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Albums of the Month

Albums of the Month (2019年10月)

albums_of_the_month.png

ポピュラー音楽に限った話(ジャズとかワールドミュージックとかは一旦置いといて)ではあるけど、「洋楽」と「邦楽」の違いはとても興味深い。

たまに「邦楽は世界のポップス・シーンから見てもガラパゴス化して~」みたいなことが度々言われていて、なぜかその状況を憂いたり、「早く邦楽も洋楽の水準に達しないと…」みたいな言説を見かけたりもするけど、いやいやとんでもない。自分は邦楽のガラパゴス化推進派だったりする。その方が絶対楽しいと思う。洋楽の「いわゆる洋楽っぽいところ」と邦楽の「いわゆる邦楽っぽいところ」って、それぞれどういった特徴があるのか説明しろと言われたら上手く言語化はできないけど、やっぱりポップスにおける洋楽と邦楽って曲構造とかメロディ展開のしかたとかミックスバランスとかは大きく異なっていて、それぞれに良さとか面白さがあると思う。

なので、時期によって(というか中長期的な嗜好の"モード"によって)洋楽と邦楽どちらをメインで聴くかというのも結構変わってくる。自分に関してはここ2年ほど邦楽寄りで、特に今年からそれが加速している感じ。今月は19作品と比較的多く聴いたほうだけど、そのうち邦楽は15作品を占めた。別に洋楽に興味がなくなったわけでもなく、聴きたいものや気になるものをチョイスした結果なので、やっぱり嗜好の"モード"の遷り変りによるものなのだろう。でも注文してこれから届く洋楽CDも10枚くらいあるので、来月は洋楽の方が多くなるかも。

てことで今月聴いた作品まとめです。



BABYMETAL / METAL GALAXY [Japan Complete standard edition] (2019)
★★★★★
BBYMTL METAL GALAXY

すごいなー。全米チャート13位(ライブチケットバンドル売りにより、翌週圏外とはいえ)というリアクションもすごいけど、曲(もちろんボーカルも含む)の作りこみのクオリティが半端ない。でもこれ、めちゃくちゃ「邦楽」っぽい作品だなと。

いや、実はちょっと心配だった。前作・前々作と海外での反応が良かったから、今度のアルバムで「洋楽メインストリームにすり寄った作品」になってしまうんじゃないかと(ワンオクみたいに)。でもやってくれました。「Elevator Girl」のモロに王道J-POPアイドルソングなサビメロ!「DA DA DANCE」のパラパラユーロメタル!

自分の音楽体験はユーロビートが原点なのでこれにはめちゃくちゃアガった。90年代以降に日本で独自進化を遂げたユーロビートは、日本でこそ「U.S.A.」とかでポップソングのアレンジとしてなじみ深いけど、現代の欧米ポップスシーンでは完全にオワコンなわけで、それがメタルとのハイブリッドによりいい意味での「異物感」として現代チャートにぶち込まれることの爽快感。最後の「舞い踊れ!」での転調とかも、いかにもJ-POP的だなと思う。あとラップ・パートがモロにDJ KOO(TRF)風で「Overnight Sensation」だの「BOY MEETS GIRL」といったリリックをぶち込んでくるのもサイコー。

自分たちがすでに海外マーケットのフィールドにいることを自覚したうえでの、この潔い「ザ・J-POPアレンジ」とか、「いないいないばあ」に聞こえる「Night Night Burn!」とかも、「日本人で良かった」って思える。例えばKendrick Lamerとか聴いてても、「異なる文化で育った我々には良さをわかったつもりでいてもわかりきってない部分も多いんだろうな~」なんて常々思っていたけど、これはその逆パターンと言えるだろう。

そして何よりも、先行公開された「Shanti Shanti Shanti」の破壊力がヤバい(ヤバい以外の言葉が見つからん…)。パロディのように安易にインド要素を取り入れるのではなく、細かい歌唱表現やサウンドに関しても完璧なアレンジだと思うし、何よりも中毒性が高い。個人的に2019年のベスト・ソング候補。

