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Albums of the Month

Albums of the Month (2020年2月)

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2月に初聴きした音源のまとめです。最近ほんと邦楽ばかり聴いてます。




リーガルリリー / bedtime story (2020)
★★★★★
リーガルリリー bedtime story

2014年結成のガールズ・トリオによる待望のデビュー・フルアルバム。1stミニアルバム『the Post』が2016年リリースだから、移ろいの激しいJ-POP/J-ROCK界隈でこれほど「待望の」という表現がしっくりくるデビュー・フルもなかなかないのでは。自分は初期から追っていたわけではないけど、2年ほど前から「デビュー・フルアルバムを最も楽しみにしている日本のバンド」という存在ではあった。

アルバムは期待を上回る出来で、まず90'sオルタナっぽい音が良かった。「1997」におけるPixiesっぽいフレーズやアレンジ、「GOLD TRAIN」におけるほとんどシューゲイザーと言ってよいギター・サウンドをはじめ、随所に90'sオルタナへの憧憬が感じられるサウンドだ。

ただ、サウンド面だけでなく、J-POP/J-ROCK界隈における立ち位置としてもオルタナティブであると感じた。同じガールズ・トリオであるSHISHAMOほど大衆向けポップスではないし、邦楽ロックのトレンドである高速四つ打ちや、ボカロ曲のような言葉の詰め込み、そして過剰なギミックは皆無。アレンジ自体はとてもシンプルで、どちらかと言うと2000年前後のJ-ROCK──NUMBER GIRLっぽいギター・サウンドだったり、「猫のギター」や「子守唄のセットリスト」などから垣間見える初期のくるりっぽさなど、自分がバンド活動真っ盛りだった頃の音を想起させる。

たかはしほのかのボーカリゼーションと同様にどこかふわっとした、抽象的な歌詞も気になる。

"催涙弾で流した涙が光の反射で集まった/人々は目を眩ませた/私は泣くことしかできなかった" (1997)

"だんだん奇麗になってく君は/地上に手首切り落とす" (林檎の花束)

"リュックサックに準備したもの" "晴れた月曜日の救急車のサイレンを聞いて/君が元通りになりますように" "僕のママは、君のこと一生許さない/君のママは、僕のこと一生許さない" (キツネの嫁入り)

"この水溜まりは 何の爆発のあとだろう" "爆心地から100メートル" "この水溜まりで足を失くした" (そらめカナ)

"飛び交った戦闘機、光る君はあれに乗らないで。" (ハナヒカリ)

時折ハッとさせられるような意味深な言葉たち。これらは戦争や民主化運動、災害などを意味しているのだろうか。

リーガルリリー - "1997"




For Tracy Hyde / New Young City (2019)
★★★★☆
For Tracy Hyde New Young City

前作『he(r)art』は好きなアルバムだ。ただ、Porter RobinsonやThe 1975に憧れたのか、バンドとしてかなり背伸びしている印象があった。普通の学生が高級なスーツを着ているような感じ。それを何とかうまく着こなそうとしている姿は微笑ましかったけど、やっぱり粗も目立ってしまって、もっと自分に似合う服を着た方がいいのでは?と感じたり、そういうアンビバレントな作品だった。

そして今作。なんかいろんなものから解き放たれた感がある。方向性の面だけを考えれば、普通のバンドなら前作と今作の制作順は逆だろう。シンプルな「いい曲」を突き詰めた上で、ギター・ロックとしての可能性を拡張するために貪欲にいろんな実験をしていく──『he(r)art』はその実験の成果と言える作品だったと思う。でもそのあと、肩の力を抜いて一番得意なものをさらに突き詰めた。そうして生まれたのが本作のように思える。前作ほどバラエティには富んでいないけど、歌詞も歌もメロディも過去最高のクオリティ。

For Tracy Hyde - "櫻の園"




神聖かまってちゃん / 児童カルテ (2019 / 2020)
★★★☆☆
児童カルテskc-

昨年、先行で配信リリースされ、今年CDでリリースされた10作目。

これまでのアルバムはすべて追っているけど、彼らのアルバムはアタリハズレがある。例外もあるけど、だいたいはめちゃくちゃ良い作品と普通(悪くはない)作品が交互にリリースされている。今回は「悪くはない」アルバムの番だ。「ロボットノ夜」路線の「Girl2」や新機軸のアコースティック曲「おやすみ」など好きな曲もいくつかあるけど、全体的にはそこまで大きなインパクトはない。ただ、やっぱりいい曲を書くんだよな…。

