで口ずさみやすい曲が多い。彼らの代表曲「EGO DANCE」(8cmシングル持ってます)も収録。終盤に突如ブチ込まれるTHE BOOM風な「TEXTURE」にも驚かされる。

『MILLION MIRRORS』は「ミーハーなファンを駆逐する」とインタビューで語ったことのある作品で、これまで以上に重さや暗さのようなものがよく出ていて、この3枚の中ではこれが一番かっこいいと思う。特に「Vietnam」と「THRESHOLD」の破壊力やべえ…。Zola JesusやThe Knife好きにもオススメ。

SOFT BALLET - "THRESHOLD"




それにしても、なんて絵になる3人なんだ。音的にはニューウェーヴ/EBM/シンセポップで打ち込み主体なのになぜかヴィジュアル系に括られたりすることが多いよね。まあ大枠で「耽美系」(「ヴィジュアル系」って言葉が定着する以前はこのような呼称も用いられていた記憶がある)ってことなんだろうけど。

90年代の日本に、音楽もライブもルックスもこんなにかっこいいバンドがいた奇跡を、当時はお子ちゃますぎて理解できなかった…。Depeche Modeを通過してようやくSOFT BALLETがいかに素晴らしかったか理解が追い付いたよ。

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特にボーカルの遠藤遼一がイケメンすぎて最近は画像検索しては眺めてウットリしてる。

溜息が出るほどかっこいい…!ヤバイ!惚れてまう!

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取り乱しました。さて次はBUCK-TICK、SOFT BALLETときてLSBの「L」。

LUNA SEA / LUNA SEA (1991)
★★★★☆
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インディーズ(X JAPANのYOSHIKIのエクスタシー・レコーズ)からリリースされた1stアルバム。

まずこのジャケを見てくださいよ。当時の「ヴィジュアル系」を体現してるなあ…。90年代初頭のヴィジュアル系ってどれも「死」とか「暗黒」とか、とにかく退廃的なムードがルックスからもメロディからも歌詞からも湧き出ていて、そういうの聴いてると親から怒られるようなアウトローな存在だったので、中二病真っ盛りの自分にはとにかく刺さったものだ。ただ、インディーズだったしネットも普及してないしで聴く機会はなくて。何年か前にベスト盤『LUNA SEA COMPLETE BEST』を聴いたらインディーズ時代の曲も収録されていて、この頃のアルバムもちゃんと聴きたいなと思い始めた。

粗削りながらもそこにこそメジャー時代にはない魅力があり、ハードコア・パンクやスラッシュ・メタルの要素も感じられて、何よりRYUICHIの歌い方も今ほどクセが強くなくてとてもかっこいい。ちなみに9月にはメジャー2nd『EDEN』が届く予定。



黒夢 / 『生きていた中絶児・・・・』 (1992)
★★★★☆
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黒夢 / 迷える百合達〜Romance of Scarlet〜 (1994)
★★★★★
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LUNA SEAのインディーズ時代の音源を聴いて、後にメロディアスになり音も洗練されてJ-POP/J-ROCKに組み込まれたLUNA SEAも初期は相当尖ってんな…となったけど、確か黒夢も初期はかなり尖ってたような?となりインディーズ期のミニアルバムとメジャー1sの2枚を購入。自分にとって黒夢は後にハードコア・パンク化してからの方が馴染みがあったけど、特にインディーズ期の退廃的・耽美的で尖りまくった感じはLUNA SEA以上!

『生きていた中絶児・・・・』は完全にハードコア/スラッシュメタル/ブラックメタル寄りで、メジャー初期よりむしろ『CORKSCREW』以降の音楽性の方が近いかも。インディーズなのでミックスバランスも悪いしボーカルのボリュームオートメーションもされてないんだけど、その音の悪さが逆に良いみたいな…。Nirvanaの『Bleach』みたいな感じと言ったらいいのかな?ジャケのB級感も最高(実はジャケ買いです)。

対して2年後の『迷える百合達〜Romance of Scarlet〜』はメジャー1stということで音もきれいだし曲調もメロディアスに。哀愁を帯びたメロディと清春の「後にヴィジュアル系の雛形となった歌唱法」、そして臣(後に脱退)によるネオアコ風味も感じさせる美麗なギターフレーズにより、とっても「ザ・90年代ヴィジュアル系」という感じ。もちろん、彼らがその型にはまったのではなくて、彼らがその型を作ったのだ。そういう意味ではこのアルバムはヴィジュアル史において、ラルクの『DUNE』と双璧をなすほどに重要作と言えると思う。

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