国内盤は2枚組で全16曲だけど海外盤は1枚で全14曲。「↑↓←→BBAB」と「BxMxC」がカットされているようだけど、もったいないなー。コンセプト的に今作においては2枚組というのも重要なファクターだと思うので、これは絶対国内盤でしょう。

BABYMETAL - "Shanti Shanti Shanti"




Ed Sheeran / No.6 Collaborations Project (2019)
★★★☆☆
Ed Sheeran No6

で、BABYMETALの対極にあるのがこれなんじゃないかな。ほぼ全曲3分台で、3、4つのコードでAメロもサビも同じコード進行っていう。洋楽のメインストリーム・ポップスってほんとこういうシンプルな構成の曲多いよね。

でもそういう曲も好きだし、そういう曲こそソングライティング・センスの高さがうかがい知れたりする。こういう「シンプルなコード展開でありながら、いかにサビの歌メロを展開できるか」という点においては、近年ではケイティ・ペリーが最も優れたソングライターだと思うけど、エド・シーランもなかなか。



MIDI Provocateur / Episode 2 (2019)
★★★★★
MDProvocateur Ep2

MIDI Provocateur / Episode 1 (2019)
★★★★★
MDProvocateur Ep1

ダイアナチアキと小林うてなによるエレクトロ・ユニットの本日リリースの最新EPと前作EPを同時購入。小林うてな、完全に才能が爆発してやがる…。今年はBlack Boboi名義でシングルやEP(ミニアルバム?)を出したり、こちらの名義でもEPを2枚出して、いずれもハイクオリティなのだから凄い。ジャケも良いな。

MIDI Provocateur - "Izanami"




BUMP OF CHICKEN / aurora arc (2019)
★★★★☆
boc_aurora arc

何を隠そうバンプのアルバムを聴くのは『FLAME VAIN』(デビューアルバム)以来20年ぶりのこと。全14曲中12曲が既発曲らしいけど、そういうのっていかにも「邦楽」だよなと思う。洋楽だと2年以上とか経ってる既発曲はアルバムに収録されないことの方が多いし。とはいえ普段バンプのシングルはチェックしておらず、CMなどで2曲くらいしか聴いたことがなかったので自分にとっては新鮮だった。まだ粗削りだった1stの頃と比べるとほんと洗練された音になったなーと。



カネコアヤノ / 燦々 (2019)
★★★☆☆
kanekoayano_sansan.jpg

「第11回CDショップ大賞2019」入賞作品選出で話題となり気になっていたSSW。ちょっと柴田聡子っぽさがある。



THE NOVEMBERS / ANGELS (2019)
★★★★☆
the novenbers_angels

もはや「孤高のバンド」となりつつあるTHE NOVEMBERS。Suicideのカバーもかっこいい。

THE NOVEMBERS - "BAD DREAM"




Noël Wells / It's So Nice! (2019)
★★★★★
Noël Wells Its So Nice

女優でありコメディエンヌであり映像作家であるノエル・ウェルズのデビュー・アルバム。8月リリースだけどCDフォーマットでのリリースがなくしばらく待っていたものの、出る気配がないのでようやくデジタルで購入した。

本業が映像系だとどうしてもミュージシャン業が片手間なように思われがちだけど、ソングライティング能力かなり高くないか?曲を聴きながら「このコード進行!最高か!」と唸る場面がいくつもあった。中でも「Sunrise」や「Star」なんかはフレンチポップとかソフトロックっぽさもあって特に秀逸。

可憐で少しアンニュイな声というのがMarianne FaithfullとかRussian Red、Stella Donnellyあたりを思い起させ、素朴でやや憂いのあるメロディとの相性抜群の声だと思う。歌詞は結構辛辣みたいだけど。