今回特筆すべき点と言えば、ついに公式音源化された「聖マリ」だろう。デモバージョンはノイズまみれで16ビートのキック連打のエレクトロ・チューンなんだけど、今回はだいぶクリンナップされノイズは抑えられて、だいぶホーリーな雰囲気になっている。悪くはないけどデモ準拠のアレンジでも良かった気もする。

神聖かまってちゃん - "Girl2"




ひと段落ついていたB-T祭りが再開。昨年はSpotifyで軽く聴いて特に刺さったアルバムのみ厳選して購入したけど、ここからは残りのディスコグラフィを集めていく予定。もう全部聴かないと気がすまないや…。

BUCK-TICK / HURRY UP MODE (1990MIX) (1987 / 1990)
★★★☆☆
B-T HURRY UP


BUCK-TICK / SEXUAL×××××! (1987 / 2002 Remaster)
★★★★☆
B-T SEXUAL


BUCK-TICK / 極東 I LOVE YOU (2002)
★★★★★
B-T 極東 I LOVE YOU


BUCK-TICK / Mona Lisa OVERDRIVE (2003)
★★★★☆
B-TMona Lisa OVERDRIVE

デビュー・アルバム『HURRY UP MODE』と2nd『SEXUAL×××××!』はBOØWY × チェッカーズ × ジュンスカみたいな感じ。現在と比べるとかわいらしく音もショボショボだけど、この頃からポップ・センスは凄いなと思う。このポップ・センスがこのバンドを30年以上継続的に活動させる動力源になっているんだろうな。

『極東~』は前後の作品と比べるとやや大人しい印象を受けたけど、アコギが美しい曲「WARP DAY」があったりシューゲイザーっぽい「王国 Kingdom come -moon rise-」があったりする一方で「極東から愛を込めて」みたいな激しい曲もあったり、バラエティに富んでいつつもバランスの取れた、統一感のある作品。美しくもダーク、穏やかだけど激しい、そしてインダストリアルなノイズやビートがあるところなどが何となくスマパンの『Adore』(超名盤)っぽいなと感じたり。

『極東~』と対になる立ち位置の『Mona Lisa~』は一転してデジタル/ヘヴィー。この振れ幅がB-Tの最大の魅力だよね。一曲目の「ナカユビ」からしてAtari Teenage RiotやTHE MAD CAPSULE MARKETSを思わせるパンキッシュなガバ・テクノでテンション上がる。



MIKA / My Name Is Michael Holbrook (2019)
★★★☆☆
MIKA My Name Is MH

3月の来日公演が残念ながら延期となってしまったMIKAの5作目。QUEEN愛に満ちた「Tiny Love」が特に素晴らしいけど、冒頭のオリジナル・ヴァージョンも、ラストの「Tiny Love (Reprise)」もどちらも素晴らしい。

MIKA - "Tiny Love"




CASCADE / VIVA NICE BEST (2002)
★★★★☆
CASCADE VIVA NICE BEST

1994年から1997年まで放送されていた音楽バラエティ番組「えびす温泉」。当時それを観ていた奥さんがハマっていたというバンドのベスト盤。ちなみに同番組では5週連続勝ち抜いたとのこと。

自分は「アザヤカナキセキ」くらいしか聴いたことがなかったけど、こんなに尖ったバンドだったとは!ミクスチャーと言えばいいのか、基本マインドはパンクだと思うけど歌謡曲からヴィジュアル系やテクノポップまでゴッタ煮すぎる。

Vo.のTAMAはかなりクセの強い歌い方(河村隆一風からオザケン風、浅井健一風、幼児ヴォイスからデスヴォイスへと縦横無尽)で、曲調は最近のバンドでいうと夜の本気ダンスとか感覚ピエロ、キュウソネコカミみたいな悪ノリ感。きっとその辺りが好きな人が聴いたら「これ最近のバンド?」と思いそうだしハマりそう。「Dance Capriccio」や「コングラッチェ」、「TOKYOダーリン」、「Kill Me Stop」なんかはすでにメロディーやフレーズが頭から離れずクセになりそう。

それにしても、どうにも90年代のバンドとしてはオーパーツすぎるように思える。いや、もちろん90年代のバンドっぽさプンプンなんだけど、なんで最近のバンドとここまでリンクしてしまっているのか?彼らが源流になっているのか?という話はさておき、何といっても音がかっこいいのだ。特にギター。単純にテクニックもあると思うけど、ジョン・フルシアンテやトム・モレロみたいにエフェクター狂なのか、いろんな音色を鳴らしているけどどれもがめちゃくちゃかっこいい。ちなみに2002年に「終わり」を迎えつつも2009年に再始動し現在も精力的に活動中とのこと。
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