Noël Wells - "Sunrise"




Miguel / War & Leisure (2017)
★★★★☆
Miguel War Leisure

2015年の初来日公演はキャンセル。2016年に観に行ったガバナーズ・ボール(ニューヨークのフェス)でのライブは、その日のベスト・アクトと呼べそうなほどに最高なライブパフォーマンスを見せてくれたと思ったのもつかの間、中盤からゲリラ豪雨に見舞われまともに観れなかったのが悔やまれた。

先日行われた初来日公演には自分は行かなかったんだけど(行かなかったんかーい)、行ってきた奥さんからCDを借りた。




ここからはいつもの耽美なラインナップです。

Depeche Mode / Black Celebration (1986)
★★★★★
Depeche Mode Black Celebration

最近のSOFT BALLETマイブームの余波を受けて、Depeche Modeも頻繁に聴いている(奥さんによると「SOFT BALLETとDepeche Modeどっち聴いてるのかよくわからない」とのこと笑)。

Depeche Modeは数年前にハマった際に『Some Great Reward』『Music for the Masses』『Violator』を買ったけど、次に聴こうと思っていたのがこの『Black Celebration』だったもののそのままになっていた。なぜこのアルバムが聴きたかったかというと上記のアルバムと同時期の作品であること、彼らのアルバムの中でも特に名盤とされていること、よりダークな作風という評判だったことなどから。

まだ彼らのディスコグラフィの半分も聴けていないけど、確かに本作は最高傑作なんじゃないだろうか。ジャケもかっこいい。

Depeche Mode - "Stripped"




SOFT BALLET / 3[drai]+3 (1990 / 1996 Reissue)
★★★★★
SOFT BALLET 3[drai]_3

SOFT BALLET / ALTER EGO (1992)
★★★★★
SOFT BALLET ALTER EGO

SOFT BALLET / TWIST AND TURN (1993)
★★★★★
SOFT BALLET TWIST AND TURN

着々と揃いつつあるSOFT BALLETのディスコグラフィ。雑誌で特集組まれたりアナログ再発されたりオールタイムベスト盤が来年リリースされたりと盛り上がってますな。

今回はミニアルバムの再発盤とリミックス盤2作。『3[drai]+3』の方は全6曲+ボーナストラック(シングルのカップリング)ながら粒揃い。メンバーそれぞれのソロ集的な側面もあり、どの曲も個性的で良い。

リミックスの方だけど、BUCK-TICKの94年のリミックスアルバム『シェイプレス』といい、この時代ってレコード会社がアーティストにちゃんとお金掛けてくれてるなあ…。もちろんSOFT BALLETやB-Tのメンバーが「こういった人たちにリミックスしてほしい」みたいなところもあったのだろうけど。『シェイプレス』も、このリミックス2作も参加リミキサーは、OrbitalにAphex TwinにAutechre、Hardfloor、808 State、Nightmares On Wax、LFO、Jah Wobble、Adrian Sherwood、Cabaret Voltaire…って、かつてのエレクトラグライドとtaicoclubが手を組んでも集められないくらいに豪華。『ALTER EGO』の方は、兄が持ってた記憶があるのでたぶんリリース当時聴いてるはず。でも当時小学生の自分には全く理解不能だったな。

ちなみにリチャード・D・ジェームスのAphex Twinとは別名義Polygon Windowによる「Sand Löwe」のリミックス(『TWIST AND TURN』収録)…え、リチャードがリミックスでちゃんと原曲の音を使っている…!?

SOFT BALLET - "Sand Löwe -the Polygon Window remix"




LUNA SEA / MOTHER (1994)
★★★★☆
LUNA SEA MOTHER

LUNA SEAの中でリアルタイムで聴いた唯一のアルバム。なので厳密には初聴きではないけど、当時曲順が気に食わず自分で勝手に変えてからカセットテープにダビングして聴いていたので、オリジナルの曲順はとても新鮮。しかもあらためて聴くと別に曲順悪くないし、当時そこまで好きではなかった「FACE TO FACE」がめちゃくちゃかっこいい。でも当時から大好きだった「Loveless」はやっぱり名曲だなあ。

そしてこの数ヶ月でLUNA SEAの初期4作を揃えてしまった。残りどうしようかなと思う今日この頃。



BUCK-TICK / SEXY STREAM LINER (1997)
★★★☆☆
BUCK-TICK SEXY STREAM LINER

BUCK-TICK / 97BT99 (2000)
★☆☆☆☆
BUCK-TICK 97BT99

『97BT99』はいわゆる「レコード会社との契約消化のための商品」って感じ。マーキュリーに在席した3年間の音源を、発表した順にひとまとめにしただけの2枚組コンピレーション・アルバムで、本作リリースにアーティストが一切関わっていないのは明白。ジャケも素人の手作り感がすごかったりと(2002年ごろに自分が作ったオリジナルコンピのジャケに似てる)どうにもやっつけ感が否めない。

ていうかアルバム未収録のシングルだけをまとめてくれれば良かったものを、アルバム『SEXY STREAM LINER』の全曲を収録したのも意味不明だし、2枚のディスクへの割り振りも雑過ぎる。Disc1は1曲目がシングルで2曲目がそのカップリング、3曲目以降がアルバムの音源。Disc2はアルバム以降にリリースされたシングルまとめ。普通、アルバム音源のディスクとシングル集のディスクで分けない?

というわけで、「商品」としては★ゼロなのだけど、移籍の都合でアルバム未収録となったシングル群がカップリングも含めまとめて入手できるのはありがたい。シングル「ミウ」やカップリング曲「My Baby Japanese」「DOWN」なんかはかなり好きなので★追加でこの評価。まあ『SEXY STREAM LINER』が丸ごと入ってること自体は別にいいんだけど。BUCK-TICKの音源はもうフィジカルとしてのコレクションなので、全曲収録されていることも承知の上で『SEXY STREAM LINER』の単品も買ってるし。



BUCK-TICK / ONE LIFE,ONE DEATH (2000 / 2017 reissue)
★★★★☆
BUCK-TICK ONE LIFE_ONE DEATH

とりあえず「GLAMOROUS」は名曲。以前ベスト盤『CATALOGUE 2005』を聴いたときも、この曲は「キャンディ」と並んで特に惹かれるものがあった。音の質感的には『COSMOS』や『SEXY STREAM LINER』と近い時期だということわかるようなコンプの利いたサウンド。今作ではちょっとギターの今井寿がボーカルで前に出過ぎているかな?という気はする。



SCHWEIN / SCHWEINSTEIN (2001)
★★★★☆
SCHWEIN SCHWEINSTEIN

少し前に本作のリミックス盤『SON OF SCHWEINSTEIN』の方を先んじて購入したけど、それが良かったのでこちらも。リミックスとはだいぶ異なるアレンジになっていて、あらためてリミキサー陣の才能凄いなとなったけど、オリジナルのアレンジも良い。特に「Lard, Lips, Liquor」はリミックスではダークなインダストリアルになっていたけどオリジナルは少し明るめでポップな感じで、どちらも良い。SCHAFTみたいに、こっちも十数年ぶりかで復活しないかな。



X / Jealousy (1991)
★★★☆☆
X Jealousy

リリース当時はCDなんて買う習慣もお金もなかったから、ラジオの電リク特番とかを聴いて曲の部分だけカセットに録音して聴いていたものだ。なのでこのアルバムの曲もほとんど知っている曲ではあったけど、アルバムで聴くのは初めて。

YOSHIKI以外のメンバーの曲が多めだけど、西洋的な様式美に貫かれたYOSHIKIとは対照的に80年代のアメリカのハードロックやメロディック・パワーメタルの色がとても濃い。

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